2019年07月17日
サッカー一部リーグ開幕(七月十五日)
ついこの前、最後の入れ替え戦が終わったばかりという印象のあるサッカーの一部リーグが金曜日にヤブロネツとボヘミアンズの試合で始まった。今年は何リガと呼ばれるのだろう。以前はずっとガンブリヌス・リガだったのだが、ガンブリヌスが手を引いてからは毎年のように、リーグ名となるスポンサーが変っていて、覚えられないというか、覚える気になれない。賭けの会社のフォルトゥナだったかな。
今年も変更のアナウンスはないので、去年と同じように30節のリーグ戦の後、成績順に三つのグループに分かれて追加の試合を行うという形になるのだろう。審判があからさまに試合の結果に影響を与えて評判の最悪だった一部と二部の入れ替え戦も継続されるのかな。昨シーズンは、ビデオ審判を部分的に導入したものの、それが逆に疑惑の判定をいくつも生み出すなど、審判の質が大きく下がったから、ビデオは廃止かと思ったら、拡大して各節8試合のうち半分の4試合でビデオ判定が使用されることになっている。
以前、汚職で逮捕されて辞任したペルタ氏が会長だったころに、招聘して審判部の部長かなんかに据えたポーランド人の元審判を解任して、代役が、日本のチェコファンに(ア)ホバネツとまで呼ばれた元代表監督だからなあ。関係者からあいつはルールを知らんとか、審判のことが全くわかってないという批判が漏れてくるぐらいだから、お飾りに過ぎないのは、明らかなんだけど、黒幕と仲がいいらしいからなあ。
この人が代表監督として失態を繰り返してくれたおかげで、我らがブリュックネル爺さまが代表監督に就任できたという面もあるから、爺さま信者としては何とも言い難いところはある。サッカー選手から出てきた人が、別の業界から入ってきたサッカーをビジネスとしてしかとらえない人たちが牛耳るサッカー協会で、お飾りのように重役に据えられているというのは、悲しいチェコサッカー界の現実である。批判も多かったけどペルタ氏のころはまだましだった。
さて、今年の一部リーグで、去年と違うのは、プラハのドゥクラが二部に落ちて、南ボヘミアのチェスケー・ブデヨビツェが久しぶりに昇格してきたこと。プラハのチームが16チーム中4つというのは多すぎだから、ドゥクラが落ちたのには不満はない。できればモラビアの、少なくともボヘミアとの境界にあるイフラバが上がってきてくれればよかったのだけど、昨シーズンは後半に失速して首位の座を明け渡していたのだった。
金曜日のヤブロネツとボヘミアンズの試合は、チェコテレビが放送してくれたので見ることができた。解説の予定だったゼレンカが何かの事情で到着せず、代わりにスタジオ要員だったブラベツが解説も勤めるという変則的な中継だったけど、なかなか面白い試合ではあった。主力が大量に流出したヤブロネツが、その穴埋めとしてレンタルで移籍してきた選手たちの活躍で、2-0で完勝。ラダ監督は、代表ではいいところなかったけど、クラブの監督としては優秀なのである。ボヘミアンズのハシェク監督は評価の方が高すぎかな。
土曜日の試合は三試合。オストラバとリベレツの試合は、リベレツが逆転で2-1で勝った。入れ替え戦で残留を決めたプシーブラムと最近低調なシーズンの続くテプリツェは、プシーブラムが何とか追いついて1-1で引き分け。この二つは正直どうでもよくて、注目は優勝候補のプルゼニュと、われらがオロモウツの試合。
オロモウツは前半30分過ぎにPKで先制したのだけど、前半のうちに同点に追いつかれ、後半に入るとユニスが二枚目のイエローをもらって70分過ぎに退場。ユニスは肘うちでオロモウツから移籍したばかりのカラバフの鼻を折ったらしい。その直後に逆転されて、終了間際にダメ押しの3点目を決められて負けてしまった。3点ともアシストは、スパルタ育ちのチェルマークだった。
とりあえず監督が交代したばかりで、怪我人が多い中よく頑張ったと言っておこう。去年は最初はいい試合をしながら負けがかさんで、段々内容も劣化していったんだったかなあ。同じことの繰り返しにならないといいのだけど。ところで、今シーズンから新たにベンチの監督やコーチにもカードが出されることになったのだが、オロモウツの新監督のラータルがその第一号としてイエローカードをもらってしまった。
日曜日も三試合。ボレスラフとカルビナーの試合は、終盤のPKを昨シーズン得点王のコムリチェンコが決めて、1-0でボレスラフが勝利。昇格したブデヨビツェとオパバの対戦は、オパバが1-0で勝った。ブデヨビツェは元代表のシボクが戻ってくるとかこないとか言っているけど、クラドルプスキーとか昔どこかで聞いたことのある選手が多いような印象である。
日曜日の最後の試合が、レトナーで行なわれたスパルタ対スロバーツコ。オロモウツから監督のイーレクを掻っ攫っていったスパルタは、前半に中盤でボールを失うミスから2失点して、そのまま0-2で負けてしまった。チャンスは作っていたみたいだけど、ゴールが遠かった。シーズン前の親善試合でもろくに点が取れなかったらしいから、イーレク監督も前途多難である。
そして、月曜日の今日、第一節の最後の試合としてズリーンとスラビアの試合が行なわれ、順当にスラビアが1-0で勝った。プラハ嫌いとしてはスラビアにもこけてほしかったのだけど……。ただ、スラビアは昨シーズンのディフェンスの中心だった二人のアフリカ人選手のうち、デリが移籍決定で、ヌガデウが移籍を強行しそうなので、付け入る隙は出てきそうである。
創立百周年を迎えたシグマオロモウツが優勝なんてことはないだろうけど、下位に低迷して降格と入れ替え戦を心配しなくてもいいことを願っておく。
2019年7月16日22時30分。
これが由来だったのか。
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