2020年04月11日
販売をしていないパソコンのクレーム対応
あるお客さんからキレぎみにある電話がかかってきました。パソコンでYOUTUBEが見れなくなったというものです。そういえば、一か月ほど前にOSの入れ替えをしたことがあります。
ウィンドウズ7のパソコンでサポート期間が終了したので、「ウィンドウズ10にしてくれないか」というものでした。もともとVISTA (ビスタ)がインストールされて販売されていたパソコンだったので、「ギリギリなんとか動く程度ですよ」という話はしていました。
ハードディスクを SSD に交換し、メモリも増設して普段の作業には問題なく使えるようになりました。そうして一か月ほどしての電話だったんです。YOUTUBE を見ると、なかなか再生されず音声も出ない時があるそうです。
持参頂き見てみると、確かに YOUTUBE の再生には無理がありました。CPU はセレロンでグラフィックボードも搭載されていないスペックでした。なによりも VISTA の時代のパソコンなので負荷のかかる作業は無理なのです。まあ、これがCore i3 や Core i5 でもあったら状況は違ったと思います。
私は基本的にセレロンのパソコンは、積極的に販売しません。ましてや、そのお客様の使い方から考えたら低スペックなパソコンは販売するはずがありません。実際持ち込まれたパソコンを販売した記憶もありませんでした。
なのに話を聞いていると、なんだか「ウチの店で販売したパソコン」であるかのような話ぶりだったんです。そこで、それとなく「どこで購入されたパソコンですか?」と聞いてみたんです。
「えっ、ここで買ったパソコンじゃないの?」と返答がありました。やっぱり、勘違いされている…となった訳です。そもそも購入されたのは数年前で、VISTA がのっかっているパソコンに 7 をインストールして販売していたようです。それも低スペックのものに。
使う人が不満を感じないスペックにする事を考えると、自分は絶対には販売できない代物だったんです。パソコンに詳しくない方は、見た目がしっかりしていればスペックを気にせずに購入する方が多いのです。
でも、そんなことをしていたら修理屋として絶対に長続きしません。常に人を騙すようなことをしていたら、いつかまとめて清算するときがやって来ます。逆に使う人のことを考えて毎日仕事をしていると、喜んでもらえるし、良いお客さんとの出会いが増えてきます。
話はもどりまして、その対応をしたお客さんは、実はとっても良い人です。ちょっとおっちょこちょいな所がありますが、憎めない人柄で、今回の話をしたら平謝りされたくらいです。
会社の先輩には「3年頑張ればなんとかなる」と言われ、なんともならず。「桃栗三年柿八年」という言葉で頑張り続けましたが、8年経っても大変な時期を経験しました。
「信用というものは得るのにここまで大変なものなのか」と、つくづく思います。