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脳は錯覚を起こしやすい?不思議の国のアリス症候群とヒトの感覚

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世の中には本当にこんな病気があるのと思うものも多い。そんな病気の一つが「不思議の国のアリス症候群」である。これは自分の身体が大きくなったり小さくなったりするように感じてしまう病気である。もともと私たちの感覚は脳が決めており、その感覚というのは意外と信頼できないものなのかもしれない。


□自分の大きさの認識がずれる「不思議の国のアリス症候群」
不思議の国のアリスという物語の名前を聞いたことがない人はほとんどいないだろう。主人公のアリスの身体は、この物語の中で大きくなったり小さくなったりするのである。そこから名付けられたのが「不思議の国のアリス症候群」。もちろん、本当に身体が大きくなったり小さくなったりするわけではない。自分の大きさの認識がずれてしまう脳の障害である。トッド症候群とか、リリパット人症候群と呼ばれることもある。


□子どものころに多く、てんかんや薬などが原因といわれている
現在この病気の原因はわかっていないが、てんかんや脳腫瘍、薬、EBウイルスなどが原因で起こるといわれている。夜間に起こることが多いという。小さい子どもに多く、大人になるにつれて治まることも多いが、中には大人になっても続く人もいる。


□手足の切断後に感じる「幻肢痛」
自分の身体に関する感覚は不思議だ。幻肢痛(げんしつう)という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは四肢を切断した人が、存在しないはずの手や足に痛みやかゆみを感じる症状である。切断面の神経からの刺激が、本来ないはずの手足の刺激として認識されるために起こる幻覚の一種だといわれている。


□感覚は電気信号に変えられ、脳で感覚に再翻訳される
自分の身体の感覚というのはすべて電気信号を介して伝えられている。

例えば右手の親指で熱いものを触った場合、その熱いという情報が電気信号に変えられて、感覚神経を経由して脳に伝わる。そして、大脳がその電気信号を、どの部位がどんな情報をキャッチしたかという情報に戻して、「右手の親指が熱い」という感覚を作り出すのである。つまり、脳が電気信号をうまく受け取れなかったり、電気信号から感覚への翻訳がうまくいかなかったりすると、錯覚や幻覚が起こるのである。


□病気でなくても脳の錯覚は起こりやすい
こうした脳の錯覚は、人工的に作り出すこともできる。興味のある人は、バンダイから発売されている「ツッツキバコ」というおもちゃを試してみてほしい。このおもちゃは一面にディスプレイを備えた箱型をしている。指を箱の中に入れると、ディスプレイにいろいろなものを触っているイメージが映し出される。実際には箱の中には何もないのだが、出てくる絵によって指先に感じる感触が変わるという不思議なおもちゃである。


これは視覚から入った情報が、指先からの感覚情報に影響して変化させることによる錯覚である。目から見た情報と指先の感覚に矛盾がないようにする脳の働きだと考えられる。

病気でなくても、日常生活でも痛覚や触覚などの感覚は錯覚を起こしやすい。ヒトの感覚は、脳の都合によって変えられてしまうような、意外といい加減なものなのである。





タグ:健康

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