2019年02月01日
疲れが取れない…ストレスや精神疲労には、アスタキサンチンが効果
疲れを取るには質の良い睡眠は絶対に必要だ。もちろんそうなのだが、肉体疲労と違い、ストレスなどによる精神疲労があると睡眠だけでは疲れが取れないもの。そんな時に助けになるのが「アスタキサンチン」。近年話題の「カロテノイド」の一種だ。疲れが抜けないと感じているなら、天然成分による自然の癒やしに頼ってみてもいいかもしれない。
□植物や微生物が作り出す自然の色のパワー「カロテノイド」
アスタキサンチンはカロテノイドという物質の一種である。カロテノイドは植物が作る天然色素、つまり植物の色だと思ってほしい。例えばニンジンのオレンジ色はβカロテン、トマトの赤はリコピンというカロテノイドによる色だ。
このカロテノイド、植物や微生物だけが生成することができる物質で、それらの生物の体を守る働きを持っている。動物はそれを摂取することでカロテノイドを体に蓄えることができ、その恩恵にあずかることができる。エビやカニが赤いのは、食べる微生物にアスタキサンチンが入っており、体にため込むことができるためである。
□自然の赤色が持つ抗酸化作用
さて、話をアスタキサンチンに戻そう。アスタキサンチンは先ほど書いたように赤色をした魚介類に多く含まれている。エビやカニだけでなく、マスやタイ、紅鮭やいくらにも多く含まれている。カロテノイドに共通してあると言われている作用が抗酸化作用。
細胞にダメージを与え、がんや老化の原因物質となる活性酸素。活性酸素は、酸素を消費すると一定の割合で発生してしまい、そこで細胞はダメージを受ける。その活性酸素から細胞を守るのが抗酸化作用であり、カロテノイドには強い抗酸化作用がある。
□精神疲労に効果のあるアスタキサンチン
フジ化学グループが今回発表したのは、「疲労」に対するアスタキサンチンの効果。疲労というと肉体の疲れ「肉体疲労」を思い浮かべる人が多いと思うが、今回の効果は頭の疲労である「精神疲労」に対するもの。
通常、比較的単純な計算のテストでも、繰り返すうちに徐々に正答率やスピードが落ちて来る。脳細胞を酷使することで脳が疲労してしまう精神疲労のせいである。
フジ化学グループは「内田クレペリンテスト」という計算テストの成績の比較により、精神疲労への効果を確認した。フジ化学が出したアスタキサンチンサプリを摂取したグループでは、後半になってもミスが増加せず、開始直後のパフォーマンスを維持していた。つまり、アスタキサンチンが脳細胞を精神疲労から守ったのである。
□アスタキサンチンは脳まで届く抗酸化物質
では、なぜアスタキサンチンが精神疲労に効果があるのだろうか? その秘密は「血液脳関門」にある。脳は非常にデリケートな臓器であるため、脳へ向かう血管には特別なフィルターがあり、そこを通った物質のみが脳へ到達することができるようになっている。そのフィルターこそが血液脳関門である。ビタミンCやE、βカロテンなど他の抗酸化物質が血液脳関門を通過できないのに対し、アスタキサンチンはそこを容易に通過する。
脳は他の臓器に比べ、酸素を非常に多く必要とする臓器であり、活性酸素が大量に発生してしまうため、その影響も大きい。アスタキサンチンは、その細胞のダメージを抑えることで、精神疲労に効果があると考えられる。
うつ病や不眠症など、精神疲労が影響する病気の多い現代。人間関係のストレスなども非常に多い。アスタキサンチンを食べていればすべて解決するような魔法の物質ではないが、精神的に疲れていると感じている人は一度試してみてもいいのでは?