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2018年09月14日

あの先生、嫌いです

「うるせぇ、くそばばぁ。」
周りに聞こえるように、悪態をつく。
相手は二十代のA先生。

中高生ともなると、時折こんな場面が見られる。

しかし、私には、「クソじじい。」とは言わない。
心の中では叫んでいるだろうが、少なくとも面と向かっては言わない。
信頼関係があるから、という訳でもない。
おそらく、勇気がなくて、「これを直接言ったらまずいな。」という思いが働くのか、それとも、私を怖がっているだけか…。

私は、その生徒を呼んで話をしてみることにした。
「むかつくことがあったとしても、口に出していうのは、どうかな。」
「…」
「冷静に考えれば、してはいけないことではないかな。」
「はい…」
「嫌な思いをしたことを思い出して、むっとしたのだろうけど、百歩譲って、心の中でそう思ったとしても、口に出してはいけないし、ましてや皆に聞こえるように言ってはいけない。本当は、心で思ってもいけないんだけど、それはまだまだ修行が必要だから。」
「…」
「本当は、A先生が嫌いなんじゃない。」
「いいえ。」
「いや、本当はA先生が嫌いなんだろう?。」
「…はい。A先生は嫌いです…」
「好きになれとは言わないが、社会はいろいろないろいろな人がいる。どうしても会わない人だっている。しかも、その中で、お互いが傷つき、傷つけ合いながら生きている。それが、この世の修行だ。だから、そのようなものと思って、自分の思いを変えてみたらどうだ。」
「はい。」
「人間、面と向かって悪口、言われると、傷つくよ。たとえ君は今は反抗期でもね。」
「はい。」

彼はからは一切の言い訳はなかった。

私は、何があったかをすべて知っていた上で、彼と話をしたのだ。
陰で「クソじじい」と言われることを知っていながら…。
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