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2017年03月29日

サッカーの日曜日1(三月廿六日)



 深夜の二時が三時になり、夜の睡眠時間が一時間削られた日の朝、DVDレコーダーの時計の時間を調整するためにテレビの電源を入れたら、朝早くからサッカーの中継をやっていた。チェコテレビスポーツのロゴの下に「živě」と出ているので、生中継らしい。一部リーグからは日曜日の午前中の試合が姿を消して久しいが、二部ではまだときどき行なわれている。

 しかし、二部リーグのスタジアムとは思えないぐらいに、客席がない。両チームのベンチはかろうじて屋根が付いているけれども、その脇で見ている人たちはほとんど立ち見。グラウンドの向こう側には、一列だけ座っている観客がいて、その後には木々の間に停められた自動車。ドラマ「オクレスニー・プシェボル」に出てきた典型的な田舎の小さな村のサッカー場だった。
 慌てて対戦チーム名を確認してみると、ベリムというチームと、ボヘミア・ポデブラディの対戦のようだ。ポデブラディはプラハから少し東に行ったところにある有名な温泉地で、ポデブラディのイジーなんて歴史上の有名人物の出身地でもあるので、存在はもちろん知っているが、サッカーが盛んだなんて話は聞いたことがない。ホームチームのベリムにいたっては、名前を聞いたことさえないので、もちろんどこになるのかわからない。おまけにこの地名が男性名詞なのか女性名詞なのか悩んでしまう。
 アナウンサーの解説によると、この二チームは、中央ボヘミア地方のI.Aクラスと呼ばれるレベルのリーグのBグループに所属するらしい。この試合が放送されたのは、チェコのサッカー協会とチェコテレビが共同で進めている「ムーイ・フォドバル(俺のサッカー)」プロジェクトの一環らしい。このプロジェクトは、人々の生活の一部となっている下部リーグのアマチュアのサッカーを支援するもので、すでに昨年の秋には、チェコテレビの解説者のペトル・シュバンツァラとルデク・ゼレンカが、田舎の小さな村のサッカーチームに派遣され、両チームの対戦までの間練習に参加して試合ではベンチに入って声援を飛ばすということをやっている。仕事を持ちながら週に何回か練習をして週末に試合をするという生活をしているアマチュアのサッカー選手にとって、元とはいえプロの有名選手と一緒に練習してと試合で声援を飛ばしてもらえるというのは格別な体験だったはずである。

 その秋の成功を受けて、今回第二段として行なわれたのが、アマチュアサッカーのプロレベルでの中継である。チェコテレビが一部リーグの試合を中継するのと同じ機材と人材を投入して小さな村の設備の整わないサッカー場から全国中継を行なったのだ。グラウンドの片隅に中継用の臨時のスタジオを設け、アナウンサーと解説のゼレンカが試合前後とハーフタイムにあれこれしゃべっていたし、選手や監督のインタビューも、スポンサーのロゴが入ったパネルが用意されてその前で行われていた。
 両チームの選手関係者にとっては、それこそ盆と正月が一緒にやってきたようなもので、この試合に向けて、親戚や知人を動員して広報活動に努めたらしい。せっかくテレビ中継されるのに観客が少なすぎるのはさびしいし。ただ、声をかけられた人の中には、せっかくテレビで中継されるのなら、テレビで見たいという人もいたという。その気持ちはわかる気がする。サッカー場でならいつでも見られるし、テレビのスタッフが来ているのも珍しいで済む。しかし、我が村のサッカーチームの試合がテレビで中継されるのを見るのは、歴史的な出来事である。

 その歴史的な試合は、ホームのベリムがPKで先制したものの、ポデブラディが二本のプロレベルでもあまり見ないようなシュートを決めて逆転勝ちした。まあ、両チームにとっては結果よりも、試合前から試合後まで、プロの選手たちと同じような扱いを経験したということが一番大きいのだろう。試合会場となったベリムのサッカー場の芝の状態は、スパルタが対戦したロシアのロストフのものよりも遥によかったし、夕方のサンマリノのスタジアムの芝よりもきれいに手入れされているように見えた。
 チェコのサッカー協会とチェコテレビではこのプロジェクトを継続していくようで、すでに第二回目の中継の試合の選定に入っているらしい。

 最後にチェコのサッカーリーグの構造を簡単に説明しておくと、一部リーグがエーポイシュチェニー・リーガで16チーム、二部が最近改称されてナーロドニー・リーガ(国民リーグと訳しておこう)でこれも16チームからなっている。三部はボヘミア地方とモラビア地方で別々に行なわれている。このレベルには一部のチームのBチームが参加していることもある。
 四部リーグにあたるのが、デビゼと呼ばれるもので、これはボヘミアに三つ、モラビアに二つのリーグがある。五部リーグからは地方単位で行なわれているリーグで、五部が地方に一つずつあるクライスキー・プシェボルとプラハ市のプシェボル。その下の六部に当たるのが、今回中継が行なわれたI.Aクラス(チェコ語でトシーダ)で、地方によってはこのレベルのリーグをいくつかに分けているところもある。その場合にはグループA、B、Cなどと称する。七部がI.Bクラスでこれが地方レベルの一番下のリーグになる。かつては新聞の地方版にこの辺りまでの結果が出ていたかな。最近はちゃんと見ないのでわからないけど。
 八部リーグからは、今では廃止された行政区分のオクレスを単位にしたリーグ戦で、II.クラス、III.クラス、IV.クラスの三つに分かれている。ただし九部、十部リーグは登録チーム数の関係で実施されていないところもあるようだ。

 このプロジェクトが長期的に継続されるなら、将来知り合いの出身の村からの中継なんてことも起こりそうである。ビール片手に大声を張り上げている知り合いの姿がテレビで見られれば最高なのだけど、サッカーを、地元のサッカーを見に行くなんて知り合いがいないのが残念である。
3月27日9時。



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