2019年06月23日
コメントの記事にコメントが(六月廿一日)
こういうややこしい言い回しが好きなので、わかりにくい題名にしてしまう。まあ、他に題名のつけようがないと言うのもあるのだけど。
それはともかく、この前書いたコメントがきたという記事に、オロモウツの知り合いからコメントがきた。チェコの宗教について質問してくれて、そのおかげで一回分のねたがひねり出せたので、お礼代わりにこのブログの存在を、というよりは宗教について書いた記事の存在を教えたのだった。その知り合いがいう「私たちのブログ」と言うのはあれだろうか、もう一人の知り合いが筋トレについて書いているといっていた奴だろうか。ちょっと探してみよう。
そのオロモウツ在住の人たちのブログにも同じようなコメントが来たというのだけど、プラハならともかくオロモウツの情報にそこまで需要があるとも思えないし、オロモウツで検索してこのブログにたどり着くのは大変だと思うんだけどなあ。ちなみにこのブログに確実に到達できるのは、「森雅裕」で検索した場合である。このすでにほぼ忘れられた作家についてある程度継続的に書き続けている人なんて、他にはいないだろうし。
オロモウツで検索すると、オロモウツ市の公式観光案内HPや、政府系のチェックトゥーリズムなんかの案内記事に交じって、旅行者に情報を提供するという体裁のサイトの記事が結構出てくる。開いて読んでみると、どれもこれもとまでは言わないが、同じような内容の記事が多く、内容もオロモウツの人間としては、物足りないというか消化不良といいたくなるものが多い。
噴水群を取り上げるのに、アリオンの噴水の写真が多いのは何故なのだろう。ほかは石造りなのにこれだけブロンズ製だとか、この噴水だけが今世紀に入ってから作られたものだとか、本来は17世紀に計画されていて、19世紀にも再度計画が立ったけどどちらも実現しなかったとかいう情報が着いていれば納得するのだけど、これがオロモウツの噴水の代表であるかのように扱われるのには違和感を拭えない。
同じ噴水でもシーザー、もしくはカエサルの噴水について取り上げている記事もあって、オロモウツの伝説上の建設者がシーザーなんだってことも書かれている。そこまで書いたら、近くの聖ミハル教会のある丘のうえで、ローマ時代の遺跡が発掘されたとか、トラムの2番と7番の終点であるネジェジーンの停留所が、近くで発掘されたローマ軍団の基地の遺跡についてのパネル展示になっているとかまで書いてほしかった。シーザーが建設したというのは眉唾物であっても、ローマ軍がこのあたりまで進出して、ゲルマン人と対峙していたのは、恐らく事実なのだから。
そして、市庁舎の中に入っているレストランの名前が、シーザー(チェコ語なので実際にはツェーザル)なのも、隣のギャラリーの名前が同じくシーザーなのも、シーザーの伝説に、もしくはシーザーの噴水にちなんでいるのである。
オロモウツの特産品としてトバルーシュキについて触れているのはいいのだけど、とりあげられているのはお菓子屋さんのトバルーシュコバー・ツクラールナだけと言うことが多い。ホルニー広場にも工場直営の販売店が出ているはずなんだけどね。それに、このチーズオロモウツのという枕がつくが、オロモウツでは生産されておらず、実際に生産する工場があるのはオロモウツから北にあるロシュティツェという小さな村である。それでも「オロモウツのトバルーシュキ」という名称はEUの定める生産地に基づく商標として認められていて、他の場所で作った同じようなチーズには「オロモウツのトバルーシュキ」という製品名は使えないのである。
トバルーシュキといえば、先月だったか先々月だったかのある週末に、オロモウツの旧市街を舞台にトバルーシュキフェスティバルなんていうイベントをやっていた。チェコの人たちはフェスティバルが大好きだから結構な人手があったことだろう。
と、まあ旅行者向けの情報サイトの記事に対する不満を述べてみたのだが、ここに書いたようなことが旅行者向けになるかといわれると、そんなことはないよなあ。薀蓄たれは自分が読むときでもあれこれ薀蓄に満ちたものを読みたがり、話したり書いたりする時には、延々と薀蓄を垂れ流して嫌がられるのものである。
2019年6月22日24時。
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