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2020年05月13日
自宅監禁日記(五月十日)
三連休最後の日曜日は、いつもと変わらない非常事態宣言下の日曜日だった。ただ明日の月曜日からここまでで最大の規制の解除が行われることになっている。当初は6月8日から営業が許可される予定だった大型のショッピングセンターも、二度の予定変更を経て明日から営業が再開されることになっている。昨日のテスコの状況があれでいいなら、ショッピングセンター全体の営業が再開されても大差はなさそうだと思える。
ツェントルム・ハナーに入っているテナントうち、開店していたのは薬屋やペットショップなど一部の店だけで、薬屋の前には数人の人たちが間隔を開けて行列を作っていた。それ以外の店はシャッターが下ろされていて、それだけなら普段早めにうちを出たときと同じなのだが、店の中で開店準備をしている人もいなかった。マスクの自動販売機が設置されていたのも、普段とは違うところか。
一番奥のテスコで人の多さに悩まされながら買い物をしていると、他のテナントが開いていたら、そちらに足を運ぶ人もいて、テスコで買い物をする人の数も少しは減っていたんじゃないだろうかという気がしてきた。開いている店が増えれば、一店舗辺りの人の数も多少は減るんじゃないかと思うのだけどさ。
日本で槍玉に挙げられているパチンコ店も、営業禁止させるよりも、全店営業させて入場制限を課した方が客が分散してましなんじゃないだろうか。自粛を求めることを自粛しない人たちも一ヶ所に集まらないから一石二鳥である。パチンコに狂った連中はどうせ営業中の店を求めて東奔西走するに決まっているのだから、近場に開いている店があった方が移動距離が少なく他所に迷惑をかけないと言う意味でもよさそうである。県境封鎖なんてできないんだからさ。
パチンコ店に人が集まるのは、依存症の人を除けば、他に娯楽がないからという面もあるのだろう。そうすると、娯楽を提供できていないマスコミ、特にワイドショーとバラエティばかりでまともに見られる番組を作れなくなっているテレビ局の責任も大きそうである。スポーツも軒並み中止だから、スポーツ番組すら放送していないだろうし。チェコでも状況は同じなので、スポーツチャンネルに合わせる時間がめっきり少なくなった。
それも明日からは少しずつ変わっていくはずだ。百人以下であればイベントの開催が許可されるので、プロのチームだけでなく子供たちのチームでも全体練習が可能になる。そして、このまま行けば、今月末には再開を諦めなかったサッカーリーグの一部と二部の試合が行なわれる予定である。明日以降もスポーツ施設のロッカーやシャワーなどは使用できないことになっているが、リーグ再開までに許可されないと、大変そうである。
もちろん、5月末までに感染者の数がゼロになることはありえないだろうが、ゼロになるまで規制を続けるのであれば、政治など不要である。すでに感染者の増加は、西ボヘミアを除けば微々たる物になっており、治療中の人の数も徐々に減り始めているのである。検査された人のうちの陽性の割合も1パーセントを越えない日が続いている。
こういう数字を見ていると、一部の野党や産業界が主張していたように、規制の解除はもう少し早くてもよかったのかもしれない。周囲の国と比較すると、厳しい移動制限などの対策を導入したのはチェコが一番早く、流行が収束の傾向に向かい始めたのも早かったのだが、規制を緩和していく時期になると、より大きな被害を出したドイツやオーストリアの後塵を拝することになった。当初の計画ほど、大きな差があるわけではないけど。
この辺が、規制規制で経済成長が過去最悪のマイナスを記録するとも言われている現状では、政府への不満となっているのだろうし、補助金の追加が続いて財政赤字が拡大していくのをとめようともしない政府に対する批判につながっている。政府も、さすがに当初の慎重すぎる計画ではまずいということで、規制の解除を大幅に前倒しすることになったのだろう。
非常事態宣言にせよ、様々な規制にせよ、状況が悪化していく中、制定するのは簡単でも、解除するのは難しいのである。その舵取りが政治家の役割であり、手腕の見せ所なのだろうが、ドイツ、オーストリアが拙速なのか、チェコが慎重すぎるのか、答えが出るのは来年になってからだろうか。日本は、政治が感情に引きずり回されて混乱しているように見える。幸い感染が爆発的に広がるという事態には陥っていないけれども、これで緊急事態宣言を解除できるのか不安である。九州は何とかなりそうだからいいか。
2020年5月11日12時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/