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2020年10月17日

そろそろ引退してくれないものだろうか(十月十四日)



 武漢風邪の流行の拡大を巡るチェコの政治家の言動にはろくでもないものが多いのだが、今回はゼマン大統領の出鱈目振りである。すでに春の非常事態宣言と厳しい規制の導入に当たって、激しく批判をした人たちに対して、大統領が使うなよと言いたくなるような罵詈雑言を投げていたのだが、今回の規制強化に際しても、「暴言」をはいて物議を醸している。

 レストランなどの飲食店や、ホテルなどの宿泊施設は、春の非常事態宣言に伴う規制によって経営の危機に陥り、廃業を選んだところもかなりあった。春の危機を乗り越えたところで、客が戻りきらないうちに、再度の規制強化でもう倒産するしかないところまで追い詰められているところも多い。春は、政府を強く批判する経営者もニュースに登場したのだが、今回は諦めの表情で、どんな支援でもあれば嬉しいと語る人が多い。それだけ状況は絶望的だという事なのだろう。
 それに対してゼマン大統領は、「この程度で倒産の危機に陥るのは、普段から十分に稼いでいないからであって、倒産するところは倒産するべくして倒産するのだ。そんなところは今回の規制がなくても遅かれ早かれ倒産したに違いない」とか言って、政府を擁護したらしい。無能な経営者だけが倒産するのだと言ったというニュースも見かけた。

 これだけなら、いつもの戯言として騒ぎにもらならなかったのだが、劇場や博物館が閉鎖され、コンサートも禁止された文化関係を支援するために、政府が補助金を出すというのについても無駄なこととして批判した。その理由は、「芸術家が最も傑作を生み出すのは空腹のときだ」というものだった。つまりは、補助金など出さずに、芸術家を生活苦に陥れた方が、傑作を生み出す可能性が高まって、芸術のためには、もしくは芸術家本人のためにもなるということだろうか。
 確かに、過去の芸術家の中には、極貧の中でも創作活動を続け傑作を生み出した人たちもいる。ただ、その作品が誰もが知るべき傑作として認められたのは芸術家の死後であることが多い。それは本人たちの望んだ人生ではなかっただろうし、今の「芸術家」がそんな貧苦に耐えて芸術活動を続けられるとも思えない。それに芸術なんて人生に必要不可欠なものではないのだから、芸術家は芸術家として生きていられるだけで幸せだと思えというのには一面の真実はあるにしても、現状の問題は芸術家としていき続けられるかどうかの瀬戸際にあるという点にある。

 このゼマン大統領の発言には、反ゼマン派の「芸術家」だけではなく、本来ゼマン親派として知られる「芸術家」の中からも、批判の声があがった。ゼマン大統領はお友達の「芸術家」にあれこれ理由をつけて勲章を与えることでも知られているが、そのうちの一人、歌手のダニエル・フールカが、ゼマン大統領の発言に対する批判として、勲章を返上すると言い出した。
 同時に、「昔はそんな奴じゃなかったのに」とか、「何で変わってしまったんだ」とか、かつてのゼマン大統領を偲ぶようなことも言い、「民族に対する裏切りだ」とまで断じていた。「芸術家」を支援しないことが、民族に対する裏切りだというのは短絡的であるにしても、ゼマン大統領を信じていたからこそ反発も大きかったのだろう。

 この発言に、大統領自身は反応していないが、広報官のオフチャーチェク氏が例によって辛らつな批判をしていた。ゼマン大統領の健康状態を考えると、周辺の人たち、いわゆる君側の奸が、好き勝手やってゼマン大統領の評判を必要以上に落としているんじゃないかという気もする。周囲の人間を制御できない時点で大統領としての能力には「?」がつくのだから、これ以上晩節を汚す前に、身を引いた方がゼマン大統領自身のためじゃないかねえ。

 10月28日はチェコスロバキアが建国された日で、毎年この日には大統領府であるプラハ城で、叙勲式が大々的に行われる。今年も、春の感染症の封じ込めに成功したように見えた時期には、プリムラ氏に勲章を授与することを発表するなど、年に一度の晴れ舞台として精力的に準備を進めていたようだ。叙勲者を決めるのは大統領だけではないけれども、大統領の意向が大きく反映され、また拒否などと言うことがないように事前に打診が行われるものである。
 ところが、現在は、武漢風邪の爆発的な流行の拡大の結果、規制が強化されさまざまなイベントが中止に追い込まれているわけである。それなのに、ゼマン大統領とその周辺は、叙勲式を予定通り、当初の予定よりは規模を小さくはするようだが、開催する意向のようなのだ。バビシュ政権の場当たり的な感染症対策を擁護して、規制の再強化は仕方がないというなら、自ら範を示して叙勲式は中止にするなり延期にするなりするのがまともな対応というものではないのか。政府側も中止を申し入れるべきだろうに、なぜか妙に遠慮している。

 こういうところに、大統領も含めたチェコという国の政府のまずい部分が如実に表れている気がする。ゼマン大統領が変わったのかどうかはともかく、今の大統領は見ていられないという点では、フールカの発言は正しい。流石にもう付き合いきれんと思っているチェコ人も多そうだ。
2020年10月15日14時。









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