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posted by fanblog

2016年04月20日

新しいOSなんていらない(四月十七日)



 最近、自宅でも職場でも、コンピュータの電源をを入れると、ウィンドウズ10へのアップデートを促す表示が現れて、いい加減にしろと言いたくなることが多い。最近は、勝手にこの日のこの時間にアップデートを予定するなんて表示も出て、ちゃんと処理しないと勝手にアップデートされそうで、たまったもんじゃない。ウィンドウズなんてやめてしまおうかと思っても、他に使えそうなOSがない。今更、マイクロソフトのあこぎな商売のモデルになったアップルに手を出す気にはなれないし、リナックスは敷居が高いし、日本のトロンは、チェコのコンピューターで使えるかどうかわからないし。

 初めて、コンピューターに触ったのは、今から三十年ほど前、友人が持っていた、おそらく日本の独自規格だったMSXのパソコンで推理ゲームなるものをやったときにさかのぼる。記憶媒体がカセットテープで、読み込みに失敗することも多く、ゲーム自体も、こんなに苦労してまでするかいのあるものではなかった。友人はベーシックがどうこうとか言っていたけれども、興味は持てなかった。
 その後、大学に入ってから高校時代の先輩が使っていた98シリーズに触らせてもらったが、ワープロソフトで文章を書くためにはフロッピーディスク(5インチ)を抜き差しする必要があって、反応も欠伸が出るほどに遅く、これなら手で書いたほうが早いし正確だと思ったのだった。父親が購入したので使ったことがあった同じくNECのワープロ文豪のほうがはるかに使えたので、その後、文章をを書くための機械が必要になったときに、本体を買っただけでは使えず、それ以外にもモニター、プリンター、それにソフトも購入しなければいけないコンピューターではなく、ワープロ専用機を購入することにした、選んだのは現在では凋落してしまったシャープの書院だった。
 文章を書くという目的において、現在までこの書院以上のものは使ったことがない。日本人の中に推奨する人の多かった一太郎にも、もちろん今この文章を書いているワードにも、満足したことがないのは、ノスタルジーも加わった書院の印象が強いからに他ならない。

 さて、本当の意味でコンピューターを使うようになったのは、ウィンドウズ95がブームを巻き起こしたころのことだ。書院は既に手放していたあのころ、機械が必要になったとき、知り合いが95へのアップデート前提で、ウィンドウズ3.1のパソコンを購入したのにあおられて、自分でも3.1のパソコンを購入したのだった。高々、ワードで文章を書いて印刷するためだけに、プリンターまで合わせて、30万円ほど。当時は、新しいものを買った喜びで不満もなかったけど、今考えたら高い買い物だったよなあ。
 そのコンピューターはすぐにウィンドウズ95にアップデートしたが、3.1を使い慣れるほど使っていたわけでもないので、特に不満は感じなかった。その後、新しいコンピューターを買うたびに、新しいバージョンのウィンドウズを使うことになり、2000、98、vista、 7と使い次いできた。そのたびにコンピューターを、あれこれ設定し直す必要はあったけれども、基本的な使い方は変わらなかったので、OSに関しては許容範囲と言えた。

 いい加減にしてほしいのは、ワードの余計な機能が最初からオンになっていることだ。改行を入れると勝手に一時下げになって段落を作るとか、行頭に数字を入れて行末で改行すると、勝手に連番になってしまうとか、勝手に人の日本語を判断して間違っているとクレームをつけてくるとか、そんな編集補助機能は、どうしても必要な人が追加で設定するものであって、最初から使えるようになっていて便利でしょう、すごいでしょうという感じで威張られても、ちっともありがたくない。文章を書くのにはリズムがあって、改行を入れた後に、一時下げのスペースを入れるのも、ちょっと前の部分を読み返して間違いに気づくのも、そこに含まれるのだ。
 だから、新しいコンピューターを手に入れて最初にするのは、毎回ワードの余計な設定を解除することなのである。しかも何年に一回かしか操作しないことので、やり方を忘れていたり、バージョン違いで操作が微妙に変わっていたりで、無駄な時間を費やしてしまうことになる。それに、チェコで買ったコンピューターを使い始めたときには、日本語版のウィンドウズ2000で作ったワードのファイルを、チェコ語版のウィンドウズ98上で開くと書式が微妙に変わってしまうのにも悩まされた。特に読み仮名や表などがずれてしまって、修正に多大な時間を取られた。

 とにかく便利は便利な機械であるけれども、機械に振り回されている気がしてならなかった。その機械ごときが何様のつもりだという怒りが爆発したのが、職場のコンピューターが新しくなりウィンドウズ8に初めて触れたときだ。これまでのウィンドウズとは操作性がまったく違っているのだから、ウィンドウズを名乗るなとまで思ってしまった。
 結局、そのままでは使う気になれなかったので、フリーウェアでウィンドウズ7風にカスタマイズしてくれるものを見つけ出して、インストールすることで何とか仕事に使えるようになった。快適に仕事ができるように新しいコンピューターにしてくれたのだろうが、そのコンピューターを使うために大きなストレスを感じるのでは、本末転倒である。一度は古いコンピューターを再度引っ張り出そうかとさえ思ったのだ。
 やはり、OSは軽くて余計な機能は付いていなくて基本的な部分では変わらないほうがいい。OSになくてもいい機能はアプリケーションを使うか、必要だと感じる人が追加するようなシステムにしてくれればいいのだ。電源を入れてから使えるようになるまでの長さが、ソニーのリーダーに200冊以上の本が入っているときと大差ないと言うのは、遅すぎる。

 そして、執拗に繰り返されるウィンドウズ10へのアップグレードの要求は、押し売りと言う言葉を思い出させる。金は取らないのだから押し売りではないと言うのなら、嫌がらせである。訴訟大好き社会のアメリカで、誰か仕事の効率が下がったとか言って裁判起こしてくれないかな。一応ネットで調べて、アップグレードの表示が出ないようにする対策をしてみたが、効果のほどはわからない。これで効果がなかったら、ウィンドウズなんてやめてやると思っても、上にも書いた通りほかに選択肢がない。仕方なく、本当に仕方なく使っているのだから、マイクロソフトには、もう少し謙虚になってもらえないものかね。
4月18日23時。







posted by olomoučan at 06:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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