2014年10月17日
ブウベツ川でも惨敗
前回の「鮭に邪魔されたアヨロ川」の続き。
アヨロ川は、川の氾濫により環境が大きく変わったのか、チビやまめしか相手をしてくれなかった。4キロ先に構築されている砂防ダムへの遡行も検討したが、次に向かうブウベツ川の入渓を考えると昼までが限界。型物のあたりを体感することなく、ブウベツ川上流域に移動した。
ブウベツ川はこれまで、下流域に架かる橋の上でしか見たことがない。いつも土を溶かしたような強い濁りが入っていて、石狩や空知のウグイしか棲息しない里川という印象が強かった。今回、釣行するにあたって知人から聞いた話では、「支流と2股に分かれた先の上流域が、他の川にない特徴を持っている。川底が極端に浅く、火山灰が堆積してズブズブ埋まるところもある。また春と秋とでは魚の活性が異なり、秋はフライに反応しない」という。
白老工業団地の横道を経由して現地に向かった。道は、途中から対向車をやり過すことができないほどの狭い林道に変わった。奥に行くほど樹木が視界を妨げ、両脇は全く見通しが利かない。車の中にいても、熊の棲息圏に入ったという緊張感が高まる。
10分ほど走ってようやく支流が姿を現したが、林道はここで切れていた。対岸に見える林道に行くためには、この支流を渡りきるしかないようだ。水深は最大でも30センチ程度。問題なく渡ったが、「突然の大雨で水嵩が増して、川を越えることができなくなるのでは」という不安が横切る。
高速道路下から3キロ付近に、放牧地を閉じるゲートが備えられていた。鍵はかかっていないので通行はできそうだが、「関係者以外立ち入り禁止」の告知看板が重く圧し掛かり、ゲートを潜らず少し戻った地点に駐車した。
ブウベツ川にも、他の白老河川と同様に氾濫の傷跡が生々しく残っている。現在の上流の川幅はせいぜん5メートル足らずだが、氾濫時は60〜70メートルにわたって増水したのだろう。放牧地も削り取られたようで、放牧地を取り囲むバラ線があちこちで切断して、崖の下に落ちていた。
ここまで来ても、濁りは下流域とほとんど変わらない。そして、川は蛇行を繰り返すが全般的に水深が浅く、ポイントらしい場所が見当たらない。もっと驚いたのは、鮭の遡上数の多さ。これだけ浅い川なので、背びれを出し水柱を立てて泳ぐ姿があちこちに見られる。川に立ち入っていると、足にぶつかってくるものもいる。その鮭の周りには、産卵する卵を狙う小魚が集まっていて、中には20センチほどの岩魚の姿も見えた。
その岩魚にめがけて上流からカディスを流すが、見向きもしない。ウグイなのか、鮭にまとわりつく他の魚も反応しない。
フライを打ち込む場所を確認しながら遡行を続けたが、一般的な川ならば魚が定置しているポイントでも反応しない。魚の活性が鈍いわけではないだろう。鮭以外にも、浅瀬から上流下流に向かって勢いよく水柱を立てて泳ぐ魚が沢山いたからだ。また、水の濁りも原因ではないと思う。
これだけ水深のない川だとルアーは難しい。餌釣りも、針から上のシステムを工夫しなければ対応できない。そうなると、川の表層を流すドライフライが一番効果的ということになるのだが、実際には見向きもされない。
あれこれ考えながら遡行を続けていると、砂防ダムに着いた。釜のない平坦なコンクリート底の流れ出しにドライを打ち込んでも、相変わらず反応はない。ここまで来ると鮭の姿は見えない。八目うなぎの稚魚が、流れ出しに向かって泳いでいたが、岩魚ややまめの姿はない。砂防ダムから上流は、岩魚だけが棲息しているらしい。
アヨロ川を含めて、今回の釣りは低迷を極めた。それでも、白老河川に一層惹きつけられた釣行だったと思っている。次回は白老川本流と支流を計画している。ただ、ドライフライの季節はもう終盤で、実現できるのは来春になりそうだ。
写真上左:橋のない支流を車で渡りきって本流の上流を目指す。同上右:川は濁りが強くて水深が浅い。ドライには全く反応しなかった。同中左:氾濫の傷跡があちこちに残る。同中右:砂防ダムの流れ出しには魚の姿が見られなかった。同下:背を出して遡上する鮭の数が半端でないブウベツ川上流
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アヨロ川は、川の氾濫により環境が大きく変わったのか、チビやまめしか相手をしてくれなかった。4キロ先に構築されている砂防ダムへの遡行も検討したが、次に向かうブウベツ川の入渓を考えると昼までが限界。型物のあたりを体感することなく、ブウベツ川上流域に移動した。
ブウベツ川はこれまで、下流域に架かる橋の上でしか見たことがない。いつも土を溶かしたような強い濁りが入っていて、石狩や空知のウグイしか棲息しない里川という印象が強かった。今回、釣行するにあたって知人から聞いた話では、「支流と2股に分かれた先の上流域が、他の川にない特徴を持っている。川底が極端に浅く、火山灰が堆積してズブズブ埋まるところもある。また春と秋とでは魚の活性が異なり、秋はフライに反応しない」という。
白老工業団地の横道を経由して現地に向かった。道は、途中から対向車をやり過すことができないほどの狭い林道に変わった。奥に行くほど樹木が視界を妨げ、両脇は全く見通しが利かない。車の中にいても、熊の棲息圏に入ったという緊張感が高まる。
10分ほど走ってようやく支流が姿を現したが、林道はここで切れていた。対岸に見える林道に行くためには、この支流を渡りきるしかないようだ。水深は最大でも30センチ程度。問題なく渡ったが、「突然の大雨で水嵩が増して、川を越えることができなくなるのでは」という不安が横切る。
高速道路下から3キロ付近に、放牧地を閉じるゲートが備えられていた。鍵はかかっていないので通行はできそうだが、「関係者以外立ち入り禁止」の告知看板が重く圧し掛かり、ゲートを潜らず少し戻った地点に駐車した。
ブウベツ川にも、他の白老河川と同様に氾濫の傷跡が生々しく残っている。現在の上流の川幅はせいぜん5メートル足らずだが、氾濫時は60〜70メートルにわたって増水したのだろう。放牧地も削り取られたようで、放牧地を取り囲むバラ線があちこちで切断して、崖の下に落ちていた。
ここまで来ても、濁りは下流域とほとんど変わらない。そして、川は蛇行を繰り返すが全般的に水深が浅く、ポイントらしい場所が見当たらない。もっと驚いたのは、鮭の遡上数の多さ。これだけ浅い川なので、背びれを出し水柱を立てて泳ぐ姿があちこちに見られる。川に立ち入っていると、足にぶつかってくるものもいる。その鮭の周りには、産卵する卵を狙う小魚が集まっていて、中には20センチほどの岩魚の姿も見えた。
その岩魚にめがけて上流からカディスを流すが、見向きもしない。ウグイなのか、鮭にまとわりつく他の魚も反応しない。
フライを打ち込む場所を確認しながら遡行を続けたが、一般的な川ならば魚が定置しているポイントでも反応しない。魚の活性が鈍いわけではないだろう。鮭以外にも、浅瀬から上流下流に向かって勢いよく水柱を立てて泳ぐ魚が沢山いたからだ。また、水の濁りも原因ではないと思う。
これだけ水深のない川だとルアーは難しい。餌釣りも、針から上のシステムを工夫しなければ対応できない。そうなると、川の表層を流すドライフライが一番効果的ということになるのだが、実際には見向きもされない。
あれこれ考えながら遡行を続けていると、砂防ダムに着いた。釜のない平坦なコンクリート底の流れ出しにドライを打ち込んでも、相変わらず反応はない。ここまで来ると鮭の姿は見えない。八目うなぎの稚魚が、流れ出しに向かって泳いでいたが、岩魚ややまめの姿はない。砂防ダムから上流は、岩魚だけが棲息しているらしい。
アヨロ川を含めて、今回の釣りは低迷を極めた。それでも、白老河川に一層惹きつけられた釣行だったと思っている。次回は白老川本流と支流を計画している。ただ、ドライフライの季節はもう終盤で、実現できるのは来春になりそうだ。
写真上左:橋のない支流を車で渡りきって本流の上流を目指す。同上右:川は濁りが強くて水深が浅い。ドライには全く反応しなかった。同中左:氾濫の傷跡があちこちに残る。同中右:砂防ダムの流れ出しには魚の姿が見られなかった。同下:背を出して遡上する鮭の数が半端でないブウベツ川上流
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