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2017年04月25日
プラハ行き1(四月廿二日)
さて、本日は、この前も書いた通り一年ぶりのプラハである。去年は確か一月の終わりだったから、一年以上前の話になるか。前回と同様に、レギオジェットのビジネスを使用することにする。あんまり直前だと席が取れない可能性もあるかと思って、四月の初めにネット上で席を予約して、お金も払ってしまった。
このあたりクレジットカードがあるおかげなのだけど、この便利さは気をつけないと大変なことになってしまいそうな気もする。日本で学生時代によくわからないままに作った学生用のクレジットカードを、結局二回しか使わず、友人知人に何のために持っているのかと馬鹿にされたのも、この便利さに対する警戒感だったのかもしれない。今のほうがはるかに便利になっているわけだし、今後も気をつけることにしよう。
とまれ、十時ごろまでにプラハに来いとのお達しだったので、八時少し前にオロモウツを出る便を選んだ。時間帯がいいせいか、値段は299コルナ、チェコ鉄道のペンドリーノの二等よりは少し高いが、座席の広さ、PCを開いて対面の人の邪魔にならないテーブルの大きさを考えると、十分に元は取れている。今もこうして電車の中で書いているわけだし。
帰りは午後六時近くまで拘束されると言うので、七時台の便を選んだ。こっちは少し安くて269コルナ。以前オロモウツ−プラハで300コルナを越えるのも見たことがあるのだが、値段の設定の基準が今一つよくわからない。料金体系が一番わかりやすいのが、チェコ鉄道で、一番わかりにくいのがレオ・エクスプレスである。一回ぐらいはレオの一番高いのを試して見たいと思うのだけど。ペンドリーノの一等は、座席が二等と大差なさそうだし、試した知人がそんなにすごくはなかったと言っていたので、いいや。
久しぶりに六時前という早い時間に目を覚まして、七時半ごろに駅に向かう。週末の早朝は、人影も少なく、車の量も少なく気持ちがいい。ただ、近所のスーパーのリードルがすでに営業を開始していて、少なからぬ人を集めていたのには驚いた。駅まで乗ったバスもすいていたし、道がすいていて時刻表よりも早くバス停についてしまうのか、バス停に停まるたびに時間調整のためにしばらく停車していた。
駅にはさすがに人の数が多かったけれども、実家に帰る学生であふれる木曜、金曜の夕方ほどではない。電車に乗る前に念のためにトイレに行っておく。受付に人がいて、お金を払ってから使用するのは以前と変わらないのだが、数年前の改修以来、使用料が一律で十コルナになった。以前は大の場合には値段が高く、申し訳程度のトイレットペーパーがもらえたのだが、今では個室に備え付けになっているようだ。十コルナも出せば、それなりのものが買えるのだから、わざわざ盗みにトイレに入る人もいないということなのだろう。
電車の入ってくるホームが表示されると、予想外に多くの人がぞろぞろとホームに向かい始めた。席の予約をしたときには、まだがらがらだったのだけど。ホームに入ってきた電車を見てまたびっくり。八両編成だったのが、十両に増えていた。予約の状況を見て、増やしたのだろうが、このあたりの融通の利かせ方が全席予約制のレギオジェットの強みなのかもしれない。チェコ鉄道も、車両を増やすことはあるけれども、それは予約の状況によってではなく、あらかじめ決められたものである。全席予約のペンドリーノは編成をいじれないので常に七両で走っている。
今回は前回のように一人でコンパートメントを独占することはできず、四席とも埋まっていたが、コンパートメント自体が広く座席と座席の間も広く取られているおかげで、他の人の存在にあまり気を使う必要はない。
電車が動き始めて、この文章を書き始めたところで、車掌、いや検札しないから違うか。とにかく担当の人が来て、オレンジジュースとミネラルウォーターを配っていった。新聞や雑誌は要らないかとも聞かれたが、今回は文章を書くのでパス。お土産用に帰りはもらうかもしれないけど、今もらっても荷物になるだけである。その後すぐに、今度は飲み物や軽食はいらないかと聞きに来た。頻繁にこられると考えがまとまらないので、もう少しゆっくりしてよと思わなくもなかったけれども、とりあえずコーヒーを頼む。
正直な話、このコーヒーのためにペンドリーノを捨てたのである。毎朝コーヒーを飲まないと頭がすっきりせず使い物になるようにならない。早起きして電車に乗る場合には、時間がないので自宅では小さめのコーヒーしか飲めない。その分を電車の中で補う必要があるのだけど、ペンドリーノでは、車内販売で買えるコーヒーでも、普通のよりはましなのだろうが、インスタントで飲めないとは言わないが、金を出してまで飲みたいものではないし、サービスでと言われても、たぶん飲まないであろう代物である。その点、レギオのは、紙コップに入っているのがあれだし最高においしいとは言わないけど、ちゃんとドリップされた、電車の中でこれだけのものが飲めるのならお金を払ってでも飲みたいと思うような一品である。
さて、そうなると、問題は追加でお茶をお願いするかどうかなんだけど、どうしようか。トイレ近くなるしなあ。結局飲んでしまった。
電車が込んでいたために、トイレが空いた時間を見つけられず、プラハの駅でトイレにいったんだけど、無駄に近代化されていた。入り口に自動券売機のようなものがあって、硬貨を入れるとトークンのようなものが出てくるようになっている。料金は廿コルナだったので、硬貨を入れたらトークンがなぜか二枚出てきた。それを入り口の自動改札みたいなのに入れると、ガラス張りのドアが開くようになっているのだけど、直接廿コルナの硬貨を入れるようにすればいいのに。
こういう自動化は、早朝や夜遅く到着する旅行者にとっては、トイレの営業時間が長くなるからありがたいのだろうけど、もう少し親切な使い方の説明をつけないと、初めて使用する人間にはわかりにくいぞ。たまたまチェコ語のあやしい係の女の人がいたからすぐ入れたけど、いなかったらしばらく時間がかかったはずである。
いや、本当は紀行文を気取って風景描写とかするつもりだったんだけど、どうしてこうなったんだろう。この話はここで切って、次回はプラハまでの沿線の様子だ。
4月23日18時。