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2016年09月18日

「アメリカンサイコ」クリスチャンベールブレッドイーストンエリス

ブレッドイーストンエリスの小説「アメリカンサイコ」は、クリスチャンベール主演で2000年に映画化されたが

この作品がなかなかの傑作なのである。残酷なシーンが多く一見サイコサスペンスのように見えるが実は80年代

アメリカを席巻したヤッピーと言われるエリートたちの日常を皮肉った映画なのだ。

主人公のパトリックベイトマン(クリスチャンベール)は、ウオール街でM&Aを仕掛ける投資銀行のエリートで

高収入でハンサムな青年でありなにひとつ不満のない人生を送っているように見えた。

パトリックは美しい体形を維持するために今日もエクササイズに余念がない。


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そんなパトリックの日常は、同僚たちの見栄の張り合いだった。バレンチノのスーツに身を包みオリバーピープルズ

の伊達めがねをかけジャンポールゴルチエのカバンを持って競い合う。

だがそんな彼らの会話は中身がなく付き合いも薄っぺらだった。

そしてある日パトリックの前に、ファッションも学歴も才能も上回るポールアレンという青年が現れた。

ポールの出した名刺は完璧なフォルムとデザイン、そのロゴの斬新さでパトリックはショックをうけ敗北感を
抱く。

パトリックにはまたエリートの顔の他にもうひとつの顔があった。

夜な夜な街で売春婦を買って変態プレーを行ったり、ホームレスに因縁をつけて殺しを楽しんでいたシリアル

キラーだったのだ・・・

そしてポールアレンに敵意を抱いたアレンを自宅に招き、ヒューイルイスのCDを聞きながらうんちくを語り、

アレンを斧で撲殺するのだった。パトリックは血濡れになって証拠隠滅を図るが探偵がかぎつけて訪ねてくる

が・・・

主演のベールは「太陽の帝国」の子役で脚光を浴びた俳優であの純真な少年がサイコに変貌した姿には

衝撃を受けた。とにかくパトリックは人に対する共感がまったくないサイコパスそのものである。

だが作品の力点はそこの置かれているのではなく、彼らヤッピーたちの中身のなさ空虚さを描いているのである。

パトリックは音楽のうんちくを語るのが好きで、売春婦相手にホイットニーヒユーストンの曲について語ったり

フィルコリンズについてながながと解説したりと意味のない会話が多いのである。

さらに同僚たちとの会話で殺人鬼エドゲインやテッドバンディをたたえてみんなが固まるシーンもある。

要するにKYで自己顕示欲が強いのだ。こんな男は絶対相手にしたくないタイプだ。

だがベールの演技はすごくパトリックベイトマンを完璧に演じ切っている。

アメリカの病理を知るには最高の教科書と言える作品である。


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posted by ハヤテ at 14:43| ドラマ
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