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2020年02月28日

ふざけんな、日本のテレビ(二月廿五日)



 職場で日本語のできる同僚にとんでもないものを見せられた。ネット上にあげられた日本のテレビ番組の一部のビデオで、チェコについてのものだったのだが、二人して見ながら「ありえねえ」「ひでえ、ひどすぎる」「うそばっかりだ」「くそだ」と罵倒の言葉を並べてしまった。途中からもう一人のチェコ人もやってきたので、事情を説明したら、怒りのと言うよりは、驚きの声を上げていた。日本のテレビがこんな大嘘を恥知らずにも放送することが意外だったようだ。
 ビデオのリンクを張ろうかとも思ったのだが、こんなもの見られてチェコはこんな国だと思われたら迷惑極まりないので、やめた。ちょっと説明しておくと、「世界の朝ごはん」とかいうコーナーで、チェコのプラハに住む若い夫婦が登場したのである。珍しくチェコが取り上げられたのはいいとしよう。ひどかったのはその中身である。

 朝ごはんと言いつつ、作っているのが肉料理、日本語での説明は意味不明だったけれども、出来上がった料理を見たら、「ベプショ・クネドロ・ゼロ」だった。これが典型的なチェコ料理だと言うなら何の文句もない。ただ、朝ごはんにこんなの食うチェコ人なんているか。いたとしても普通のチェコ人じゃねえぞ。
 まだチェコの典型的な朝ごはんの一つとして、500mlの瓶入りピルスナー・ウルクエルを持ち出されたほうがはるかにましである。昔は朝起きてピルスナー一本飲んで仕事に行くなんて人、掃いて捨てるほどいたらしいし。さすがに最近は仕事している人は無理だけど、年金生活者ならそういう生活をしている人を知っている。

 さらに、レバーを使ったクネドリチキのスープが付いた。ほとんどすべての家庭が共稼ぎであるチェコで朝食に普段からスープを作るなんてありえない。スープを朝食に食べるとしたら、仕事に行く途中のビュフェットで食べるか、前の日の残りを食べるときぐらいである。インスタントのスープならまだ可能性はあるか。
 そして、極めつけは、朝食にデザートと称してオボツネー・クネドリーキを作っていたこと。オボツネー・クネドリーキは、家庭で作る場合には、デザートとしてではなく、食事として食べるものである。この組み合わせのありえなさに比べたら、オボツネーを「ホボツネ」と表記し口にしていたのは、かわいい嘘である。

 忙しいチェコの家庭で、ベプショ・クネドロ・ゼロやオボツネー・クネドリーキを作るとしたら、週末の昼食である。夫婦とも退職して年金生活に入っていれば、平日から昼食に作るかもしれないけど。念のために指摘しておくと、チェコでは、三食とも自宅で食べる場合に、一番豪勢になるのは昼食である。夕食は昼食の残り物を食べたり、パスタなどの軽いもので済ませたりすることが多い。
 勘違いする人がいるかもしれないので強調しておくが、この番組で報じられたのは、間違いではない。制作側の意図的な大嘘である。普通のチェコ人に普段の朝食について取材したら、大抵は、いろいろなパンにバターなんかを塗ったものとチーズやハム、それにコーヒーか紅茶という答えが返ってくるはずである。手間をかける人の場合でもせいぜいスクランブルエッグや卵焼きなどの手軽な卵料理である。それではつまらないということで、制作会社がテレビ局の黙認のもとに、典型的なチェコの料理を、それも家庭では滅多に作らないものを作らせて、それを朝食に食べるという演出を要請したという事情が見えてくる。

 もし、仮に朝食にベプショ・クネドロ・ゼロとオボツネークネドリーキにレバーの団子の入ったスープなんて組み合わせを、わざわざ作って食べさせる妻がいるとしたら、それは遺産か保険金狙いで夫を早死にさせたい場合じゃないのかと言いたくなるぐらい、ありえない「典型的な」チェコの朝食だった。その作らせた料理がチェコの料理なのは確かで、信じてしまう人がいかねないというのも、明らかな嘘よりもたちが悪い。
 おまけに夫婦だという二人のチェコ語での会話が、単に素人がテレビに出て緊張しているという以上にぎこちなく、吹き替えっぽくも響く、こいつら本当に夫婦なのかとさえ怪しめるレベルのものだったし、どこから見ても完全に取材ではなくやらせだった。同僚なんて登場した夫婦のキスのしかたもありえんと憤慨していた。こんなのをニュースではないとはいえ、情報番組で報道して平然としているテレビ局も、そんな番組に出てあたかもそれが本当の情報であるかのように驚いたふりをしている出演者連中もひどすぎる。

 恐らく、日本のマスコミの連中は、このぐらいの小さな嘘は許容されるとか何とか言って、他社の番組であっても弁護するのだろう。しかし、チェコを知る者にとっては断じて「小さな」嘘ではないし、奴らの言う小さな「嘘」、小さな「演出」が許容されてきた結果が、今の日本のマスコミの功よりも罪の大きな現状である。日本のマスコミが「マスゴミ」と批判されるのもむべなるかなとしか言いようがない。
 こんなのを見せられると、何かあるたびに、「言論の自由」とか「報道の自由」とかわめくマスゴミ関係者には、盗人猛々しいという感想しか持てなくなる。不祥事が起こるたびに、謝罪と反省しかしない、いや反省したふりしかしない日本社会の典型がマスゴミなのだとしたら、報道の自由なんてないほうがマシである。

 ちなみに、この大嘘チェコの朝食は、「知っとこ!」という番組で放送されたものらしい。すでに終了した番組らしいが、こんな嘘垂れ流し番組が、情報番組として10年以上も続いたところが日本のテレビの病の深さを反映している。日本のマスゴミが嘘垂れ流し機関だったのは戦前から変わらないということか。三つ子の魂百まで忘れずってのはちょっと違うか。
2020年2月26日20時。









posted by olomoučan at 07:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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