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2018年02月20日

オブロフスカー・センザツェ(二月十七日)



 朝食をとりながら、寝ぼけ頭でラジオのニュースを聞いていたら、エステル・レデツカーが金メダルを取ったと言っていた。「スーペル・オブジー・スラローム」と言っていたから、スノーボードの「スーパー大回転」で優勝したのだろうと思っていた。ソチオリンピックではメダルには届かなかったけれども、その後の世界選手権手金メダルを獲得したことがあったはずだし、チェコの数少ないメダル候補の一人になっていることは知っていたから、順当な結果だとまでは思わなかったけど、それほど大きな驚きは感じなかった。それよりも、早朝行なわれたはずのアイスホッケーのチェコ対カナダの試合の結果が気になった。

 昼食の前にテレビをつけたら、バイアスロンの中継が始まる前の時間帯に、アナウンサーがレデツカーが金メダルを取ったと言っているのだけれども、スノーボードではなく、アルペンスキーでとったといっているような気がする。ツォジェ? ということで、うちののほうを見たら、スノーボードが本職の選手が、アルペンスキーで金メダルを取ったと言って世界中で大騒ぎになっていると笑っていた。
 チェコのアルペンスキーの女子は、引退したシャールカ・ストラホバーが長年一人で牽引してきたと言っていい。ストラホバー以外はワールドカップに出場できる選手もいるかいないかという状態が続いていた。それが昨シーズン辺りから、レデツカーがスノーボードの傍ら、アルペンスキーのワールドカップにも出場するようになっていて、しばしばポイントを獲得しているのは知っていた。それでも最高で15位前後だったはずなので、10位以内に入ることはあるとしても、メダル争いをするなんて誰も、本人も含めて予想どころか希望すらしていなかったのではないだろうか。

 うちのが教えてくれたチェコ人がコメントに残していたという冗談はいまいちよくわからなかったけれども、アメリカのテレビ局が、レデツカーが出走する前に、スキーの中継を終えて、そのとき一位だった選手が優勝したことにして、アイスホッケーの中継に切り替えて恥をかいたという話には笑ってしまった。アルペンスキーでは、確か最初の十五人以外から優勝者が出ることは滅多にないんじゃなかったかな。回転ほどではないにしても出走の順番が遅くなるほど雪面が荒れるはずだし。
 スポーツ・ニュースでは、オリンピックに政治を持ち込むことを許したIOCの会長が、二位に終わったオーストリアの選手に優勝のお祝いを言うシーンが流されていた。もちろんこれもレデツカーが出走する前の出来事で、チェコ的にはこの会長に対して嘲笑を投げてやりたいところである。リオ・オリンピックの際に、チャースラフスカーの願いを無視して、サーブリーコバーの出場を認めなかったのは許しがたい。

 26番目の出走で優勝したというだけでも、チェコの選手が優勝したというだけでも、大番狂わせだっただろうけれども、優勝したのがスノーボードが本職の選手、しかも0.01秒差での優勝という劇的さに世界中で大騒ぎになっていたようだ。チェコテレビの中継は、ゴールするまでレデツカーが優勝するとは思っていないような冷静な解説で、ゴールしてタイムを確認した後は、絶叫交じりの大騒ぎになっていたが、よその国、ニュースで流れたイタリアの中継ブースの様子を見ると、アナウンサーが大興奮で叫んでいる横で、解説者が信じられないものを見ていると言うような様子でコメントしているように見えたのが印象的だった。イタリア語はわからんから間違っているかもしれないけど。
 当のレデツカーもゴール直後は、自分が優勝したことが理解できていなかったようで、30秒以上もの間呆然としていた。そしてテレビ映像を撮影していたカメラマンに「優勝だよ」と言われて、「嘘でしょ?」と返していた。その後のインタビューでは、夢を見ているような気分だったとか、何が起こっているのかも正直わかっていないなんてコメントをしていた。ゴーグルをつめたまま記者たちのインタビューに答えていたのは、自分がレース後にインタビューを受けるような成績を残すとは思っていなかったから、顔の準備ができていなかったからだという。ようはメイクアップしていなかったということらしい。

 レデツカーの父親は、実はチェコでは多分誰でも知っているヤネク・レデツキーという歌手なのだが、娘の応援のために会場まで出向いていて、アルペンスキーで活躍するのは次のオリンピックの予定だったのにと語り、レデツカーの指導に当たっているチームに対して感謝していた。コーチを務めているのはチェコのアルペン界では有名なバンク兄弟で、兄のトマーシュがコーチで弟のオンドジェイが選手という形でがんばっていたのだが、弟が度重なる怪我に悩まされた現役生活を終えた後は、二人でレデツカーの指導に当たっているのだという。
 オンドジェイ・バンクといえば、オリンピックだったか、世界選手権だったかは覚えていないけれども、あるスピード系のレースで快調に滑り降りてきて、ゴールまでもう少しというところで顔面から転倒して、そのままゴールまで滑り落ちてくるという衝撃的なシーンを思い出してしまう。そんな経験を生かしてコースを分析し、滑るべきルートを指導しているらしい。

 レデツカーは、水曜日に行なわれる滑降にも出場する予定だったが、翌日に本職のスノーボードの予選が控えているため出場しないことになった。出られるものは全て出たいというのが本人の希望のようだけど、スキーからスノーボードへの履き替えを考えると、しかもスノーボードでは優勝候補であることを考えると、スノーボードに集中した方がいいというのがコーチの判断だという。レデツカーは、世界選手権なんかでは予選と決勝を同日にやるのに、どうして木曜と土曜なんて日程になっているんだよと恨み言を漏らしていた。

 ちなみにレデツカーの母親は、元フィギュアスケートの選手で、祖父はアイスホッケーで世界選手権の優勝経験があるのだとか。こういうのを血は争えないと言うのかな。
2018年2月17日23時。








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