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2017年05月22日

アイスホッケー世界選手権の不思議(五月十九日)



 チェコ代表は、グループステージ最終戦のスイス戦、準々決勝のロシア戦と、あまりいいところなく負けてしまい、世界選手権で五年連続メダルなしという結果に終ってしまった。去年の準々決勝での誤審がなければと恨み言を言いたくなってしまう。

 準々決勝では、それぞれのグループの1位と4位、2位と3位が対戦するのだが、ちょっと不思議なことが起こっていた。パリで3位だったチェコの相手のロシアはケルングループで2位だったのだ。この場合、普通は1位と2位のチームは同じ会場から動かず、移動してくる反対グループの3位と4位のチームを迎え撃つ。それなのに、チェコがパリに残り、ロシアがケルンから移動してきたのだ。これは、開催国のドイツがケルングループで4位に入ったからだという。
 準決勝からは会場が一ヶ所に集約されるために、配慮の仕様もないが、準々決勝では開催国が進出した場合には、会場を選択できるというルールがあるらしい。だから、以前チェコのプラハとオストラバを会場にして世界選手権が行われたときも、チェコ代表の準々決勝の試合は、グループでの順位にかかわらずプラハで行われたのである。
 ということでグループステージの最終戦、パリではカナダ対フィンランド、ケルンではドイツ対ラトビアの試合が行われているとき、チェコテレビの中継では、準々決勝の対戦相手がどこになるかだけでなく、試合会場がどこになるかもあれこれ議論の対象になっていた。

 試合前の時点でわかっていたのは、チェコがグループの3位か4位になること。フィンランドが延長なしで勝てば、4位で対戦相手はアメリカ、会場はケルン。それ以外はチェコは3位で、対戦相手はロシア、会場はケルンでの試合次第ということだった。カナダがフィンランドに負けるとは思えなかったけれどもさ。
 ドイツ対ラトビアの試合は、試合前の時点で勝ち点が並んでおり、勝ったほうが4位で準々決勝に進出。ドイツが勝てはチェコはパリに残り、負ければケルンに移動である。カナダ対フィンランドが予想通りの試合になったのに対して、こちらは劇的な試合だった。

 ラトビアとしては、準々決勝進出を争っているという時点で、下馬評を覆す大活躍であるのに対して、ドイツは開催国として何としても準々決勝進出を成し遂げる必要があったはずである。そんな事情も左右したのか、一度はドイツが2−0でリードする。そこからラトビアの反撃が始まり、試合終了3分前に、逆転に成功してしまう。
 一転追い詰められたドイツは、ゴールキーパーを引っ込めて、6人での攻撃を選択する。ラトビアをゴール前に押し込んで、最後はテレビで見ていても、誰がどうやってシュートしたのかも分からないような状態で、ゴールが決まって終了間際に同点、試合は延長にもつれ込んだ。結局ドイツが勝って、開催国の一つとして準決勝に進出、チェコのパリ居残りとロシアの移動が決まったのだけど、なかなかすごい試合だった。こんな試合を見るとアイスホッケーも悪くないと思う。

 そしてもう一つ、よく分からなかったのがグループ最下位が自動で降格することになっている残留争いである。パリでのグループは問題なかったのだけど、ケルンでのグループで、ぎりぎりまでスロバキアの残留が決まらなかった。イタリアに勝利して最下位になる可能性はなかったにもかかわらずである。
 これにも、アイスホッケーの世界選手権独特のルールが関係している。他のスポーツの世界選手権と違って、アイスホッケーの場合、開催国の出場枠がないのである。その代わりに、前年の世界選手権で最下位になっても降格しないという規定がある。ただし、前年の世界選手権には確実に出場しなければならない。

 これを今年の大会に当てはめると、来年はデンマーク、再来年はスロバキアで世界選手権が行われることが決まっている。だから、今年の大会でデンマークは最下位になっても降格することはないが、スロバキアにはその可能性がある。
 それぞれの国の最終戦を残した時点で、デンマークとスロバキアが勝ち点4で並び、イタリアが勝ち点1で最下位だった。最終戦ではデンマークとイタリアの直接対決がある。もし、この試合でイタリアが勝つと、3チームが勝ち点4で並び、順位は3国間の直接対決の結果で決まるので、イタリア、スロバキア、デンマークの順になる。
 しかし、デンマークは降格の対象ではないので、下から2位のスロバキアが降格の対象となる。ただし、そのまま降格となるのではなく、パリグループの下から2位のチームとの比較で成績が悪いほうが降格することになる。奇しくもそのチームも勝ち点が4だったので、最終的には得失点差で降格が決まる可能性があった。そして、スロバキアの方が得失点差のマイナスが大きかったので、デンマークが負けたら降格というのが、現実的な恐れとして存在したのだ。

 恐れは、それだけでなく、降格した場合に、来年の世界選手権に出場できないということになり、その場合には、前年の世界選手権に出場することという開催のための規定を守れなくなるため、再来年の世界選手権の開催権を剥奪されるところだったのだ。
 確か二年前にはチェコ人の監督に率いられて準優勝を遂げたスロバキア代表に、昔日の面影はなく、勝ち点4のまま全日程を終えた。ただ幸いなことに、その前日に、デンマークがイタリアに勝利してくれたおかげで、ケルングループで7位となり、降格を免れ、再来年の世界選手権がスロバキアで開催されることも、最終的に決定したのである。

 アイスホッケーって、スポーツとしてのルールも複雑でわかりにくいけれども、大会の運営のルールもわかりにくいのである。世界選手権と名乗っているのに、世界各地域の代表が集っているわけでもなく、毎回かわりばえのしない出場国で、かわりばえのしない優勝争いになるし。その辺りが一部の国を除くと、それほど人気がない理由になっているのだろう。サッカーと違って世界中に普及させようなんて意欲もないのかもしれないが。
5月19日20時。







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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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