私たちの体には血管が張り巡らされており、その血管を生きていくために必要な血液などが日々流れていきます。
しかし、血管年齢といった言葉があるように、血管も不規則な生活を送っていると老化したり、動脈硬化を引き起こしてしまいます。
今回は医師の建部先生に血管年齢の定義、懸念される疾患、血管年齢を若返らせる方法を解説していただきました。
血管年齢の定義
血管年齢は、その文字が示す通り、血管の老化度合いの目安を表す指標です。
酸素多く含む血液が流れる動脈において、加齢とともに動脈硬化が進み柔軟性を失っていくのを統計的に集積、数値化し、個人の測定したデータとの相対評価で何歳に相当するのかを割り出しています。
動脈硬化は血管が硬くなったり、血管の内壁が狭くなったりして血流が悪化してゆく疾患なので、血管年齢が高いと実年齢以上に動脈硬化が進んでいることを表します。
血管年齢が上がることによる疾患のリスク
アテローム血栓性脳梗塞
血管年齢と大きな関係があるのが、このアテローム血栓性脳梗塞です。
長い期間の生活習慣病の悪化や加齢などにより、動脈の血管内部においてコレステロールや中性脂肪、カルシウム、線維性結合組織、マクロファージなどの細胞の死骸から構成された蓄積物を「 アテローム」と呼びます。
最初は柔らかいですが、やがて硬くなり「 プラーク」と言われるものに変質してゆき、動脈硬化が進むため、血管年齢も上昇してしまいます。
アテロームが脳血管系に発生すると、動脈壁に沈着したアテロームのため動脈内腔が狭くなることで脳血流が悪くなる、または、沈着していたアテロームが動脈壁から剥がれ落ちて脳組織末端に詰まらせてしまう、といったことでアテローム血栓性脳梗塞が生じます。
■アテローム血栓性脳梗塞の危険性
以下のような重大な後遺症を残すことも多々あります。
・半身の麻痺
・めまい
・嚥下障害
・言語障害
・視野障害
脳内での発生場所や、治療介入時期によっては死亡する場合も考えられます。
一過性脳虚血発作
脳梗塞発症の前から脳組織の壊死に至らない程度の脳虚血症状を起こしているものです。
24時間以内に一旦完全に消失する、以下のような一過性の神経症状が特徴です。
・片目が見えなくなる
・物が二重に見える
・転倒しやすくなる
・顔や手足がしびれる
・ろれつがまわらない
・言葉がでなくなる
・人が言うことが理解できなくなるなど
一過性脳虚血発作は、アテローム血栓性脳梗塞の先行症状と言ってもよいでしょう。
脳血管性認知症
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血により生じるもので、突然の大発作が原因で急激に発症する場合と、小さな脳血管障害を頻繁に起こしているうちに徐々に認知症が進む場合があります。
梗塞の起こる場所によっては、認知症になる場合があります。
主な原因は脳血管障害であるため、何よりも動脈硬化にならないこと、血管年齢を上昇させないことが最大の予防になり、高血圧や糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病があると発症しやすいため、日ごろの心がけが大切です。
狭心症
狭心症は心臓を囲むように分布している冠動脈という部分にプラークというコレステロール等による固まりができ、血液の通り道を狭くしてゆくことで生じてくる疾患です。
動脈硬化の進行とその血管年齢の上昇が発症に関わっており、心臓の血管そのものが異常収縮をきたし極度に狭くなってしまうために起こる冠攣縮型(異型)狭心症や、微小血管狭心症があります。
一過性に心臓への血流が少なくなるため以下のような症状を生じます。
・胸痛
・背部痛
・動悸
・不整脈
・呼吸困難
・頭痛
・嘔吐
そのままにしておくと高確率で心筋梗塞に進んでしまいます。
心筋梗塞
狭心症が悪化し、心臓を囲むように分布している冠動脈という部分におけるプラークの破綻によって急激に冠動脈が閉塞してしまい、心臓の筋肉への血流が途絶してしまうことで生じるものです。
狭心症と同様、動脈硬化の進行とその血管年齢の上昇が発症に関わってきます。
自覚症状も狭心症と同じく胸痛や背部痛を生じますが、緊急処置を施さないと心停止し死亡する危険な疾患です。
大動脈瘤
人体の胴体部分で主に脊椎の隣を走る一番太い動脈を大動脈と言い、長年にわたる動脈硬化により動脈壁の弱い部分が血圧に耐えられず、こぶのようにふくらんだ状態を動脈瘤と呼びます。
動脈瘤は徐々に大きくなるにつれ動脈瘤の壁はどんどん薄くなり、ついには破裂して胸腔内大出血または腹腔内大出血を起こし、出血性ショック状態を起こして高確率で死亡します。
高血圧と喫煙が最も重要な危険因子とされますが、最近の研究によると遺伝的要因が重要であるとされています。
大動脈瘤ができてしまったら、破裂前に外科手術を行う以外に治療法はありません。
腎硬化症
高血圧が原因で腎臓の血管に動脈硬化を起こし、腎障害をもたらす疾患です。血管年齢も上昇します。
高血圧が長く続くため腎臓の糸球体へ血液を送る細動脈に圧力がかかる結果、血管内皮細胞もそれに反応して増殖し、最終的に腎臓の血管の内腔が狭くなります。
血液中の老廃物の選別、排除のため、多くの血流が必要な腎臓〜末端組においてその循環が悪化すると徐々に腎臓は硬化ならびに機能低下を呈し、最終的に透析が必要となる慢性腎不全となります。
腎硬化症で慢性腎不全になった方は、腎臓以外にも動脈硬化が進行しているため、生命にかかわる心筋梗塞や脳卒中などの危険性が高いとされています。
以前は高齢者の疾患だったのですが、メタボリック症候群に代表されるように、働き盛りよりもさらに若い30歳台でも腎臓の血管に硬化がきている方も実際に増えているという報告があります。
閉塞性動脈硬化症
主に下肢の太い動脈においてその血管が慢性に閉塞することによって、軽い場合には冷感、重症の場合には下肢の壊死にまで至り得る疾患です。
動脈硬化により主にコレステロールが動脈壁内膜に沈着し、それに由来する慢性的な狭窄、閉塞による冷感やしびれ感、下肢疼痛などを来した状態です。
同じ動脈硬化であっても、比較的太い動脈に生じるアテローム性の動脈硬化が特徴で、血管年齢も上昇しています。
血管年齢をあげてしまうNG行動
食べすぎ
カロリーの取り過ぎの結果、糖尿病、脂質異常症が生じてしまう可能性があります。
糖尿病については、長期間に及ぶ血液中の糖分が高い状態のままだと、血糖の主成分、グルコースが血管内皮を構成するタンパク質と結合し糖化反応を起こしてしまう結果、全身の微小血管からゆっくり破壊されていきます。
この過程で血管年齢は上昇してゆき、血糖値が高いことで直接生じる疾患のほか、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、脂質異常症などに繋がってゆきます。
また、脂質異常症は遺伝的な要素で生じるもののほか、一般に多いのは食生活習慣の乱れにより、血中の脂質が上昇した状態です。
これにより悪玉コレステロールや中性脂肪の高値ならびに善玉コレステロールの低値をまねき、動脈硬化が進行します。その結果、血管年齢も上昇します。
ちなみに遺伝的な要因によって起こる「 家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものは悪玉コレステロール値が著しく高く、動脈硬化が進行しやすいことが知られています。
多すぎる塩分
塩分の取り過ぎはご存知の方も多いとは思いますが、高血圧症を発症しやすくなります。 血圧が高い状態は、動脈に負担かけつつ無理やり血液を心臓から押し出している状態です。
動脈は高い血圧の影響で痛み、それを代償しようとその血管壁は分厚くなっていき、動脈の血管としての弾力性やしなやかさが失われることとなり、血管の血液が流れるスペース自体が少なくなってしまうことにもなります。
さらに、こうした動脈の血管抵抗が増すことによって血液が送りにくくなると心臓はますます強い力で血液を送り出そうとするので、それに動脈が抵抗する、といったことを繰り返してしまうのです。
運動不足
運動によるカロリー消費が少ない状態が続くと、相対的に食べすぎの状態となり先述と同じく血管年齢の上昇と動脈硬化を招きやすくなってしまいます。
お酒の飲み過ぎ
適量の飲酒は善玉コレステロールが増えるという体にとってよい影響を与える作用があり、動脈硬化が抑制されるため、むしろ血管年齢は下がる傾向になります。
しかし、長い間一定量以上を飲み続けると、血圧は上昇し高血圧症の原因になり、お酒の摂取に伴った余計なカロリー摂取も糖尿病や脂質異常症の遠因になるほか、その高血圧によっても血管年齢の上昇に繋がります。
ストレス
過度のストレスが長時間にさらされると興奮状態となりその状態では自律神経の一つである交感神経が活発化し、血圧が上昇してしまいます。その高血圧状態の結果、血管年齢は上昇してしまいます。
喫煙
タバコを吸うと、ニコチンが交感神経系を刺激するために動脈の血管は収縮し血圧が上がり、脈拍が増えます。
ヘビースモーカーの方ほど血圧上昇状態が作られやすく血管年齢の上昇に繋がります。
医療機関での血管年齢検査方法
CAVI検査(心臓足首血管指数検査)
心電図検査や血圧測定の組み合わさった気軽にできる5分ほどの検査で、動脈の硬さを調べます。
動脈硬化症が進んでいるほどCAVIの値は高くなり血管年齢が上昇していることになります。高血圧の人であってもこの検査は血圧の影響をほどんど受けないのが特徴です。
PWV検査(脈波伝播速度検査)
CAVI検査とほぼ同じ要領で気軽にできる、脈のスピードを測定する検査です。
腕と足の4箇所のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、計算式(両センサーの距離÷脈波の到達所要時間)にあてはめて得られた数値が高いほど動脈硬化が進行し、かつ、血管年齢上昇していることを意味します。
この検査はCAVI検査と異なり、この検査は血圧の影響を受けてしまう欠点があります。
加速度脈波計検査
人差し指を機器に入れて測定します。苦痛は一切なく、約20秒程度で結果が出るので簡単に血管の年齢を調べることができます。
指の脈拍から、血管年齢を測定、推定する原理で、指という末端部分の血管年齢を調べることになります。
しかし末端部分の動脈をみるため、その時の身体状態で誤差が出やすく、飲酒や運動、精神的な緊張や測定部位などの影響を受けやすいので、大雑把な血管年齢は計測できますが、正確な値が出にくい点で注意が必要です。
ABI検査(足関節上腕血圧比検査)
動脈硬化の進行度を調べる指標のひとつで、血管のつまり具合を検査するものです。
通常、仰向けになった状態で両腕、両足の血圧を測定すると、足首の方がやや高い値になるのですが、足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。
ABI検査では「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断します。
頸動脈エコー検査
仰向けに寝た状態で首の部分にゼリーを塗って、測定装置であるブローブ(マイクのようなもの)を当てて検査するもので、痛みや苦痛はありません。
左右合わせて数分くらいで終了し、この検査で動脈硬化の有無、頸動脈の閉塞程度の観察、頸動脈内部のプラークの観察が視覚的にできます。
家庭での血管年齢検査方法
血圧計
一般的な血圧計がご家庭のある場合、これを利用した計算が必要になりますが、大雑把に血管年齢が実年齢を超えていないかどうか推測が可能です。
測定するのは、血圧計での測定で出てくる血圧の「上の値」と「下の値」の血圧です。これで、「平均血圧」と「脈圧」を以下の計算式で割り出します。
平均血圧が高まると、細い血管の動脈硬化が進んでいること意味し、脈圧の増大は太い血管の動脈硬化が進んでいることを意味します。
■ 計算式
・平均血圧=下の血圧+(上の血圧−下の血圧)÷3
・脈圧=上の血圧−下の血圧
■ 判定基準
平均血圧と脈圧の正常値には様々な報告が有りますが、平均血圧はおよそ100mmHg未満(100以上なら要注意)、脈圧は40〜60mmHg程度(60以上なら要注意)といわれています。
血管年齢を若返らせる方法1:栄養素
ドコサヘキサエン酸(DHA)&イコサペンタエン酸(IPA)
有名な不飽和脂肪酸で血栓を防ぎ、血中コレステロールを減らす作用があり、動脈硬化の改善や血管年齢の若返り効果が期待できます。
■ 含まれる食材
・ハマチ
・キンキ
・イワシ
・ニシン
・マグロ
・サバなど
α-リノレン酸
体内でイコサペンタエン酸(IPA)に変換され、さらにドコサヘキサエン酸(DHA)が合成されるので、先程と同じ効果が期待できます。
■ 含まれる食材
・シソ
・ワカメ
・コンブなど
オレイン酸
血中コレステロールを減らす作用があり、動脈硬化の改善、血管年齢の若返り効果が期待できます。
■ 含まれる食材
・アーモンドなどのナッツ類
・オリーブ油
・キャノーラ(なたね)油
・赤身肉など
タウリン
肝臓で分泌される胆汁酸にはコレステロールを排泄させる働きがあり、この分泌をうながす作用のある成分です。
よくスルメの表面に白っぽい粉が付いてますが、あれが身近に目にする形でのタウリンの結晶です。
■ 含まれる食材
・スルメ
・サザエ
・アサリ
・ホタテガイ
・タコ
・魚の血合いなど
ダイズサポニン
動脈壁において、酸化された脂質の生成を抑えることで動脈硬化の抑制、血管年齢の若返り効果が期待できます。
■ 含まれる食材
・大豆
・納豆
・味噌
・油揚げなど
ポリフェノール類
ダイズサポニンと同じく悪玉コレステロールの酸化を防ぐ働きを有しており、動脈硬化の抑制、血管年齢の若返り効果が期待できます。
■ 含まれる食材、飲料
・緑茶
・紅茶
・ウーロン茶
・ブドウ
・リンゴ
・モモ
・ゴボウ
・レンコン
・赤ワイン
・チョコレート
・カカオ
ゴマリグナン
セサミンやセサモリン、セサミノールの総称で、ダイズサポニンと同様の作用を有していると言われており、動脈硬化の進行を抑える作用も期待できます。
ゴマやゴマ油に含まれますが、その効用を得るには出来るだけ多めに毎日摂取することが必要で、この欠点を補った有名な健康食品も登場しています。
レシチン&コリン
コレステロールの動脈から血管壁への沈着を防ぐ効果があり、これによる動脈硬化の抑制、血管年齢の若返り効果が期待できます。
大豆に多く含まれていますがその効用をどの程度の摂取量で得ることができるかははっきりしたデータがありません。
ラクトトリペプチド(LTP)
アミノ酸が2個以上つながった構造の化合物を「ペプチド」といいます。
動物実験レベルではありますが動脈での「プラーク」の沈着とそれによる動脈内腔狭小化を抑制したというデータがあり、実際、動脈硬化の抑制と血管年齢の若返り効果が確認されています。
プルーンといったカリウムの多い果物類などの過剰摂取に注意が必要ですが、特定保健用食品としてこの成分が含まれる飲料物が市販されています。
血管年齢を若返らせる方法2:運動
運動が血管年齢を若返らせるために有効な理由
まず、日常生活において取り過ぎてしまったカロリーを消費する機会を習慣的に設けることで、血糖値や脂質の持続的な血中濃度上昇を抑制し動脈硬化の進行、血管年齢の上昇を防ぎます。
次に、運動によるストレス解消により、副交感神経が働きやすくなり良質な睡眠を得られやすく、その結果、全身の疲労感改善や精神的な安定性にも繋がります。
できるだけ無理せず毎日でも続けられる程度の有酸素運動こそが血管年齢を下げ、長期的に確実な形で体に良い効果を示します。
医学的にオススメなのは、無理がなく軽い負荷を体にかけ続けることで酸素を取り込み脂肪燃焼を促進してエネルギーに変えていく、以下のような運動です。
ウォーキング
ウォーキングは、普通の方なら誰でも取り掛かることができ、全身の血管の流れを良くする効果があり血管年齢の若返りに有効です。
筋肉や関節への負担が少ないことからもオススメです。
スロージョギング
ジョギングに関しては普通のジョギングではなく、スロージョギングをオススメします。
正しい方法で行えば、その消費カロリーはウォーキングの1.5倍程度といわれており、筋肉痛になりにくいのが特徴です。
水中ウォーキング
陸上での運動はどれも体力が無いのかなかなか続かないという方も、水の浮力に身を委ねれば、疲れにくく、身体を傷めず、陸上では難しい動きも楽にできます。
この運動による消費カロリーが大きいこともメリットです。
ヨガ&ピラティス
筋肉を鍛えるばかりではなく、関節可動域を広げるほか呼吸方法も整え心を落ち着かせるトレーニングでもあるため、血管年齢の若返りのみならず全身の疲労感改善や精神的な安定性にもなります。
ラジオ体操
ラジオ体操に組み入れられた運動を細かくみていくと人体の各関節や筋肉のバランス可動が徹底的に検証されているのです。
実際に映像を見ながらまじめに一通りやってみると、かなりしっかりした運動です。
無理がなく軽い負荷を体にかけ続けることができ、一般の人が取り組みやすい優れた有酸素運動として医学的にもオススメです。
血管年齢を若返らせる方法3:生活
睡眠
睡眠時間はだいたい毎日6〜8時間確保して寝不足にならないこと、その睡眠をとることで熟睡感が得られることが重要です。
一定の睡眠時間とその質を良くすることにより日頃、過剰に活性されてがちな交感神経系がリセットされ、逆に抑制されがちな全身をリラックスさせる副交感神経系が活性化することで、摂取した栄養分の吸収、分配といった調整がうまくすすみ、糖分や脂質が長い時間、血管にとどまる時間が少なくなります。
また、血圧や血糖が高い状態が長く続くと動脈の血管内皮が傷ついてしまいがちですが、その痛んだ血管を修復するのが「成長ホルモン」です。
成長ホルモンは、夜間睡眠中に脳の一部分である下垂体前葉から2〜3時間毎に分泌されていて、血管修復以外にも子供の成長や創傷治癒、肌の新陳代謝などが促進され、結果、動脈硬化の進展は抑制され血管年齢の若返りに繋がります。
入浴
手軽にシャワーだけで済ませてしまうのではなく適温の湯船に一定時間、浸かって頂くと交感神経系と副交感神経系のアンバランスをリセットされ、先述のようなに交感神経系と副交感神経系の調整ができます。
入浴で身体を温まると血行をよくするとリンパの流れもよくなるほか、女性の多いむくみや冷え症を改善したり、肌の美容効果が高まるなどのメリットもあり、血管年齢の若返り以外の健康増進効果にも期待が出来ます。
水分摂取
意外と私たちは、水分摂取量が少ない傾向、脱水傾向にあることが多い事実があります。慢性的な水分不足、脱水傾向は働き盛りの男性に多いと言われています。
日常生活における飲酒や食生活での塩分の取り過ぎによる脱水が積み重なれば、血液中の脂質や糖分はその相対濃度を増して粘度の高い状態になり、血管年齢の上昇、動脈硬化の進行によって様々な疾患が生じてきます。
日頃からのこまめな水分補給の習慣はつけておきたいものです。
脳梗塞や心筋梗塞の原因が動脈硬化の進展と血管年齢の上昇であることは、ご理解いただけたかと思います。
禁煙や節酒のほか、血管年齢の若返りと動脈硬化の予防には普段から野菜や果物・大豆製品などをバランスよく食べ、軽い有酸素性運動で血流をよくすることが有効です。
ご紹介したように、投薬管理を含め様々な手段で血管年齢が若くなるように生活習慣病の予防について、努力や工夫すれば脳梗塞や心筋梗塞を予防できると考えられます。