2017年07月17日
「アメリカを震撼させた夜(1975)」オーソンウェルズ、ヴィックモロー
「市民ケーン」などで知られる米国の俳優オーソンウエルズは才人としても有名で
若いころラジオでHGウエルズの「宇宙戦争」のドラマ制作にかかわった。
このドラマがあまりに迫真だったのでラジオを聞いていたリスナーが全米でパニックを
起こした事件は教科書などでも取り上げられている。
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1975年の「アメリカを震撼させた夜」は、このときのエピソードを元に制作された
テレビムービーである。
時は1938年欧州ではヒトラーのドイツが戦争を起こし、アメリカも参戦の是非をめぐり
国内は風雲急を告げる情勢だった。
当時23歳のオーソンウエルズ(ポール・シェナー)は、マーキュリー劇団を率いてCBSラジオで
で「宇宙戦争」のドラマの準備に追われていた。
ウエルズはこのドラマをヒンデンブルク号爆発事故の実況録音を参考に臨場感あふれる
物語にしようと奔走していた。
スタジオに劇団やオーケストラを集めた本格的なのもので、生々しい効果音や実況風の
アナウンスを聞いて本物の火星人が襲来したと勘違いした市民が出てきた。
中にはショットガンで武装して火星人狩りに出る自警団まで結成される騒ぎだった。
また金持ちが集まったパーティーでは会場の参加者が放送を聞いて、真に受けて
大パニックになっていた。最初から放送を聞いていてドラマだと知っている
執事が主人に真実を伝えても一切耳を貸さないのである。
離婚を覚悟して妻と言い争っていた中年男(ヴィックモロー)も放送を聞いて
家族を連れて家から逃げ出したのだった・・・
この宇宙戦争のパニック騒ぎは誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
マスコミのもつ威力を思い知らせる事件だった。だがこの当時の緊迫した
世界情勢がこの事件の背景にあった。
最近の研究では実はほとんどパニックはなかったという説もある。
しかし23歳の若さで後世に残るドラマを作ったオーソンウエルズは
大したものである。監督ジョセフサージエント
残念ながら国内未DVDであるが、北米版DVDがアマゾンジャパンで
入手できる。
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