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オーギーに首ったけ

 少し前から、アナログ盤を聴く機会が増えています。
 実は、中古のアナログ盤に手を出すようになったのです。
 私は、知人にCD棚を見られるたびに、「コレクターではない」と言い続けてきました。
 あくまで、好きな音楽を聴いていたら、「結果として数が増えただけ」で、「こだわりなどないし、特定の対象のコンプリートなども興味はない」とも…。

 ですので、ここでも強弁したいと思います。
 「アナログ盤の音が好き。中古を買うのは新品が流通していないから、ただそれだけ。」
 まあ、大抵の人は、DVDの棚に気を取られて、そっちの方を尋ねてきますが…。


Augies Back
Augie Meyers

Side One
1. Did I Tell You (That I Love You) (G.Povey)
2. It Ain't Easy (Aigie Meyers)
3. Don't Let Go (J.Stone)
4. When You Know (Aigie Meyers)
5. I Wanna Fall In Love Again (Augie Meyers)
6. It Hurts To Love You (Augie Meyers, L.Dahiberg)

Side Two
1. You're On My Mind (Augie Meyers)
2. Nobody (Wayne, Carson, Thompson)
3. Just You And Me (Augie Meyers)
4. Here I Go Again (Augie Meyers)
5. Since You've Gone Away (Augie Meyers)
6. Peace Of Mind (Augie Meyers)

 このLPは、私の中古盤あさりのきっかけとなった1枚で、86年リリースのオーギーのソロ・アルバムです。

 アルバムのタイトルですが、前作がAugust In New Yorkでしたので、てっきりテキサスへ戻ってきたという意味で、「オーギーの帰還」だと思っていたのですが、よく考えると、Augie's Backではなく、Augies Backとなっていることに気付きました。 
 これは、「オーギーの背中」ということでしょうか。 

 音の方は、相変わらず好きもの心をそそってくれます。
 そして、今作でも、過去のレパートリーの再演がいくつか含まれていて、興味をひきます。

 まず、冒頭のDid I Tell You(That I Love You) ですが、この曲は自作ではありませんが、オーギーのお気に入りなのでしょう。
 多分、これが初演なのだと思いますが、同年リリースの次作ソロ、My Main Squeezeで再演することになる曲です。
 そして、Texas Tornadosの91年作、Zone Of Our Ownでも、みたび取り上げます。
 すべて持っているよ、と言う人もかなりいらっしゃると思います。
 聴き比べをすると楽しいですよ。

 作者は、G.Poveyとなっていて、多分、Gavin Poveyという人ではないかと思います。
 ピアニストで、ほぼ同時期の82年リリースのShakin' Stevensのアルバム、Give Me Your Heat Tonightに参加している人だと思います。
 また、Billy Bremnerの84年のソロ作、Bushでもピアノを弾いているようなので、英国人なのでしょう。

 などと、タイプしながら、アルバムを裏返すと、ピアノ、アコーディオン、シンセで、Gavin Poveyさんのクレジットがありました。(真っ先に確認すべきでした。)
 そういえば、録音は、ロンドンとなっています。
 そして、オーギーが颯爽とまたがるバイクのプレートは、カリフォルニア・ナンバーなのでした。
 やっぱり、「テキサスへ帰る」ではなかったのですね。

 I Wanna Fall In Love Againは、前年リリースのSir Douglas Quintetのアルバム、Love Ya Europeでやっていた曲の再演です。
 また、ずっと後になって、Tex-Mex Beatlesと評されるバンド、Krayolasが、09年作Long Leaf Pineで取り上げました。
 そのアルバムでは、オーギーがゲスト参加して、この曲でキーボードを弾いたのでした。 
 軽快なオルガンのビートが、いかにもオーギーの曲という感じでよいです。

 B面を見ますと、Just You And Meをやっています。
 この曲は、82年のソロ・アルバム、Still Growinが初出だと思います。
 どちらも甲乙つけがたい良い出来だと思います。
 ロマンチックな胸キュン・バラードですね。

 そして、Here I Go Againは、ずっと後になって、09年リリースのソロ作、Countryで再演することになります。
 雰囲気満点のシャッフル曲ですね。
 アコーディオンのオブリが効果的に使われています。
 09年のCountryでは、スチール・ギター・メインのアレンジになっていますが、これもまた良いのです。
 このへん、盲信に近い感じですが、素直に「ファンだから」というほかないです。

 さて、カバー曲にも注目したいと思います。
 まず、Don't Let Goです。
 この曲は、私の感覚では、ヒルビリー・ブギという印象を持っていましたが、作者を見ると J.Stoneとなっています。
 おそらく、Jesse Stoneだと思いますが、この人は、チャールズ・カルホーン他の複数の別名を持つ怪人で、ジャンプといいますか、プレR&B時代にシンガーとして活動し、その後ソング・ライターとして有名になった人です。

 似たような経歴の人では、オーティス・ブラックウェルがいますね。
 白人では、ドク・ポーマスがそうです。

 ストーン作の有名曲はいくつもありますが、ドリフターズのMoney Honeyがやはり最重要曲かと思います。
 
 Don't Let Goは、私は、記憶違いでなければ、アスリープ・アット・ザ・ホイール盤で初めて聴いたのだと思います。
 Western Standerd Timeという企画盤でやっていた曲で、その印象がとても強いです。
 コマンダー・コディ& ヒズ・ロスト・プラネッツ・エア・メン盤はありましたっけ?
 やっていても不思議はない曲です。
 確か、ビル・カーチェンは、レパートリーに入れていると思います。

 この曲のオリジナルは誰でしょう。
 意外にも、ロイ・ハミルトンあたりではないでしょうか。
 ソウル・ファンには、あまり人気がないと思われる人で、You'll Never Walk Aloneとか、Unchained Melodyとか、Ebb Tideとか、バラーディアーとしてより知られている人です。
 少し気取った歌い方とか、私は、ほぼ同時代の人ではありますが、エルヴィスへの影響(相互影響?)という意味で、実は重要なアーティストではないかと密かに考えています。

 今回のオーギーのバージョンでは、エルヴィスのアーサー・クラダップのカバーや、ミステリー・トレインなどを連想させる、スコッティ・ムーアばりのロカビリー風のアレンジで新鮮です。
 
 そして、Nobodyという曲にも注目です。
 この曲は、DE7thあたりのデイヴ・エドマンズ・バンドの公演で、キーボードのGeraint Watkinsがソロ・ボーカルを取っていた曲です。
 痛快まるかじりといった感じのピアノ・ロックンロールで、ヒューイ・スミス風のフレーズとか、定番のグリッサンドも何度か決めています。
 このプレイは、オーギーでしょうか、ポーヴェイさんでしょうか。
 確信はありませんが、ソロはポーヴェイさんのような気がします。

 また、Shakin' Stevensが、81年の出世作、This Ole Houseでやっていた曲でもあります。
 同作でピアノを弾いていたのが、ワトキンスでした。(ちなみに、ギターはミッキー・ジーです。)

 この曲の作者ですが、Wayne, Carson, Thompsonとなっています。
 シェイキー盤を確認したところ、同じクレジットでした。
 ウェインさんとカーソンさんとトンプソンさんの共作ということですね。
 
 しかし、私には若干の疑問があります。
 カントリー系(マッスル・ショールズ系?)のソング・ライターに、Wayne Carsonという人がいるのです。
 これは同一人物ではないでしょうか?
 しかも、この人のフル・ネームは、Wayne Carson Thompsonというのです。
 これが偶然だとしたら、そのほうが驚きです。

 ウェイン・カーソンの代表作としては、ウイリー・ネルソンのAlways On My Mind、ボックス・トップスのThe Letterなどがあります。
 みんないい曲ですね。

 私は、オーギーのソロ・アルバムでは、このあたりまでが特に好きかも知れません。
 このあと、若干スモール・コンボ化するといいますか、そういったシンプルなコンフント・スタイルも好きなんですが、豪華なホーン陣のサポートを受けて、ジャンプしたり、ブギヴギしたりしながら、時に哀愁の三連バラードでしっとりさせてくれる、そんなオーギーが、とりわけ私のお気に入りなのでした。



SDQ盤、I Wanna Fall In Love Againです。




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