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2021年03月07日

冗談は止まらない(三月四日)



 スロバキアがマトビチ首相のほぼ独断でロシアのワクチンの輸入に踏み切ったことで、国内のロシアシンパが、チェコでもロシアのワクチンをと騒ぎ出すのは予想通りだった。その筆頭は、汎スラブ主義を唱えて、EUの汎ゲルマン主義に対抗している(つもりのように、見ようと思えば見える)ゼマン大統領で、スプートニクVの導入にも、大統領広報官のオフチャーチェク氏を通じて積極的な発言をしている。
 一時は、世論に日よって慎重な姿勢に転じたバビシュ首相も、ロシアのワクチン導入の検討をほのめかすなど、また態度を変えようとしている。厚生大臣のブラトニー氏だけは、衣料の専門家としてEUで承認を受けていないワクチンをチェコ国民に接種するわけにはいかないと、強硬に反対する姿勢を崩していないのが救いである。

 その一方で、恐らくチェコなどEUの承認がないと使用できないという国の要求に応じてだろうが。ロシアがこれまで拒否してきたワクチンの承認申請を行ったという話もあるから、承認された場合にはチェコでもロシアワクチンの接種が始まることが予想されている。ただ、スロバキアの承認機関の人は、ニュースで、ロシアからワクチンと共に送られてきた書類には、承認するために必要な情報が欠けていて、承認するもしないも決めようがないとぼやいていた。
 旧ソ連の後継国家にふさわしく、秘密主義なのだろうけど、治験の経過や結果などの詳しい情報がないとEUでも承認しようがないだろう。場合によってはEUの機関で治験を行うということになりかねない。そうなると、バビシュ首相やゼマン大統領が望んでいる早期の承認はできなくなる。もっともロシア側がそんな扱いに賛成するとも思えないけど。結局はもうしばらく様子見ということになりそうである。

 ここまでならまだ想定の範囲だったのだが、ゼマン大統領はさらに自分のつてで中国からのワクチンの供給(当然ぼったくり価格であろう)が可能になったと言い出した。問題は中国のワクチンについてはロシアのもの以上に情報が提供されないことと、ワクチン製造を担当している会社が、過去に問題のあるワクチンの生産や、データの改竄などさまざまな不祥事を起こしていることである。ただでさえ中国製でサンプル出荷以外は信用に乏しいというのに、こんな会社の製品では信用して接種を受けられるとは思えない。そもそも不祥事を繰り返しながらワクチン生産を続けられている時点で怪しい。
 ワクチンも、薬ではないとはいえ、これなら効くと信頼して接種を受けたほうが、大丈夫かなという不安と共に受けるよりも効果が高いんじゃないかとも思う。だから、わざわざ中国に借りを作ってまで、同時に高い金を払ってまで、中国製の怪しいワクチンを導入するより、EUで承認されたワクチンが増産されて供給されるのを待つほうが、最終的にはいい結果をもたらすだろう。ゼマン大統領としては中華共産帝国皇帝への忠誠を示す必要があったのだろうけど、かつての見返りの大きかった朝貢貿易と違って、見返りなどゼロに等しいのだから、臣従はやめてしまえばいいのに。

 それから、政府では企業に対して従業員の感染検査を定期的に行うことを義務付けた。一人一回の検査に60コルナ、月に四回分政府から補助金を出すという。野党によればこの60コルナという設定がいやらしいらしく、この値段では市場に出ているもっとも精度の高い検査キットは購入できず、資金に余裕のないところでは低品質のものを購入することになりそうだと言う。そうなのである。補助金で購入されるのは中国製の検査キットなるという目論見があるのだろう。マスクにしても検査キットにしても、政府がチェコ国内製のものよりも、中国製のものを優先しているのが理解できない。
 一部の企業ではすでに去年の秋から自主的に従業員の定期検査を行っていたらしい。サッカーなどのプロスポーツで行われている定期的な検査が、感染した人の洗い出しと感染の拡大の防止にある程度効果があることは明らかだった。それなのに、政府は医療関係者の定期検査を導入しなかったのである。医療が逼迫している最大の原因は、医療関係者から感染者が出て多くの人が隔離されて現場を離れなければならなかったことなのだから、医療関係者の定期検査を実施していればここまでひどいことにはならなかったんじゃないかとも思う。ワクチンの接種が進んだ結果、これまでになく欠勤を余儀なくされる医療関係者の数が減っているらしいしさ。

 とまれ、逆に言えば、ロシアや中国のワクチンに期待せざるを得ないところまでチェコの状況が悪化しているということでもある。いやはや、困ったもんである。
2021年3月5日24時。











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