2017年11月29日
たかが肩こりと放置しては危ない!「肩こり」からわかる病気を教えて
若かったころにはそれほど気にもならなかったのに、加齢とともに多くの方が訴えられる症状の一つとして肩こりがあります。
特に、近年のスマホやパソコンの普及により、以前よりも肩こりに悩ませる方は増えているのではないでしょうか。
そこで今回は、放置しておくと危険な「肩こりでわかる病気」について、医師に解説していただきました。
肩こりが何か病気の発見につながることはありますか?
よくいう肩こりは寝違えや筋肉痛、または、筋肉の挫滅や肩の筋膜の張りのせいで起こる筋骨格系の痛みであることが一般的です。
ただし、それ以外に恐ろしい病気の初発症状となっていることもあります。最も恐ろしい病気として心臓の心筋梗塞の痛みが放散し、胸でなく肩が重くて痛いといった症状として出現することがあります。
他にも、頸動脈の血管がさけてしまう動脈解離や、頚椎脱臼により頸髄損傷などを引き起こしたり、腰椎のヘルニアと同様に頸椎にもヘルニアが生じることもあります。
肩こりの場所や症状ごとに考えられる病気を教えてください
筋肉や首の骨から来る痛みは、基本的には運動をしたり動作に伴って痛みが生じてくることが特徴です。
≪心筋梗塞による痛み≫
左肩をしめつけられるような痛みがします。
≪血管のかい離による痛み≫
肩に突然、引き裂かれるような痛みが現れます。
≪頸椎ヘルニアによる痛み≫
首を傾けると手がしびれるといったものが軽症の症状として始まりで、進行すると手の運動がしにくくなるようなこともあり得ます。
≪頸髄損傷による痛み≫
基本的には何らかの外的受傷がきっかけとなるので、事故などを負った時には念のため医療機関を受診するほうがよいでしょう。
特に注意が必要な病気とその理由を3つ教えてください
特に注意すべきというものを致死的な病気としてあげていくと、以下の3つとなります。
1.心筋梗塞
命の危険にかかわるため重要となります。
2.頸動脈かい離
軽症ならば血圧のコントロールでよい場合もありますが、手術の必要性もあります。
3.頸髄損傷
軽症をそのまま動かすことで、重症となり手足の運動ができなくなることもあるため非常に重要な疾患です。
どのような肩こりを感じたら病院に行くべきですか?
筋肉などから由来しないような場合には、内科的な病気がかくれている可能性があるため、注意をして受診を検討しましょう。
ただし、肩こりの多くは筋肉由来ではあるため、まずは、整形外科へ受診して筋骨格系の病気でなければ、内科受信を紹介してもらうことが一番理想的と考えられます。
たかが肩こりといっても、筋肉から由来される以外に内科疾患としての致死的なものも含まれているため、運動時以外の痛みには少し注意してみましょう。