2014年09月27日
予想超えた白老河川の被害
9月に入ってからのブログの内容は、半分以上を大雨による河川の被害と、その後遺症に費やしてきた。9月ももう残り数日なのに未だ濁水や増水、川相の変化などその影響から脱していない。
先日、札幌圏以上に大雨の被害が大きかった、白老方面の河川の様子を釣りを兼ねて見に行った。道すがら目にした川の様子は、ウヨロ川、ブウベツ川、メップ川などの比較的小さな河川ほど増水の傷跡が大きく残っている。下流域での水量が平常時の3〜4倍はあったと思われ、橋の欄干には今でも流木が張り付いたままの姿で残っている川もある。
目的地の敷生川は初めて入川する。以前、この川に入るつもりが、間違えて隣の毛敷生川に入った経緯がある。白老滑空場を経由して今回は間違いなく現地に着いた。
滑空場と、1号ダムの中間地点に架かる採石所近辺の橋が今回の入釣地点。すぐ下流には堰堤が設けられているが、魚道がないために下流域からの遡上は難しそうだ。
平常の水量は判らないが、増水は治まっていると思われる。しかし、濁りはまだ残っている模様だ。上流の氾濫で運ばれてきたのだろう、1メートル以上の岩がゴロゴロしている。その分、川筋は遡行するほど狭くなり、水量も増して各所にポイントを作る。ただ、遡行を続けても、フライには一度もあたりがない。どうしたことか、ドライをいたずらする小魚の姿も全く見えない。
これが、入渓地点から500メートル入った場所でも変わらない。下流に流されたのか、この区間には魚が残っていないのだろう。ここから2キロほど上流の1号ダムに直接入ることも考えたが、地図上では飛生川がここから近く、飛生川に入渓することにした。
様々に交差する林道を、慎重に確認しながら着いた飛生川の中流地点には、川の修復のためなのかユンボとブルドーザーが陣取っていた。初めての川なので平常時の姿は判らないが、川筋は50メートルに渡り大きく蛇行を繰り返した痕が残り、川に沿って延びる牧草地が、濁流により侵食されて大きくえぐられている。そこから200メートルほど上流まで、まるで用水のようにブルドーザーが新たに作った土手が続く。
水質は源流部の違いなのだろうか、敷生川とは異なり予想以上に透きとおっている。上流に向かうほど、川相はフリーストーンで形成する山岳渓流となって、落ち込みや流れ込み、肩、淵など様々な好ポイントが現れる。時折、10センチほどのやまめがドライに食いつくが、大物の反応は見られない。そして、入渓地点から1キロほどで氾濫の痕が見えなくなった。その分、黒くて未消化の糞が岩の上に残されるなど、熊の気配がひしひしと感じるようになってきた。
さらに上流に向かえば、岩魚なども狙えるのだろうが、初めての河川は様々な面で制約がある。さらに遡行するのか迷っている内に、下流から餌釣りの2人組が上ってきた。それを切掛けに脱渓することにした。結局、この川でも小型のやまめしか相手にしてくれなかった。
帰路につく前に、滑空場近くの毛敷生川の様子を見に行った。滑空場に向かう旧道に架かる橋からは、他の河川よりも氾濫の影響が少ないように感じた。ただ、橋の直下を見ると腹の割かれた鮭が20匹近く投げ棄てられていた。オスは手付かずに丸ごと投げられていることから、筋子だけを目的にしたことが判る。「密漁」それから「熊の捕食活動」というイメージが思い浮かんだ。何ともいえない気分だ。
写真左上:敷生川中流域に架かる橋を上流から撮影、同右上:上流から流れ着いたと思われる敷生川中流域の川相、同左下:氾濫の痕がすさまじい飛生川中流域の現在の様子、同右下:毛敷生川に架かる橋の下に投げ捨てられた、密猟者の仕業と思われる大量の鮭
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