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2016年01月25日

寒かりし冬の記憶(一月廿二日)



 年の初めにあんな文章を書いたからか、年明けから寒くなって気温が氷点下に下がるようになった。そして今朝は、オロモウツのホルニー広場に設置されたウェブカメラのページの表示によれば、マイナス十度以下まで下がったらしい。うわあ寒そうと思ったのだが、外に出てみたらそれほどでもなかった。
 いや、寒いのは寒いのである。今年一番どころか、ここ二、三年では一番の冷え込みではあるので、いやになるぐらい寒くはあるのだ。でも、こちらに来たばかりの十五年ほど前のことを考えると、大したことないと言うか、普通なのである。あのころは毎年真冬にはずっと雪が積もっており、気温も最高気温がプラスにならないという日が続くのが普通だったのだ。最高と最低の差があまり大きくなく、マイナス十度を越えることは滅多になかったけれども。そんな日にはマイナス五度までなら日本で経験があるから何とか耐えられるけど、マイナス十度は耐えられないなどとわめいていたのだから。
 考えるだにおぞましいのだが、そんな冬に鍛えられて、寒さへの耐性がついてしまったのだろうか。「自称南国」の地域で育った人間としては、最近の軟弱な冬を物足りなく思ったりしてしまったのだとしたら、慙愧の念に耐えない。寒さだの雪だのいうものは、須く敵たるべきであるのだ。
 それはともかく、こちらに来たばかりのころに、当時オロモウツに住んでいた日本人の女性が、冬場にプールに行くと、上がった後にドライヤーでちゃんと乾かしたつもりでも水分が残っていて、外に出ると髪の毛がシャリシャリいって気持ちが悪いと言っていたのを思い出した。
 それに真冬になるとレストランや、喫茶店の入り口を入ったところに、分厚いカーテンで三方を囲まれた小部屋みたいなのが作られることが多かった。ドアを開けても、寒気が直接中に入らないように、暖かい空気が外に逃げていかないように、工夫したものだと師匠は言っていたが、最近はトンと見かけなくなった。来たばかりのころは、冬場に買い物に行くと店内の熱気で汗をかき、外に出るとそれが冷え込んで風邪を引くなんてこともあった。クーラーがききすぎた日本の夏と同じで、内外の気温差に体が対応しきれなかったのだ。

 私がこちらに来てからの十五年ほどで一番厳しかった冬は、十年ほど前の冬だった。あの年は絶望的なまでに冬が長かったし、気温もやめてくれと言いたくなるほど下がった。知り合いの日系企業の社長は、朝の出勤時に自動車の外気温の表示がマイナス二十五度になっているのを見て、思わず写真を撮って、知り合いに片っ端からメールで送りつけたと言っていたが、その気持ちはものすごくよくわかった。
 寒さが痛いと言うのは、マイナス五度でも十度でも感じられることだが、トラムの停留所まで歩いただけで筋肉痛と言うのは、この年が初めてだった。恐ろしく気温が下がった日の翌日、朝起きると手足の筋肉が、運動をした翌日のように痛かったのだ。前日した運動と呼べるものは、自宅から職場まで往復する際に、トラムの停留所まで歩いただけだった。
 気がめいったのが、部屋の中から太陽が出ているのを確認して、少し暖かくなるという期待と共に外に出ると、逆に恐ろしく寒い日が続いたことだ。太陽は黄色く見えるものの、その光に熱はなく、晴れているのに空は青いというよりは水色に近い白色で、何かの悪い夢を見ているような気がした。どこかの本で読んだ「エントロピーの消滅した世界」とか、1980年代に話題を集めた核戦争後の地球のいわゆる「核の冬」というのはこんな感じなのだろうかという怖れが、唐突に頭に浮かんだのを思い出す。
 当時は毎週一度朝早くおきて、オストラバに通訳のアルバイトに出かけていたのだが、寒さのせいでものすごく遅刻したことがある。ちょうどいい時間に直通の電車がなく、プシェロフの駅で乗り換えのためにブルノから来てオストラバに行く電車を待っていたのだが、いつまでたっても来そうにない。アナウンスで電車が遅れている理由を説明していたのだが、最初は理解できなかった。何度も繰り返し聞いて内容はわかったのだが、やはり理解できなかった。寒さでレールが破裂したってどういうことなのだろう。チェコの道路や鉄道は、涼しい夏より、厳しい冬に耐えられるように設定されているはずである。いや、その前に、レールって寒さなんかで破裂するものなのだろうか。「昨日は線路が盗まれてオロモウツに来られなかった(実話)」という友人の言い訳を聞いた時と並ぶ衝撃の事実だった。
 あの冬を乗り切って以来、認めたくはないのだが、寒さがそんなにこたえなくなったような気はする。それでもやはり寒さは敵である。そしてこちらが寒さに震えているのに、嫌がらせのように半袖のTシャツを着ているチェコ人、あまつさえ半ズボン、サンダルで闊歩しているチェコ人もまた敵なのである。

1月22日23時30分



 『太陽の世界』発見。いくら古本屋を回っても発見できなかった18巻だけでも入手したいものだ。そのためにはkoboが必要なのだろうか。1月24日追記。


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タグ:愚痴 寒さ 鉄道
posted by olomoučan at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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