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2021年04月17日
国会図書館からメールがきた(四月十四日)
国会図書館の利用者登録をして、遠隔複写の申し込みをしたのは、四月七日のことだった。ちなみにお願いしたのは、雑誌記事四本。一つは「チェツコ・スロバキヤ大統領マサリツク閣下より日本の少年へ」という講談社の雑誌「少年倶楽部」(1931年7月号)に載った記事。この記事の存在を知ったときには気づかなかったが、たった1ページ分しかないようだ。それでも、どんなことが書かれているのかは気になる。
二つ目は「教育報知」(第28号、1886年6月)という雑誌の編集部がボヘミアで行われた博覧会に出たときの報告記事。「ヘ育報知墺國ボヘミア小學ヘ育博覽會に出づ」と題されているので、オーストリア内のボヘミア地方という認識があったことは読み取れるが、「小学校教育博覧会」でどんな展示があったのだろうか。会場がどこだったのかも気になる。現在なら国際的な展示会というとブルノといいたくなるのだが、ブルノはモラビアである。常識的に考えるとプラハなのだろうけど、会場がプラハなら、ボヘミアではなくプラハと書きそうである。
三つ目は、「大日本山林会報」(第184号、1898年4月)の「「ベーメン」國「シエレバッハ」市樂器製造用木材」という記事。林業には全く興味はないが、「シエレバッハ」が現在のどのチェコの町のことなのか、確認できていないのが悔しいので、記事を読んで確定したいと考えたのである。この、地名に「」をつける表記の仕方は、外務省のベルサイユ条約の翻訳なんかでも使用されていたが、政府の公文書のやり方だったのだろうか。そうすると大日本山林会も政府系の組織だったのかな。
最後は、なぜか俳句雑誌に発表されたチャペクの作品「影」である。「層雲」(第349号、1940年3月)に掲載されているが、訳者も含めてオンラインカタログではさっぱり何もわからないという代物である。読んだからといって、チェコ語の原典が判別できるとは限らないけど、知り合いに聞いてみれば知っている人もいるかもしれない。俳誌に掲載された事情も書かれていると嬉しいのだけどね。
他にも読んでみたいものはいくつもあるのだが、最初のお試しということで、4つだけにしておいた。到着までにかかる時間とか、値段とか、支払いの方法なんかを確認した上で、今後も継続してどんどん利用するか、本当に必要なものだけにするかを決めなければならない。そこまで真面目に考えているわけではないけど、どの程度使えるかがわからないと気楽に利用もできないのである。
それで、国会図書館オンラインの「お知らせ」のところに、「遠隔複写製品の発送遅延について」というのがあって、申し込みから発送までに十日から二週間ほどかかると書かれていたから、発送されるのは四月廿日以降だろうと考えていたら、一週間もたたない十三日発送したというメールが届いた。件のお知らせは去年の十月に出されたものだから、状況が改善されたのかもしれない。
個人的には、チェコに来て長いということもあって、申し込みからら二週間で発送されるなら十分に早いと思うのだが、日本だと不満を述べる人が多いのだろうか。とまれ値段の高くなるEMSは選ばなかったので、普通の航空便で発送されたはずである。となると、一週間ぐらいで到着するだろうか。念のために日本の郵便局のHPで確認すると、表の中にチェコがなかった。ハンガリーとオーストリアが七日になっているから、チェコも同じぐらいだと考えておこう。
ということは、廿日ごろには配達されるということである。依頼を出してからほぼ二週間、チェコから日本にお願いをしていることを考えると、ものすごく早いじゃないか。PDFで送ってくれたら、いや戦前のものは雑誌でもインターネット公開してくれたら、もっと早いのにと思わなくはないけれども、著作権法上不可能なんだったら仕方がない。到着したらまた中身の確認をして発見があったら紹介しよう。
2021年4月15日18時30分。