風邪をひいて咳が止まらない。咳をしすぎて喉が痛くて声もガラガラ。そんな辛い経験はありませんか?
多くの人は咳が止まらない場合、市販の咳止め薬を飲むと思います。でも、ちょっと待ってください。その咳止め薬、本当にあなたの症状に合っていますか?
今回は意外と知らない「咳」のお話をまとめてみました。咳止め薬を飲まなくても症状が緩和される方法もあるようです。ぜひ試してみてください。
要チェック項目
□咳には2つの種類がある
□咳止め薬も2つの種類があり、咳の種類によって使い分けると効果的である
□咳止め薬の服用以外にも咳を緩和する方法がある
咳止め薬を飲む前に知っておきたいこと、「咳」とは何か?
風邪をひいた時の典型的な症状である「咳」。他にも肺炎や気管支炎、喘息など、多くの病気を発症した際に出る症状です。
では、そもそも咳とは何なのでしょうか。咳止め薬を飲む前に、ぜひこれは知っておいていただきたいのでご紹介します。
咳とは、体内に入ってこようとする異物を排除しようとする生理現象です。チリやホコリ、ウイルスなどの異物を、体内への入り口である喉の粘膜が防御しようとする働きなのです。
専門的には咳嗽(がいそう)といいます。
風邪の症状として咳と同様に多いのが「痰」ですが、これは喉の粘膜が吸着した異物をまとめたものです。この痰が絡むかどうかによって咳の種類を判別する必要があります。
咳止め薬にも2つの種類がある
咳にも2つの種類があったように、咳止め薬にも2つの種類があります。「麻薬性鎮咳成分」が入った咳止め薬と「非麻薬性鎮咳成分」が入った咳止め薬です。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
麻薬性鎮咳成分
パッケージを見て「リン酸コデイン」、または「リン酸ジヒドロコデイン」という成分が確認できた場合に該当します。
「麻薬性」という文字が表すように弱い依存性があるため、むやみな使用は避けるべきです。麻薬性鎮咳成分が入った咳止め薬は、比較的効果が高いことが特徴です。
非麻薬性鎮咳成分
「ノスカピン」、「塩酸ノスカピン」、「臭化水素酸デキストロメトルファン」、「ヒベンズ酸チペピジン」、「クエン酸チペピジン」、「リン酸ジメモルファン」、「塩酸クロペラスチン」、「フェンジゾ酸クロペラスチン」等の成分が該当します。
「非麻薬性」のため、依存性はありません。麻薬性鎮咳成分に比べて効果は低めであることが特徴です。
咳止め薬は症状に合わせて選ぶ
湿性咳嗽か乾性咳嗽か、また個々の疾患によって使用する咳止めは変わってきます。大まかにわかりやすく考えると以下のようにとらえることができます。
湿性咳嗽の場合
・非麻薬性鎮咳成分の入った咳止め薬
湿性咳嗽で痰がひどい場合には、去痰薬とよばれる痰の症状を緩和する薬と併用すると良いでしょう。
乾性咳嗽の場合
・麻薬性鎮咳成分の入った咳止め薬
ちなみに乾性咳嗽は単なる風邪以外の疾患である可能性もあるため、医療機関で診てもらうことをおすすめします。
できるだけ薬には頼りたくない! 咳止めに有効な方法1
できるだけ薬には頼りたくないという人もいるでしょう。また、そもそも小さな子供は薬を飲めない場合もあります。
そんな時のために、咳止め薬に頼らなくても症状を緩和する方法をいくつかご紹介していきましょう。
まず重要なのは、喉を「温める」ことと「湿度」を保つことです。マフラーのようなもので喉周りをあたためて、暖かいものを飲みましょう。
絶対にやってはいけないのが、冷たい飲み物です。冷たいものを摂ると喉の器官が収縮され、結果として咳が酷くなる場合があります。
また、加湿器などを使いながら、部屋を乾燥させないようにしておきましょう。
できるだけ薬には頼りたくない! 咳止めに有効な方法2
咳止め薬に頼りたくない場合にもっともおすすめなのが「ハチミツ」です。ハチミツには抗菌作用と粘膜を保護してくれる成分が含まれており、いわば「天然の咳止め薬」といえるほどの効果が期待できます。
大さじ1〜2杯程度のハチミツを摂取するのが効果的です。そのまま食べるか、お湯に溶かして飲むと効果的です。
ただし、1歳未満の乳幼児にはハチミツを与えてはいけません。これは抵抗力の弱い乳幼児が「乳児ボツリヌス症」に感染する危険性があるためで、最悪の場合、死に至る可能性もあります。
咳止め薬は症状に合わせて正しい服用をすることが重要
普段何気なく選んでいる咳止め薬も、意外と知らないことが多かったのではないでしょうか。
咳の種類によって最適な咳止め薬を選ぶことによって、より効果を発揮できるようになるはずです。
また、今回ご紹介した咳止めの方法も、ぜひ参考にしてみてください。