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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2023年11月05日

ターンテーブル

ニセモノ [ 玉置浩二 ]

価格:2,228円
(2023/9/10 11:54時点)
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玉置浩二『ニセモノ』三曲目、「ターンテーブル」です。

「roop rhythm by CARLOS KANNO & YUJI TANAKA」とのクレジットがあります。お二方の担当まではわかりませんが、冒頭からずっと鳴っているパーカッションをこのお二人が演奏したものをループ再生して使ったということなのでしょう。安全地帯としてレコーディングをはじめたこのアルバム、いろんな事情なり拘りなりがあって全部玉置さんが録りなおしたというのは有名な話ですが、こうして残っている部分もあったのか、とちょっと安心させられます。まあ、もしわたしが田中さんの立場ならブチギレしますけども(笑)。でもまあ、「ただドラムとベースが、今それぞれ音楽じゃない仕事をやっているので、様子を見ているところですね。それを辞めさせてまたこっちに来いっていうほどのものかね?っていうような感じですね。それは迷っているところです」(「玉置浩二3万字インタビュー本文」より)なんて玉置さんが言っていたものですから、思い切れないところがあったのだと思います。

これは玉置さんがお二人の演奏に納得いかなかったということでもあるわけなのですが、それはある意味当たりまえで、お二人ともツアーメンバーはおやりになっていたにしても、『GRAND LOVE』以降の軽井沢ノリにはまだ適応できていなかった可能性が高かったわけですから。同じインタビュー内で、『スペード』がほんらいの安全地帯がやるべきことだったと感じているとおっしゃっていましたので、この軽井沢ノリをこそ安全地帯のメンバーで演奏すべきだと玉置さんは思っていたことは間違いないでしょう。それで、実際やってみたら何かが違う。違っていて当たり前です。玉置さん安藤さんが作り上げた軽井沢ノリを形成する過程に安全地帯のメンバーは関与していなかったのですから。じゃあ残っている矢萩さんはなんなのよと思わなくもないですが、矢萩さんは異様に玉置さんとのシンクロ能力が高かったのでしょう。なんにせよ、思っていたサウンドとは違っていたのです。強引にそのまま安全地帯で突っ走ることは出来たでしょう。ですが、六土さんと田中さんはすでに音楽でないことを生業として生活を成立させていますし、武沢さんとはまだ仲直りも済んでいないわけですからここで安全地帯再開は明らかにフライングですし、そんな状態でお二人を玉置さんの思い通りに動かそうとするには思い切れなかったわけです。これはオトナなら当然の戸惑い、躊躇というもんでしょう。

さてアコギで軽く刻みつつ、玉置さんが囁くような声で歌い始めます。すわろうとしたのは、椅子がそこにあったから。なんとしなやかな思考!「あっ椅子があるから座ろう」なんて思いませんよ。座りたい、座ろうという意思があってそこにたまたま椅子があったのでなければ。人間というものは自由意志などをもっているのではなく環境のなかにあって原因結果の枠組みで行為しているにすぎないのだ……という深遠なる思想にしばし浸らされることになります。単に移り気とも呼びます(笑)。そんな心にうつりゆくよしなごとを独白のように、だがしかし「ちょっと」「ちゃんと」と確実にリズムを伴って少しずつ盛り上げていきます。

ハモリのコーラスを入れて独白は続きます。地球が回ること、それは一見時間が流れてゆくことと同じです。時間を「流れ」に喩えることは、時間が未来からやってきて過去へと去るもの、なんらか直線上にあるものだという理解があるからなのですが、じつはそういう理解は適当ではなく、いつだって「いま」しかないのですし、積み重ねることが出来るものではなく、そして動くものでもありません。現代ではわたしたちは音楽を聴くのだって直線の再生位置を示すバーを見ながら聴いてますから音楽を「位置」や「量」だと思っているフシがありますが、その位置や量はいくらいじってみても「音」にはなりません。時計をいくらグルグル回してみても気温や明るさやそのときの気持ちが再現されるわけではないことから明らかであるように、時間はいくら頭をひねって考えてみても位置や量といった空間的なものに変換できないのです。ですから地球がいくら早く回ったってそれは時間を左右するものなどではなく、ただ私たちはそれを時間の目安として利用しているにすぎません。だからこそ地球がいくら回ろうとわたしたちは回ってなどおらず、それとは無関係に歳をとっていきます。回ってなどいないのに迷ったりフラフラしたりしてはいますから「目が回っているみたい」な錯覚に襲われるのです。こっちまでちょっとクラクラしますね。

ベースとドラム、エレキギターが入り、「ビルのおーくじょーうにいいい」「まいおりーてーきたああ」と信じられないところで言葉を伸ばすスペシャルな活舌とそれを導くリズム感、そして神様がさみしそうに、きっと回っている地球を「ターンテーブル」にみたてて、そしてその上で迷ったりフラフラしたりしているわたしたちを眼下に見下ろして孤独に踊るというシュールな想像が混然一体となって、わたしたちに一種の快感をもららします。音楽によって得られる快感であることには違いないのですが、それこそシュールレアリスム絵画、とりわけジョルジュ・デ・キリコを観たときのように不安な想像をかきたてられることによって得られる興奮に似ています。

そして曲は二番に入ります。エレキギターが加わって不安さが増しています。次の『スペード』もそうなんですが、この時期の玉置さんの作品が玉置浩二・安全地帯ファンの間でも評価が分かれがちであるのは、この不安さに原因があるんじゃないかと思います。そりゃ好きこのんで不安さにシンクロしたい人なんてそんなにたくさんはいないでしょう。あのドン底の時代に玉置浩二の音楽を愛しすぎるがゆえにハマりこんでしまった迷宮のようなものです。Wikipediaによれば売り上げは3.7万枚、まさに惨敗です。『安全地帯BEST I LOVE YOUからはじめよう』の十分の一程度にすぎません。ですから、ものすごく乱暴にいえば、あの熱狂から十人に一人しか迷宮には残らなかったわけです。ここにおいてなんの遠慮がありましょう、殿!思う存分やっちゃってください!われら殿と命運をともにさせていただきます!という気分でした(笑)。ライオンがそこにいたから身を投げ出しただけ、なんて理解できなくて当たり前です。奇しくも須藤さんが玉置さんを猛獣、ライオンに喩えたこと、後年に「Lion」というシングルが出たこと、これらから得られる玉置さんのイメージはライオンなのです。これは猛獣が猛獣に絡んだということでしかありません。猛獣同士、友達になろうよと挨拶をしたわけなのです。

おそらくは猛獣同士ハイパワーでじゃれ合っているうちに殺し合いになり、アスファルトの染みに化けちゃったのでしょうけども、二匹の猛獣は楽しかったのでしょう。そこには確かに「夢」があったのです。「アスファルトーのーすみにいいい」「夢がしみーつーいてえええ」とまたメロウなメロディにとんでもないリズムと活舌、そしてアスファルトですから当然踏まれっぱなしになる夢、すすり泣きする夢、その上にさらに神様が踊っているという、絵にも描けそうにない光景のシュールさにホレボレとさせられます。

ここで安藤さんのエレピが鳴っていたことに気がつきます。エレピによるリードで展開が変わり、さらにメロウ、さらにメロディアスな歌にしばしボヤっとさせられます。そうだそうだ、待っていたんだこれを……歌の内容は敗色濃厚のダークなものなんですが(笑)、それでも希望があります。「投げ出す勇気」「踏み出す勇気」がほしい、それさえあれば勝ち目のないゲームはまだまだわからない……このとき玉置さんはかりそめの安全地帯復活という大博打を打てませんでした。でもそれはゲームを捨てたわけじゃないのです。かりそめでなく、武沢さんも松井さんもいっしょに、次こそは……と決意を込めた「待ち」であったのでしょう。

ループと口笛と、そしてガットギターによるもの悲しいソロ、「かみさまが」「さみしそうに」「おどって」というスキャット的な途切れ途切れの歌……「ターンテーブル」ですから、またチャンスは巡ってくるのだと信じて見送った……だって神様はまだ踊っているんだから、まだ回っているんです。

さて、なんのかんのと二か月?三か月?くらいろくに更新できませんでしたが、そろそろ再開したいなあと思います。ラストスパート的にこの連休もいろいろやることがあって、PCの前にゆっくり座るのも久しぶりでした。参っちゃいますね。本業だけでも気が遠くなるのに、そこに家庭やら町内会やらの色々が重なって、今月も週末のスケジュールが真っ黒なもので、じわじわと再開して参りたいと思う次第であります。

ニセモノ [ 玉置浩二 ]

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posted by toba2016 at 15:06| Comment(8) | TrackBack(0) | ニセモノ
この記事へのコメント
グッドウィルはグッド税とかいわれていた手数料返還に追い込まれたのを覚えてます。フルキャストは楽天の球場ネーミングライツ買ってましたね。いつの間にか名前を聞かなくなりました。
Posted by トバ at 2023年11月08日 12:39
グッドウィルや、フルキャストといった、日雇い派遣業者も懐かしいですね。
Posted by ちゃちゃ丸 at 2023年11月08日 09:21
ボニー・ピンクはコピーしたことありますよ。女の子ボーカルでバンドするときにやろうと思っていたんです。レニクラみたいなノリで女の子ボーカルなんて、ちょっと当時では考えられませんでしたから、新鮮でしたね。

おおバイト情報誌!あんまり見たことないです。「ハイ解体、一万、飯付き」「うおおお、行く行く!おっちゃんどけ!俺だおれ!」「ねえ明日◯◯町で解体あるけどこない?六千」「六千かーやめとくわ(電気代一万だし)」みたいなノリのわたしの日雇いとは全然違っているのは想像できます。
Posted by トバ at 2023年11月07日 20:11
はぁ〜、、、24年前なんですね〜〜。(時の流れが早すぎる)


テレホタイム、ボニーピンク、超、懐かしいですね。

大江戸線が開通した年でもあったんですね。



学生援護会はアルバイト雑誌「an」の会社だったのです!
Posted by ちゃちゃ丸 at 2023年11月07日 09:51
2000年に私も帰郷をしました。それより前の1994年の秋には狂ったように私も金がなくて高田馬場駅に朝7時に行って日雇いの現場へよく行ってました。
Posted by よし at 2023年11月06日 20:34
2000年はいま思ってもわたくしの生活は酷かったです……もう半ば現実逃避で、空き時間にはテレホタイム使って外国人とチャットばかりしてました。当時はまだキーボードローマ字打ちに慣れなくて、訓練がてらひたすら書き物をしてました。それに一段落ついて……これからどうしようか……とボンヤリしていたころこの『ニセモノ』がリリースされ、このタイミングで『カリント工場』みたいなやつだったらきっと受け止めきれないな、と思っていたのを、いい感じに裏切られました。『JUNK LAND』のテンションが落ちたというか、リラックスした感じだな、と思いながら聴いていて「aibo」「常夜灯」は耐えたのですが「虹色だった」でじんわりと涙が出ましたね(シングルは聴いてなかった)。

あの頃、音楽に関してはもうほとんど不感症みたいになってました。国内ははっきりと絶望、わずかにボニー・ピンクに新しい光が見えていたくらいでした。この『ニセモノ』にも大きな期待はしていなかったのです。

〉学生援護会
それはもしかして、壁にたくさん日雇いの仕事の紙が貼ってある街角の小部屋のことでしょうかね?たしかに学生のためのスペースだと聞いたことがあります。わたくしも90年代には電気代が払えないときなどによく日雇いの仕事をもらいに行ったものです。朝五時集合、ヘルメットかぶって地下に入りひたすら壁を壊して麻袋に瓦礫を詰め地上まで運ぶとか、エジプトの奴隷もかくやという仕事をして一万円くらいもらいました(笑)。

カネなんてどうにでもなる、またヘルメット被って地下に潜ればいいさ……ところが2000年にはもうそんな気力もなくて半病人みたいな毎日でした。いい具合に『ニセモノ』によってリハビリできたって思います。
Posted by トバ at 2023年11月06日 19:54
自分は「JUNKLAND」からがメインなので、この時期はよく聴いていました。

ちょうど、当時、学生援護会の契約社員時代、外回りでバスに乗って移動しながら、よく聞いていたのを思い出します。その頃から、ランチがてら「ヒトカラ」やっていました。(笑)


僕:ごめん下さい!アルバイト募集されていませんか?広告載せませんか?

社長:こっちが雇ってほしいくらいだよ!



という、なんとも粋なやり取りがあった時代でした。(笑)
Posted by ちゃちゃ丸 at 2023年11月06日 14:43
トバさんブログは毎回楽しみに読ませて戴いてます。ターンテーブル。

歌詞も演奏も玉置さんが自分でやられていて、この曲の2番サビのあと、〜僕はツキに見放されまだ勝ち目のないゲームをしているから〜という強烈なフレーズを歌い上げていて、このアルバムの常夜灯やアイボウなど名曲に隠れたパンチが効いてます。

20年以上が経過し今だから思うに、玉置さんも無意識に考えての行動だとは思いますが、やはり安全地帯を20年記念で復活させることは頭に前からあったでしょう。

当時、自分の場合ですがこのニセモノ、スペード、安全地帯復活の流れにはそれ程興奮もせずに逆に醒めた感覚で接していたように思います。自分の生活で手一杯だったというか、知り合いの大ファンの方も、ツアーを見に行って集金ツアー!と話してました。

ただ、ソロでそれ程大ヒットはしなくても、重鎮というか存在感は半端なかったように思います。当時自分も30歳を迎えようとしていて、視野を広くしようと藻&#25620;いていたのが大きかったです。個人的なことですみません。
Posted by よし at 2023年11月05日 21:53
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