第二章は5つの節に分かれています。一番大切なのは第一節のようですが、順を追ってみてみましょうw
第二章 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達等
第一節 調達価格及び調達期間
第二節 入札の実施等
第三節 再生可能エネルギー発電事業計画の認定等
第四節 電気事業者の義務等
第五節 電力・ガス取引監視等委員会
第一節 調達価格及び調達期間
経済産業大臣は、毎年度、当該年度の開始前に、電気事業者が第十六条第一項の規定により行う再生可能エネルギー電気の調達につき、経済産業省令で定める再生可能エネルギー発電設備の区分、設置の形態及び規模(以下「再生可能エネルギー発電設備の区分等」という。)のうち、次条第一項の規定による指定をしたもの以外のものごとに、当該再生可能エネルギー電気の一キロワット時当たりの価格(以下「調達価格」という。)及びその調達価格による調達に係る期間(以下「調達期間」という。)を定めなければならない。ただし、経済産業大臣は、我が国における再生可能エネルギー電気の供給の量の状況、再生可能エネルギー発電設備の設置に要する費用、物価その他の経済事情の変動等を勘案し、必要があると認めるときは、半期ごとに、当該半期の開始前に、調達価格及び調達期間(以下「調達価格等」という。)を定めることができる。
→FITの骨組みの話ですね。基本的には毎年、場合によっては半年毎に、翌年度の再エネの調達価格と調達期間を大臣が決定すると言っています。
2 経済産業大臣は、再生可能エネルギー発電設備の区分等ごとの再生可能エネルギー電気の供給の量の状況、再生可能エネルギー電気を発電する事業の状況その他の事情を勘案し、必要があると認めるときは、前項の規定により定める調達価格等のほかに、当該年度の翌年度以降に同項の規定により定めるべき調達価格等を当該年度に併せて定めることができる。
3 前項の規定により調達価格等を定めた再生可能エネルギー発電設備の区分等については、その定められた年度において、第一項の規定は適用しない。
→毎年、半期ごとではなく、翌年度以降も決定できますと言っています。
4 調達価格は、当該再生可能エネルギー発電設備による再生可能エネルギー電気の供給を調達期間にわたり安定的に行うことを可能とする価格として、当該供給が効率的に実施される場合に通常要すると認められる費用及び当該供給に係る再生可能エネルギー電気の見込量を基礎とし、第十二項の価格目標及び我が国における再生可能エネルギー電気の供給の量の状況、認定事業者が認定発電設備を用いて再生可能エネルギー電気を供給しようとする場合に受けるべき適正な利潤、この法律の施行前から再生可能エネルギー発電設備を用いて再生可能エネルギー電気を供給する者の当該供給に係る費用その他の事情を勘案して定めるものとする。
→調達価格の考え方ですね。設備コストと見込発電量を基礎として、我々発電家の適正な利潤や法律施工前の事業者に不利の内容に設定しますと言っています。この、発電家の適正な利潤というのがミソとなっていて、価格設定は発電家の利潤ありきで、ソモソモ損をするような仕組みになっていないことを表しています。
5 調達期間は、当該再生可能エネルギー発電設備による再生可能エネルギー電気の供給の開始の時から、その供給の開始後初に行われる再生可能エネルギー発電設備の重要な部分の更新の時までの標準的な期間を勘案して定めるものとする。
→調達期間の話です。設備の耐用年数を意識しているようで、パワコンが15年、パネルが25年とすると間の20年を取りました、といったところでしょうか。
6 経済産業大臣は、調達価格等を定めるに当たっては、第三十六条の賦課金の負担が電気の使用者に対し過重なものとならないよう配慮しなければならない。
→国民負担も意識せよ、と言ってます。あまりにも発電家が利潤を取ってしまわないように。
7 経済産業大臣は、調達価格等を定めようとするときは、当該再生可能エネルギー発電設備に係る所管に応じて農林水産大臣、国土交通大臣又は環境大臣に協議し、及び消費者政策の観点から消費者問題担当大臣(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣であって、同項の規定により命を受けて同法第四条第一項第二十八号及び同条第三項第六十一号に掲げる事務を掌理するものをいう。)の意見を聴くとともに、調達価格等算定委員会の意見を聴かなければならない。この場合において、経済産業大臣は、調達価格等算定委員会の意見を尊重するものとする。
8 経済産業大臣は、調達価格等を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
9 経済産業大臣は、前項の規定による告示後速やかに、当該告示に係る調達価格等並びに当該調達価格等
の算定の基礎に用いた数及び算定の方法を国会に報告しなければならない。
→調達価格の決定については関係省庁とも要相談せいよ、と言っています。また価格が決まったらすぐに開示しなさいねって感じです。
10 経済産業大臣は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、調達価格等を改定することができる。
→ココ、非常に重要です。FITはインフレに弱いと思っている方も一部いらっしゃるかと思いますが、物価変動にも適切に対応します。と言っています。つまり上述した4項と合わせると、発電家の適切な利潤を維持しながら、物価変動に応じて調達価格を改定すると取れるわけで、まさに国策たるゆえんのお話ですね。
11 第七項から第九項までの規定は、前項の規定による調達価格等の改定について準用する。
12 経済産業大臣は、調達価格等算定委員会の意見を聴いて、電気についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源の効率的な利用を促進するため誘導すべき再生可能エネルギー電気の価格の水準に関する目標(次項及び第十四項において「価格目標」という。)を定めなければならない。
13 経済産業大臣は、再生可能エネルギー電気をめぐる情勢の変化その他の情勢の変化を勘案し、必要があると認めるときは、調達価格等算定委員会の意見を聴いて、価格目標を変更することができる。
14 経済産業大臣は、前二項の規定により価格目標を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
→目先の調達価格だけではなく、将来の価格目標もきっちり設定しなさいね。と言っています。新聞報道等で見るに、経産省は向こう10年間で調達価格を10円程度に引き下げる。と言っています。制度が続けばですが。
以上、第一節を読み解くに、如何に国策として優遇されているかが分かるかと思います。そりゃ目的の部分で国策ですと言ってしまっているので、それを具現化する形にしないとまずいですからね。
いやー、疲れました。
一旦終了しますw
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