2018年08月11日
十二日目、もしくはビールの話〈LŠSS2018〉(八月七日)
新しい先生に代わって、毎日宿題として短いエッセイを書くことになった。月曜日に出された御題は「Co jsem zažil toto léto」で、「この夏経験したこと」と訳してもいいけど、「この夏の出来事」「この夏したこと」とか軽めに訳しても間違いではない。とにかく今年の夏の自分について書けばいいわけだ。せっかくなので、ここに紹介しよう。廃品利用とは言うなかれ、じかんがちょっと足りないのだよ。それにチェコ語で書いたものをそのまま載せるのでは理解できる人がいなくなるから、コメント付きで訳した上で掲出する。チェコ語で書くと、まだおバカなことしか書けないのを笑ってくれてもいい。日本語と大差ないジャンなんて思われたら、ちょっとばかり悲しくなりそうだけど。
暑さを経験した。いやより正確に言えば暑さを生き延びようとしている。
書き出しはちょっとひねったのだけど、日本語にするとあんまり意味がない。チェコ語では「zažít」と「přežít」の不完了態「přežívat」の対比になるので、言葉遊びだと思ってもらえるはず。こんなことを書いてしまいたくなるぐらいに今年の夏は暑いのである。2015年と違って夜は涼しいといっても、サマースクールで勉強するのは午前中で気温が上がり続ける時間帯で、宿題の作文を書くのは午後の一番暑い時間帯である。
サマースクールに参加しようと決めた時点で、古いのはもうぼろぼろだったから、新しいリュックを買うことは計算に入れていた。でも他は買わなくてもいいだろうと思っていた。
「買い物苦手だしぃ」というのを入れるつもりだったのだが、うまくチェコ語の文脈に収まらず省略。結果的にはここに入れなくて正解だった。こういうのは文章を読んでいれば自然と感じ取れるように表現したほうがいい。
それは間違いだった。暑さはとても強烈で普通の長ズボンを履いて学校に通えるような状態ではなく、短パンが必要だった。外に履いていける状態にあるのは一つだけ、予備としてもう一つ持っているだけだったのだ。
短パン、半ズボンでもいいけど、チェコ語の「kraťasy」もしくは「šortky」なんて普通の年にはそんなに頻繁に必要にあるものではないのだ。2015年はうちにいることが多かったから室内用の奴を履いていることが多かったし。
仕事中なら長ズボンを履いての暑さも我慢できるけど、勉強の際にはそんなことしたくもない。それで新しい許容できるような色で許容範囲の値段の短パンで自分のサイズがあるのを探すことになった。大半のチェコ人に比べると体格が小さいから、これが結構大変なのである。結局お店にはいいサイズのものがなかったから、注文して取り寄せてもらうことになった。
上に着るTシャツやらポロシャツやらは多少大きくてもいいけど、ズボンは大きすぎるとベルトで締め上げたときにウエストの部分が変なことになるから、できるだけ自分のに近いものが必要になる。Sに相当するサイズのものでも、結構ウエストがあまるしなあ。冬は厚着をするから結構ごまかせるんだけど、夏はちょっと難しい。
その後、靴、襟付きのTシャツつまりポロシャツ、さらには靴下までが必要となり順次購入することになった。これで今年の買い物はすべてということになればいいのだけど。できれば数年分の買い物を済ませたと思いたい。
チェコ語で書いても内容が何だかなあで、無駄にあれこれ書き込んで長くなってしまうという悪癖は変わらない。外国人がこんな変なこと書いたという意味では面白がってもらえるかもしれないけど、純粋にチェコ語の文章として読んだら、面白くもくそもないんだろうなあと自分で訳しながら思った。自分で書いておきながら日本語に訳しにくいのには笑ってしまったけど、これはチェコ語が進歩した徴だと素直に喜んでおこう。
新しい先生が始めた新しい活動はもう一つあって、毎日学生がひとりずつ自分の好きなものについて発表することになった。名簿の一番上に名前が書かれていたことから、一番手としてこの日に発表したのだが、当然テーマはビールである。一週目の終わりにホモウトの見学にも行ったしさ。題名は「チェコのビールは本当にチェコのビール?」。
これでお分かりの方もいるだろう。二年前に世界を、少なくとも日本のチェコビール好きの世界を震撼させたアサヒビールによるピルスナー・ウルクエルの買収に関して、キリンやスタロプラメンとの関係も含めて簡単に話をした。つまりチェコのビールだけど外資に支配されているんだという話である。それだけではつまらないので、本物のチェコのビールが飲みたかったらミニ醸造所のビールを飲むのが一番いいよといってオロモウツのホモウトも含めて四軒の醸造所を紹介して終わり。
最後にいくつか質問があって、フェルディナントに聞かれた一番好きなビールのブランドはという問には、チェルナー・ホラが好きだったんだけどねえと答えておいた。ロプコビツを経て中国資本につながると思うと飲む気になれない。ロプコビツも嫌いだしさ。フェルディナントに質問し返したら、プラハのヴィノフラディのミニ醸造所のビールがお気に入りだという答えが返ってきた。
この日勉強したのは、時間の表現のまとめ。大事なのは、困ったときには、特に二語以上の言葉を使う場合には、四格に四格にしておけば何とかなるということだった。他にもいくつかあったので気が向いたらここでもまとめるかもしれない。
今週は午後のプログラムにあまり魅力的なものがないので、プロスチェヨフやスバティー・コペチェクに足を延ばそうかと考えていたのだが、あまりの暑さにそれどころではない。宿題の作文を書くのも、この与太記事を書くのも結構大変なのだ。
2018年8月10日22時35分。
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