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2020年12月02日

連立解消寸前(十一月廿九日)



 バビシュ首相のANOとハマーチェク内務大臣が党首を務める社会民主党の連立政権は、その成立以来、両党の意見の対立で何度も解消の危機を迎えてきた。社会民主党内の閣僚ではない有力政治家が下野を求めて声を上げたのも一度や二度のことではない。そのたびに、どちらかというと社会民主党側が妥協することで連立が継続してきた。
 春の緊急事態宣言が出ていたころも、当初の先がまったく見えなかった最悪の頃は、政府全体が一致して行動をしている印象がなくはなかったが、感染者の数が減り始め、規制緩和が日程に上るころになると、主導権をどちらが握るかの争いが始まり、例によってメディアやSNSを通じて、それぞれが見解を発表して、意見が一致していないことを衆目にさらしていた。

 そしてその対立は、最も重要な来年度予算の編成とその国会での審議でも、最悪の形で現れた。チェコの政界では、かつて市民民主党が政権をになっていた時代に導入された所得税の制度を改正することが懸案となっていた。これは、給与所得に直接税率をかけるというものではなく、所得額を元になんだからよくわからない「スーパー・フルバー・ムズダ」というのを算出して、それに税率をかけて税額を決定するというもので、市民民主党さえ廃止を主張していた。
 バビシュ政権もこの税制の改正を政策の一つとしていたのだが、ここまで実現できていなかった。それを現在の経済危機の状況で、経済的な対策の一環として実現しようというところまでは、政府内で一致していたのだが、改正後の税率に関してANOと社会民主党の意見が合わず対立していた。ANOは給与所得に対して一律15パーセントを主張し、社会民主党はそれでは国家の収入が減りすぎるとして19パーセントを主張していた。どちらも大幅な減税になるという点では変わりはない。

 そして、与党二党は、事前の話し合いで合意に達するという努力を放棄し、そのまま予算案を下院に提出し、それぞれが修正案を同時に提出するという、ありえないだろうと言いたくなるような挙に出た。そして、市民民主党とオカムラ党の支持を得た15パーセントの修正案が可決され、社会民主党側の反発を呼んだ。市民民主党は税率15パーセントというのはもともと自分たちの案だから賛成するのは当然だといい、社会民主党は市民民主党の案だから賛成できないんだとか言っていた。
 同時に、与党が対立して混乱していたせいで、海賊党の提案した控除案などのいくつかの減税案が可決された結果、来年度の税収が1300億コルナほど減ると試算されている。ただでさえ大きな赤字で予算が組まれている上に、これでは大変なことになると、バビシュ首相とシレロバー蔵相は、次に予算案を審議する上院に対して、下院で可決された予算案をそのまま承認しないように求めている。何やってんだかである。

 社会民主党だけでなく、ANOと市民民主党が可決させた15パーセントという税率に反対している人たちが、一番問題にしているのは、地方公共団体の収入が激減することである。チェコでは、住民の支払った所得税の一部が地方公共団体に分け与えられることになっていて、それが収入の大半を占めるのである。当然、すでに来年度の予算を、今年の税制を基に立てているところが多く、この時期になって収入が大きく減るような減税をされるのは、迷惑以外の何物でもなかろう。
 今回の予算案と共に可決された減税案が実施されれば、給与の額は変わらなくても、手取りの額は毎月数千コルナ増えるらしいから、個人的にはありがたいと思わなくもないけれども、その程度の額で、ギリシャのように国が破産なんてことになったら割に合わない。バビシュ政権の悪いところは、極端に走りがちなところである。現実的な線で考えたら少しの減税でも喜ばれたと思うのだけどなあ。

 来週からの規制緩和についてもANOと社会民主党は対立していて、緩和を進めたがるANOの閣僚に対して、ハマーチェク内務大臣が反対しているようである。結局数の論理で、ANOの主張する規制緩和が行われることになった。ただし月曜日からではなく、木曜日からカテゴリー3の規制に切り替わるらしい。つまり、食料品や薬など生活必需品以外を販売する店も、レストランなどの飲食店も規制はあるものの営業が再開されるのである。
2020年11月30日16時。









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