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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2021年07月23日

あこがれ


玉置浩二『あこがれ』一曲目、「あこがれ」です。

一分ほどのインストゥルメンタルなんですけどもね、ピアノとストリングスでしっとりと、それでいて情熱的に胸に迫ってきます。一分経ったら終わりますんで、え?もう?という気持ちになるんですが、ちゃんと意味というか仕掛けがあるんです。

第一に、二曲目「ロマン」の導入になっているということです。「ロマン」が同じようにピアノとストリングスで泣かせに来ますから、あーなるほど、この曲で本泣きさせる作戦で早く退いたか……と納得できます。

第二に、十曲目「大切な時間」の後半部がこの「あこがれ」のストリングスバージョンとなっており、しかもかなり重厚なアレンジ・音圧でこのアルバムを超弩級感動モノとして締めくくりますから、う!こうきたか!ここで「あこがれ」を思い出させて終わるのか……不覚にも「ロマン」の導入とだけ位置付けちまったぜ……と自分の不明に恥じ入ることになります。もちろん、エスパーじゃないんですからそんなの予想できるわけないですし、予想できたところでたまたま当たった以上の意味はないです。そうですね、しいて言えば『安全地帯IV』がこういう作りになってましたけども、阪神の試合で川藤が代打に出てくるよりも頻度は少ないですので(笑)、まあ、こういうパターンもなかったわけじゃないってくらいです。

さて、この曲、AメロBメロ、そして転調してAメロを繰り返して終わります。この転調、わたくし気づくまでかなりかかりました(笑)。相変わらず耳がポンコツでいけません。ニ長調(D)からヘ長調(F)ですね。実に一音半、歌ならいきなり上げると結構戸惑うジャンプになりますが、玉置さんきっとガットギターで歌いながら作ったんだと思いますから、なんなくこのジャンプをこなしたのでしょう。そして、星さんにテープ渡して、これでピアノとストリングスのインスト作りたいんだよね!と注文なさったのでしょう。星さんはもちろん「お、浩二のやつ、ずいぶん跳んだな、でもそんな唐突感がなく自然に聴こえるな〜じゃあこっちもそんなに違和感なく組み立ててみせるぜ!」なんて感じで、ゴールデンコンビの作曲チームワークが発揮されたものと思います。

そう、このアルバム、もう松井さんはいないのです。作詞は須藤さんが入るにしても、まだ共同制作者って感じではないです。ほぼすべての曲を玉置さんと星さんでアレンジして(ポール・エリスが二曲)いるのです。演奏者はピアノは奥さん清水さんが交代で、シンセもポール・エリスと川島さんが交代で、その他ハープ、トロンボーンがたまに入るくらいで、入れ代わり立ち代わりって感じです。ほとんどすべての曲で金子飛鳥Groupがストリングスを担当しているにしても、それにしたって基本的にスタジオミュージシャンですから、一緒に作ったって感じではないでしょう。このアルバムは事実上、玉置さんと星さんが作ったのです。『All I Do』と比べると、なんと贅沢なところのないアルバムでしょうか。ですが、このときの玉置さんにとって、誰よりも信頼できたであろう星さんと二人三脚のようにこのアルバムを作れたことは、きっと幸せなことだったのです、というか、安全地帯に、そして自分に疲れて、それしかできなかったのだと思います。

この曲を「あこがれ」と名付けたのはおそらく玉置さんでしょう。「情熱」の歌詞で「いつか追いかけた」と松井さんが評した「あこがれ」、それは、玉置さんにとって「夢」とは違うものであったことが、ブックレットの最終ページに掲載された玉置さんの詩に記されています。

「夢」とは、バンドの仲間とロックスターになること……それはもう果たしてしまいました。いまはもう、その「夢」は見失い、ホントに好きだった音楽をやることを模索し、あの『太陽』を完成させますが、バブルの崩壊とともに安全地帯そのものが社会のひずみに飲み込まれていきます。

あこがれだったロックスターと同じように、大きなコンサートホールで脚光を浴びること、それ自体は大したことじゃなかったとわかってしまい、ほんとうの「あこがれ」が、自分から見える、自分の外側にあるロックスターになることでなくて、自分のなかに、自分が作る音楽のなかにあったんだと……気づいたのでしょう。

こうなると、もういけません。ひたすら曲を作り続けるしかありません。「夢」なら叶っておしまいにすればよかっただけですよね。ですが、「あこがれ」はそうじゃありません。ベートーヴェンが聴力を失っても自分のなかにある真実を求め歯ブラシくわえて音の振動を拾い拾い曲を作り上げていったことに似て、はてしない精神世界への旅を続けなくてはならないのです。だからこそ、玉置さんは「僕はこんなはずじゃなかったのに」と、「夢」でなく「あこがれ」を追い求めた自分を表現したのでしょう。

や、もちろんぜんぶわたくしの妄想ですけれども!(笑)

ですが、この寂しげで、それでいてやさしさにあふれた旋律が、安全地帯の大成功から活動休止、ソロ、安全地帯の復活と崩壊といったこれまでの「夢」の世界での彷徨の果てに「記憶の森」という精神世界への第一歩を踏み入れたことを示すものであるように思えてならないのです。

最後にハープで視界が開ける感覚の箇所がありますよね。あれがわたくしには、北海道の森で、樹々の間からみえた湖の光景であるように感じられるのです。これは完全にわたくしの想像であって、なんの根拠もないですけども。でも、本州の森にはない感覚なんです、これ。

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感想(0件)


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posted by toba2016 at 16:18| Comment(2) | TrackBack(0) | あこがれ
この記事へのコメント
夜中でもいつでもウエルカムですよ!でもお体はどうか大事に!

ここに書かれている曲の意味は、いつもわたくしが勝手に考えた妄想なんですけど、十曲目との関連はそうそうデタラメでもないと思います。お休みになる前にお聴きになるのはとてもよろしいと思います。こんなに情熱的なのに、不思議と心が落ち着く不思議なアルバムです。

この頃、まだわたくしバブルステレオ使ってましたから、就寝時にも部屋にものすごい音で流れてました。隣人とかうるさかったかもわからないですが、当時は結構お互い様な感じでもありました。寝てる間に友人がやってきて、いつの間にか「信長の野望」に変わっていたりもしました(ゲームの音もステレオにつないでいた)。隣人はわけがわからなかったと思います。
Posted by トバ at 2021年08月05日 21:40
夜中にすみません!
寝る前とかに、落ち着くし良い曲だな…と思いながら、何も考えず聴いているだけでしたが、ちゃんと意味があるんですね。他の曲、1曲目と10曲目と関係があるのは見落としてて気付かなかったです。
好きな曲選んでそれだけ聴くのも楽しいけど、アルバム全体で聴くのも違う楽しさがありますね!!
Posted by at 2021年08月05日 01:41
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