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2020年10月22日

チェコサッカー界の浄化(十月十九日)



 チェコのサッカー界にとっていい意味で衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、週末のことだった。去年だったか一昨年だったかのサッカー協会の現職の会長だったペルタ氏が、汚職の疑いで逮捕されたというニュースも衝撃だったが、今回の事件の方が衝撃の度合いは大きいかもしれない。副会長でチェコサッカー界の陰の権力者と言われているベルブル氏が逮捕されたというのだ。
 これまでもさまざまな疑惑で名前が挙がり、チェコサッカー界の汚点、この人物が協会の要職についている間は、サッカー界の改善はありえないとまで言われてきた人物が逮捕されたのである。これまで逮捕されないまでも、失脚しないのか不思議でならなかったのだが、遂に警察が動いたというか、逮捕に必要な証拠を固めることに成功したということだろう。内偵自体は以前から続けていたに違いないのだし。

 サッカー界でベルブル氏の評判が最悪なのは、一つには審判部を支配下において、どの審判にどの試合を担当させるか、ひいては試合結果に影響を及ぼしていると考えられているからである。プルゼニュ地方のサッカー協会の支配者でもあるので、当然プルゼニュのチームとの結びつきが強く、ベルブル氏が審判を支配するようになってからは、プルゼニュ有利の判定が増えたと言われている。プルゼニュがもらったPKととられたPKの差なんてことを調べている人もいたなあ。
 以前は、スパルタ有利の判定が問題にされることが多かったのだが、かつてのスパルタや、現在のプルゼニュ、スラビアのような毎年優勝を争うチームと、万年下位のチームの試合の場合には、どうしても上位チーム有利の判定をしがちだという面があるのは確かなので、怪しい判定のうちどの程度が意図的なものなのかはわからないけれども、それだけでは説明のつかないことが多いというのが、サッカーの専門家の話である。他にも残留争いで上位チーム有利の判定が続出するとか、入れ替え戦で2部のチームが勝てないような判定をするとか、怪しいといわれていたケースはいくつもある。

 今回、ベルブル氏とともに逮捕された20人のうちの半分以上が審判だったというのが、その審判支配の強さを見せ付けている。ただ一部リーグの主審として活躍している人よりは、下部リーグの審判が多く、今回の容疑の一つは、賭けで儲けるために、審判を使って下部リーグにおける試合結果を操作したというものである。スロバキアで大スキャンダルになった選手たちの八百長行為は、アジアのマフィアが賭けで儲けるために仕組んだものだったが、チェコではサッカー協会の人間が自分たちが儲けるために、審判を使ったらしいのである。
 サッカーというスポーツでは、選手を1人、2人買収しても、試合に出場しないことも考えられるし、変なプレーばかりしていると途中で交代させられる可能性も高くなるから、お金をはらった側が満足する結果をもたらすのは難しい。チーム全体を買収するなら話は別だけれども、かかるお金も大きくなるし、何より発覚の可能性が高くなる。そう考えると審判を使うというのは、いつでも完璧にうまくいくというわけではないだろうが、効率がよさそうである。

 もう一つの容疑の中心は、今シーズンから2部リーグに昇格したプラハのビシェフラットのチームである。これまで聞いたことがなかったようなチームが2部に上がってくるのは、ないことではないのだけど、その昇格のしかたには疑うべきところがあったようだ。逮捕されたのはクラブの会長で、すでに別件で摘発されそうになったのを逃れた過去があるという。
 いや、この人だけでなく逮捕された人たちのほとんどが、過去に問題を起こして処罰を受けたことがある。そういう連中を集めてサッカー界から追放されないように庇護していたのがベルブル氏ということになるのか。その見返りに不正に協力させられていたのか、自主的に協力していたのか。摘発された審判の中には、プルゼニュがチャンピオンズリーグに出たときに、イタリアでの試合に連れて行ってもらったなんて人もいるから、今回の件がプルゼニュにどう影響を与えるかも心配である。

 ところで、ベルブル氏について語るなら、2人の人物にも触れないわけにはいかない。1人は、チェコの1部リーグで女性として初めて主審を務め、女子ワールドカップなどでも活躍したダムコバー氏である。この人、一時は、ペルタ氏に対抗してサッカー協会の会長選挙に出馬すると言い出して、サッカー界の浄化を求める一部の人たちから、ジャンヌダルク扱いをされていたのだが、いつの間にか、ベルブル氏のパートナーに納まっていた。元審判で、UEFAだかFIFAだかの審判関係の部署で仕事をしたりもしていたのだけど、チェコでの評判は地に落ちている。
 もう1人は、元スパルタの選手で代表監督のホバネツ氏である。この人もいつの間にはベルブル氏の片腕となっていて、一時ポーランドの元審判が招聘されていた時期を除いて、審判部の部長を務めている。選手やサッカー記者などの中には、ルールを完全に把握できていないなどと批判されることもあったが、この人が上にいることで怪しい審判が守られていたという面もあるのだろう。今回のベルブル氏逮捕を受けて、多くの審判が摘発されたこともあって、審判部の部長から解任されたようである。

 今後は、サッカー協会からベルブル一派が消えることになるのだろう。以前から問題を指摘してきた人たちが改革を進めることになるのか、第二のベルブルが出てきてまた同じことの繰り返しになるのか注目である。まあサッカー協会を私物化したのはベルブル氏が初めてというわけではないので、繰り返しになりそうだけど、少しはましになると信じたい。
2020年10月20日23時30分。












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