2019年09月18日
禁煙をすると太るとウワサは本当だった!?
禁煙すると太るという噂は本当なのでしょうか。 タバコが体に良くないのは明白のはず。普通は体に悪いものを止めた方が、健康的になりそうなものなのですが...? 今回はその噂について紹介していきます。
要チェック項目
□禁煙すると太るのは本当! 主な原因は「食べすぎ」
□食べ過ぎ以外にも代謝や消化の変化によって太りやすくなることも
□太らないためには水を飲もう! 適度な運動も忘れずに
禁煙で太るのは本当! 食べすぎが原因
禁煙をすると太ってしまうというのは本当です。原因はいろいろとあるものの、最も大きな理由は「食べすぎてしまう」ことですね。 すごく単純な理由のようにも見えますが、実はその裏には、やはりニコチンが今まで体に与えてきた影響がたくさんあるのです。
ニコチンの食欲減退効果 タバコの主成分であるニコチンには、食欲を減退させる効果があります。 ニコチンは肺から体内に入り、そこから血液に取り込まれて脳へと達するのですが、この時視床下部にある満腹中枢に働きかけ、空腹感を抑え込んでしまうのです。 そのためいきなりニコチンを断ってしまうと、今までマヒしていた空腹感が戻ってしまい、結果食べる量が大幅に増えてしまうのですね
ストレスでの過食 タバコに含まれるニコチンには依存症があるため、禁煙をするとついついストレスが溜まってしまいますよね。 ストレスが溜まると過食に走り、太ってしまうという方も多いのですが、禁煙している場合はそれに加えてタバコが吸えない分の代償行動として、ついつい食べすぎてしまうそうです。
禁煙で食べ物がおいしくなって太る!?
また、ただでさえ食欲が増進されているのに、さらに厄介なのが味覚や嗅覚が正常になってしまっているということです。
味覚が正常になる タバコをやめたらご飯が美味しくなったという話はよく聞くかと思います。あれは気のせいではなく、ニコチンが舌にある「味蕾(みらい)」を鈍らせているからです。 味蕾は味覚をつかさどっている器官、つまり食べ物の味を正しく感じさせる働きを持っています。
タバコを吸っていたときは、味蕾が鈍っていたので食べ物の味もよくわからなくなっていたのですが、タバコを止めることでこの味蕾の働きが元に戻ると、 マヒしていた味覚が復活し、食べ物が再びおいしく感じられるようになるのです。ちなみに味蕾は新陳代謝が早いので、タバコをやめてからすぐに味覚が元に戻ります。 また、タバコを吸っていると亜鉛不足に陥りやすくもなるというのも要因の1つでしょう。
亜鉛には細胞の代謝に大きくかかわっているのですが、新陳代謝が活発な味蕾は特に亜鉛の力を必要としています。 しかし一方でタバコに含まれている成分を分解させるために亜鉛が使われるため、慢性的に亜鉛不足になりやすいのです。 このようにタバコは味蕾の新陳代謝すらも阻害してしまうため、二重の効果で味覚の働きを鈍らせてしまうのですね。
嗅覚も正常になる またタバコは味覚だけでなく、嗅覚の働きも鈍らせています。食べ物の味を感じるには、匂いも重要ですよね。鼻をつまみながら食事をすると味を感じにくくなることからも、お分かりいただけるかと思います。 しかしタバコの煙は鼻の粘膜を傷付けてしまい、嗅覚までも鈍らせてしまうのです。喫煙者は自分のタバコの臭いに鈍感といわれていますが、それにはこういった理由もあるからなのですね。 このように禁煙をすることで食欲・味覚・嗅覚が正常化するので、ついついご飯を食べすぎてしまって…というのが禁煙で太っていくメカニズムです。
禁煙することで代謝や消化事情が変わるのも太る要因
また食べ過ぎ以外にも太っていく理由はあります。禁煙をすることで体の代謝や消化器官にも影響が出てしまい、そちらの理由で体重が増加してしまうことだってあるのです。
代謝が下がる ニコチンが血液中に取り込まれると、心拍数が上昇します。そうすると代謝も促進され、カロリーを消費しやすくなるのです。 なので禁煙を行うことによりこの代謝が下がってしまうと、たとえ食事量が変わっていなくても太りやすくなってしまうといわれています。
とはいえ、実際には代謝がタバコを吸う前の状態に戻るだけなので、相対的に見て代謝が下がっているだけということですね。 しかも代謝が上がるのも、タバコを吸った直後だけ。長い目で見ればむしろタバコをやめたことによって血流が改善され代謝がアップします。禁煙直後だけは少し気を付けておきましょう。
腸内細菌の構成の変化 禁煙をすると、腸内に「プロテオバクテリア」と「バグテロイデス」という細菌が増殖します。 この菌自体は普段から腸の中にいて、特に多糖類や食物繊維を消化する働きを持っているのですが、数が増殖してしまうと少し厄介なことになります。
多糖類というのは、簡単にいえばご飯やパンなどの炭水化物ですね。炭水化物は体内で糖に変換されエネルギーとして利用されるのはご存知の通りかと思います。 しかしこれらの腸内細菌が増殖することでこの多糖類の消化も活発になり、より吸収率が高まることで体重も増加してしまうというのです。 また本来は消化されにくいはずの食物繊維の消化まで活発になってしまうと、便通まで悪くなってしまい、余計に体重が増えやすくなっているんだとか...。 といった感じで、禁煙によって食欲が元に戻ると、ついついタバコを吸っていたときに比べて食べすぎてしまいがちになるのですね。 しかも食べたものがより代謝されにくい体質になってしまうので、体重も増えていってしまうということです。
禁煙太りを防ぐためには
というように、禁煙をすると太るというのは本当でした。しかし原因は「食べすぎてしまう」とはっきりしている分、防ぐことも可能です。簡単にできる対処法は以下の通りでしょうか。
水分を多めにとる ニコチンは体内で急速に代謝され、最終的には尿として排出されます。となると、水を飲んで尿を促進するというのは、ニコチンを排出するためには効果的です。 禁煙をするとき、いきなりタバコをすっぱり止めるのではなく、徐々に本数を減らしていくという方法もあるかと思いますが、そういった時には水を多めに飲むことを心がけましょう。 またどうしても口が寂しくなるとタバコを吸いたくなる時もあるかと思いますが、そういった時も水を飲むと、タバコを吸いたい欲が抑えられます。
体を動かす 禁煙をすることで溜まっていくストレスは、運動で解消しましょう。タバコを吸うと体内の一酸化炭素濃度が上がり、酸素不足に陥ってしまいまうので、最初はあまりすぐ疲れたり息切れしたりするかもしれません。 しかし体内の一酸化炭素が排出されきると、今まで以上に気持ちよく運動をすることができます。
太るのは禁煙直後! 長い目で見れば痩せやすくなる
喫煙をしていると確かに太りにくくなります。しかしそれは痩せているのではなく、やつれているだけです。確かに体に脂肪がつきにくくはなりますが、血色も悪く健康的とは言えません。 むしろ長い目で見れば、禁煙をすると前身の血流が改善され代謝も良くなるので、それだけ痩せやすい体質になるはずです。 禁煙は最初を乗り越えるのが最も難しいといわれていますが、ここを何とか乗り切れば、太っていく心配も減っていきます。 それに喫煙を続けていくと動脈硬化やガンなど病気のリスクが高くなってしまいますから、こうした観点からもやはり禁煙は重要でしょう。
ちなみに禁煙を続けていると、まったく体重も増えていないのに周りから「太った? 」と効かれる時期もあります。 こんなことを言われるとショックでまたタバコを吸いだしてしまいたくなる気持ちはわかるのですが、ここで少しこらえてください。 これは実際には顔の血色がよくなったから、少しふっくらしたように見えているだけですが。なのでこれをショックととらえるのではなく、禁煙が順調なんだという指標として考えるようにしましょう。
乗り越えなければならない禁煙太りの時期
いかがだったでしょうか。 禁煙をするとついつい食べすぎてしまうという人は多いですが、この時期を乗り越えれば健康的な毎日が待っているはずです。 なるべくお水をたくさん飲んで、体を動かすようにして、この時期を太らずに乗り切りましょう。
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