アフィリエイト広告を利用しています
<< 2024年02月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

posted by fanblog

2019年03月19日

スロバキア大統領選挙第一回投票1(三月十七日)



 土曜日にスロバキアで大統領選挙の第一回投票が行われた。スロバキアの大統領はチェコと同様、任期五年で二期まで務めることができる。現職のキスカ氏は一期目なので再選を目指すことはできたのだが、かなり早い時期から再度の出馬はしないことを表明していたため、本命と呼べる候補者が存在しなかったのである。それに、前回の選挙でキスカ氏に決選投票で敗れたフィツォ氏も、昨年の記者殺害事件への対応に失敗して首相を辞任し、大統領選挙への出馬の可能性も消滅していた。

 スロバキアでは、チェコ以上に90年代のビロード革命直後に成立、もしくは再建された既存の政党、既存の政治家への反感は強く、社会も二分されている。これを右と左への二分と理解してはいけない。それは、かたくなに既存の政党、政治家を支持する右であれ、左であれ保守的な層と、新しい政治以外のところから政治に進出してきた政治家に期待する層であり、前回の大統領選挙ではキスカ氏が既存の政治に絶望した層の大半の支持を取り付けることに成功して当選したのである。
 そうなると、関心はそれぞれのグループの中からどんな候補者が出てくるかである。既存の政治家の中から出てきたのは、フィツォ氏率いるスメル党(実態は社会民主党)のEU議会議員を務めるマロシュ・シェフチョビチ氏と、かつてメチアル党のノミネートでフィツォ政権で法務大臣を務めたことのある元最高裁判所長官のシュテファン・ハラビン氏の二人。ハラビン氏は政党の推薦を受けない無所属の候補として立候補したようだが、古い政治家に属するのは間違いない。

 既存の政治を否定する層から極右に走ったコトレバ氏が出馬するのはある程度予想されていた。反対側の、いわゆるリベラルの側から誰が出てくるのかで、今回の大統領選挙の結果が左右されると言ってもいい状況だった。前回は実業家で慈善活動に力を入れていたキスカ氏が登場して、典型的な既存の政治家であるフィツォ氏を破ったのだが、今回はどうなるのか。

 既存の政治に絶望した層のうち、極右のコトレバ氏にも賛同できないグループの支持を最終的に集約することに成功したのは、女性候補者の弁護士ズザナ・チャプトバー氏だった。状況をしっかりと追いかけてきたわけではないので、はっきりしたことは言えないのだが、このチャプトバー氏は当初、色物というか泡沫候補扱いで、他の候補者と支持者の奪い合いにならないように、立候補を辞退するように求められたりもしたらしい。
 最終的には世論調査の支持率で逆転することに成功し、当初はこのグループの本命候補とみられていたロベルト・ミストリーク氏が立候補を辞退することになり、チャプトバー氏支持を表明したのだが、その前にも、ミストリーク氏と支持層のかぶる候補者が、共倒れを恐れて立候補を辞退したらしいから、このグループの候補者が一本化されるまでにもあれこれドタバタがあったのである。個人的にはこの手の談合というか野合というかには、嫌悪しか感じないのだが、チャプトバー氏とミストリーク氏が両方出馬して勝った方にリベラル層の支持が集まるという形の方が最終的な勝利に近づけたのではないかとも思う。

 チャプトバー氏は選挙前の最後の世論調査では、支持率が50パーセントを超えて大本命に躍り出たのだが、チェコの大統領選挙とは違って一回目の投票で過半数を獲得したからといって、当選が確定するわけではない。一回目の選挙で当選を確定させるのに必要なのは、投票数の過半数ではなく、有権者の過半数なので、投票率が60パーセント弱と予想されていた今回の大統領選挙では、ほぼ不可能な数字なのだった。
 二回目の決選投票には一回目の上位二人が進出し、得票数が多い方が当選する。この決選投票で有権者の過半数という縛りがないのは、何回投票を行なっても当選者が出ないという事態を避けるためだろう。ちなみ前回はフィツォ氏が一位、キスカ氏が二位で決選投票に進出し、決選投票では一回目の投票の結果が逆転してキスカ氏が当選した。だから、今回も一回目の選挙で一位になったチャプトバー氏が決選投票でも勝てるとは限らないのである。

 土曜日に行なわれた第一回投票の結果は、一位のチャプトバー氏が40パーセント強、二位のシェフチョビチ氏が19パーセント弱。この差は一見大きいが、事前の世論調査と比べると10パーセント以上縮まっている。三位に入ったのはハラビン氏で14パーセントちょっと。コトレバ氏が四位に入ったのは、事前の世論調査と同じだが、得票率が10パーセントを超えたのは予想以上である。ただチャプトバー氏と合わせて50パーセントというのが、スロバキア社会の見事なまでの二分されっぷりを如実に表している。
 ということで以下次号。
2019年3月18日23時45分。






スロヴァキア熱―言葉と歌と土地















この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8649974

この記事へのトラックバック
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。