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2019年06月29日

文化大臣その後(六月廿七日)



 ANOと社会民主党の閣僚からなるバビシュ内閣は、水曜日の内閣不信任案が否決されることで継続することが決まった。この内閣、成立してから一年しかたたないというのに、すでに7人もの大臣が交替しているという問題の多い内閣である。交代のうちのいくつかは就任直後に、大学の卒業論文での剽窃が問題になって辞任を余儀なくされたとか、ゼマン大統領が社会民主党がノミネートした外務大臣の任免を拒否したために暫定で務めていたハマーチェク氏が交替したものなので、大臣としての仕事に問題があって解任された人はそれほど多くはないのだけど。
 仕事に問題があって辞任を余儀なくされた現時点で最後の大臣が、文化大臣のスタニェク氏である。その辞任をゼマン大統領が拒否したという話はすでに書いた。その後、首相のバビシュ氏は、社会民主党の要求に応えて、大統領に解任を求めたらしい。ここまでは、6月の初めにニュースで確認していたのだが、その後いつまでたっても文化大臣が交替したとか、交代するとかいう話が聞こえてこない。

 スタニェク氏自身は、自らが設定した五月末日を越えて大臣であり続けていることについて、自分は党首のハマーチェク氏の決定を尊重して辞表を提出したのであって、その辞任が認められていないことに関しては自分ではどうしようもないというようは発言をしている。辞表を提出した後にゼマン大統領と会談を持っているはずなのだが、その具体的な内容に関しては、言葉を濁してはっきりしたことを言おうとしない。
 この状況で、しかも不信任案が否決された翌日に、社会民主党は、文化大臣の交代を政権にとどまる条件としてバビシュ氏に突き付けたらしい。スタニェク氏の解任とシュマルダの就任が早急に実現しなかったら、自党の閣僚を引き上げて内閣を倒すというのである。全く理解できないのは、大統領がずるずると決定を引き延ばしているのを、総理大臣の責任にしていることで、総理大臣に大統領と交渉して実現させろとでもいうのだろうか。それとも、バビシュ内閣の存続を強く支持しているゼマン大統領に圧力をかけているつもりなのだろうか。

 いずれにしても、こういうのは不信任案の議決の前に交渉したほうが効果的だっただろうし、いや実際議決の前にも条件として出していたような気がする。否決の後にそれを改めて持ち出してくるあたり、社会民主党の混乱ぶりが表れていると言っていい。しかも自党が就任させた文化大臣をこんな形で公開処刑にしてしまっているわけだから、スタニェク氏やその周囲の人たちが社会民主党を離れるだけでなく、一般の支持者の中にも嫌悪を感じる人たちもいそうだ。
 仮に、本気でスタニェク氏の解任とシュマルダ氏の就任が、社会民主党にとって必要だというのなら、副総理の肩書まで持っている党首のハマーチェク氏が、ゼマン大統領と直接交渉するべきであろうに、自党のことでありながら、しかもゼマン大統領は社会民主党の出身なのに、責任をバビシュ氏に押し付けている感もある。もちろん、バビシュ氏の社会民主党が決めることだから、俺には関係ない的な態度も、総理大臣としては無責任極まりないのだけど。

 では、ゼマン大統領がどういう根拠で、スタニェク氏の解任を引き延ばしているかというと、最初に聞いたときには冗談だろうと思ったのだが、いつまでに解任しなければならないとはどこにも書かれていないというものだった。つまり、首相が大臣の解任を求めた場合、大統領は解任の手続きをしなければならないということは決められているが、それをいつまでに、求められてから何日以内に実行しなければならないということは決められていないから、自分は法律や憲法に違反するようなことはしていないというのである。さすがゼマン大統領と言うかなんと言うか。
 ゼマン大統領は、大規模な反政府デモが行われていても、内閣不信任案が国会に提出されても、どんな根拠があるのか、各地でバビシュ内閣は次に下院の総選挙が行われる2021年までの任期を全うすると断言している。バビシュ政権は今後もあれこれ問題を起こして不信任案を突きつけられる可能性が高く、同時に与党の一角を占める社会民主党が政権を離脱する可能性も低くはないのにもかかわらず、何故断言できるのだろうと考えて、ちょっと嫌な想像をしてしまった。

 総理大臣が大臣の辞表を受理しなくてもよく、解任を求められてもいつ解任するかは大統領次第だというのなら、内閣不信任案が可決されて内閣総辞職ということになった場合も直ぐに辞任を認める必要はないし、社会民主党の大臣たちが辞表を提出しても拒否することができると考えているのではなかろうか。それなら確実にバビシュ政権は任期を全うできる。
 ゼマン大統領の一期目の任期中にネチャス内閣が辞任したときに、慣例に反して、むりやり暫定内閣を成立させたのにも、滅茶苦茶やるなあという感想を抱いたものだが、二期目に入ってからの滅茶苦茶振りはさらに上をいく。アンチ・ゼマンではないのだけど、さすがにそれはまずいだろうといいたくなる言動が増えている。

 とりあえずは、ゼマン大統領が文化大臣を解任して、バビシュ内閣が継続することを祈っておこう。一番の望みは解散総選挙なんだけど、今の大統領の言動から考えると実現しそうにないしさ。
2019年6月28日24時。











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