アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2018年01月19日

望月衣塑子記者はなぜ嫌われるのか

下をクリックしていただけると励みになります。
にほんブログ村 就職バイトブログへ
にほんブログ村

就職・アルバイトランキング

 
 本日は、社会、政治、経済各部の記者の違いについて書きます。
 最近有名になった記者で、東京新聞の望月衣塑子さんという人がいます。
 菅義偉官房長官に対して粘り強く質問を繰り出すことで知られています。評価する人もいますが、下のURLの記事のように質問の仕方に難点があるともいわれています。講演をしたり本を出したりもしている「スター記者」ですし、有名になれば批判を受けるのも当然でしょう。http://www.sankei.com/politics/news/180116/plt1801160032-n1.html

新聞記者【電子書籍】[ 望月 衣塑子 ]

価格:864円
(2018/1/19 00:25時点)
感想(0件)



 私は望月さんと面識があるわけでもないし、世代が違うので記者会見で居合わせたはずもないのですが、彼女に関する記事を読んでいると首相官邸の記者会見の雰囲気を想像できます。
 望月さんのような「典型的な社会部記者」が、政治部主導の記者会見に出ると、多かれ少なかれあつれきが出てきます。多くの政治部記者と比べて、質問の内容、言葉遣い、態度などが異なるので、社会部の記者は浮き上がってしまうのです。動物の群れの中に違う種が一匹だけいるようなものです。

 では、「典型的な社会部記者」とはどういうタイプでしょうか。
 社会部の記者が求めるのは、ある出来事に関する情報を得ることです。他の部の記者も最終的には事実を追及するのですが、その目的を達成するために政治部や経済部の記者は人間関係を優先する場合があります。
 社会部の記者は、極端に言えば、取材対象との人間関係が破綻しても事実を入手することを選ぶ傾向が強いと思います(「極端」なので、もちろん人間関係を重視する記者もいます)。例えば、凶悪犯罪が起きると、その背景を知るために容疑者の家族に取材することが必要となります。しかし、記者が殺到すれば、その家族は精神的に参ってしまい、自殺してしまうかもしれません。どんなに優秀な記者でも葛藤がありますが、それでもへこたれずに取材しないと、犯罪が起きた原因を突き止めることができないかもしれません。極論すれば、相手の感情を気遣っていると取材にならない場面が多いのです。
 また、事件を捜査する警察官や検察官は口が堅いので、同じことを何度も言葉遣いを変えて聞いたりしてしつこく質問しないと何一つ事実関係を話してくれないということもあります。だから、法律や制度についてしっかり勉強して、どこに犯罪性があるのか、事前に詳しく調べておかないといけません。相手に「そこまで知っているのか」と思わせないと、しゃべってくれないわけです。
 さらに、社会部記者はメディアとの対応に慣れていない一般の人に取材する機会も多いのですが、これは全く逆の意味で何度も同じような質問をしないといけません。普通、人は記憶違いをしたり、自分にとって都合の良い解釈を話すものです。だから、取材慣れしていない人に対しては、何度も念を押して確認しないと記事にできないのです。また、捜査対象として浮かび上がっているような人物に接触できた場合でも、相手は最初から最後まで嘘ばかり話すこともあります。
 望月さんのように取材対象に嫌われても、事実を追い求めて質問の表現を変えて同じことを何度も聞き、時には相手を怒らせて本音を引き出そうとする手法は珍しくありません。

 これに対し、政治部記者が求めるのは、政治家がどのような政治的決断をするかです。衆院解散と首相の辞任、消費税率引き上げ、政府高官人事などです。どんなに質問がうまくても、初めて会った記者に「※日に解散するよ」とか「明日、首相は辞めるよ」と教える政治家はいません。まして、「いつ解散するんですか」「どうして言えないんですか」などと詰め寄られると、相手はかたくなになり「お前にだけは話さない」というふうになってしまいます。つまり、永田町(国会や首相官邸が所在する地名。「日本の政界」を指します)という狭い社会の不文律を熟知して行動していないと、「一人前の政治部記者」とは認められません。だから、政治部記者は、昔の政治家に関する本をよく読んでいますし、政界の人間関係を熟知するようになります。
 政治部の取材ではオフレコ前提の懇談や酒席も多くあります。そういった場で、細かい質問をして怒らせても相手に嫌われるだけです。政治家に嫌われると、その記者はオフレコの懇談に呼ばれなくなります。政治部の特ダネというのは、政治家と一対一で話しているときに入手した情報が基になります。各社が呼ばれるオフレコ懇談に呼ばれなくなると、情報のルートが遮断されることになります。
 要は政治部の記者は、政治家の心の中の動きを読み取り、相手の反応を探りながら本音を聞き出すことが習性になります。昨年は「忖度」という言葉が流行してしまいましたが、永田町で忖度するのは、記者にとって当然の作法です。記者会見であれば、それなりに厳しい質問もしますが、社会部記者の視点から見れば、政治部記者は政治観の心情をおもんぱかり、時にはこびへつらっているようにさえ見えるかもしれません。
 でも、そうしないと政治家から情報が取れないわけです。権力者に近付くためにこびるような態度を取りつつ、書くべき時には書かないといけません。このバランス感覚が政治部記者にとって最も難しいところです。

 望月記者は社会部出身で、官房長官の記者会見には政治部の記者がたくさんいます。官房長官番の記者は、菅義偉さんの朝の出勤時、午前と午後の記者会見、懇談などで一日に何度も顔を合わせています。「官房長官にこんな細かいことを聞くのはやめておこう」「これは役所の課長に聞くべきことだ」「後でオフレコの席で本音を探っておけば良い」という判断が働きます。
 これに対して、社会部出身の望月さんは菅長官が重要な事柄を隠してごまかしているのではないかという前提に立ち、細部を詰めていくわけです。望月さんにとってはオフレコで取材する機会はないのだから当然でしょう。また、市民団体や野党の支持勢力をよく取材している社会部の記者であれば、政府に批判的な立場から分析した情報が頭に入っているので、政府高官に対して詰問調の言い方になってしまう傾向も否めません。周りの政治部記者は「それは失礼だろう」「そろそろ終わりにしようよ」「そんなこと、官房長官に聞く事柄ではないだろう」となるわけです。

 一方、経済部の記者が求めているのは政策判断です。政治部の記者と似ているのですが、少し違います。
 経済部の記者が担当する官庁の代表は財務省、日銀です。いずれも東大出身者が多く、秀才ぞろいの官僚が集まる役所です。そういう人々に取材するわけですから、話題についていけるように日々勉強しないといけません。政治部や社会部の記者も勉強しないといけませんが、次元が違いますね。
 経済部でも、役所内の人間関係に気を遣わないといけないのですが、やはり専門用語の微妙な使い方、あいまいな言い回しの文章表現の中から、その役所の本音を探ることが求められます。
 こういうわけで、経済部の記者が政治家の記者会見に来ると、社会部の記者とは違った意味で浮き上がってしまいます。政治部記者が知らない用語などの詳細な事実関係にこだわるからです。「政治部の記者は不勉強だ」と言って経済通を自認する政治家は、経済部の記者を歓迎することもあります。
 逆に、政治部の記者が経済部主導の記者会見に行くと、何も質問できなかったり、政策に無関係な質問になってしまいます。ところが、面白いことに、官僚は政治部の記者と会うことを嫌いません。まず何よりも政治部の記者は政治家の身の回りの情報を持っています。どんなに素晴らしい政策を考えていても、内閣が倒れれば法案審議が後回しにされ、その官僚が担当している仕事が日の目を見ることがないかもしれません。今後、影響力を持ちそうな政治家に取り入って、自分の出世に役立てたいと考える官僚もいるでしょう。しかも、政治部の記者は細かい政策の中身について聞いてこないし、理解できない(=自分がしゃべった内容を新聞に書かれる心配がない)から、経済官庁の官僚にとっては酒を飲むには気楽な相手です。
 逆に言うと、優秀な経済部の記者というのは、政治部記者が備えている要素を持っているということになります。日々深く勉強しながら、永田町の人間関係にも通じるというのはなかなか難しいですね。

 こう考えると、各部の記者の特性がそれぞれあって、どの部の記者が優れているとは一概に言えそうにありません。それぞれの持ち場に応じて、行動や思考のパターンが違うということでしょう。もちろん優秀な記者の中には、どんな相手にもひるまず質問をして、オフレコの席では人間的な魅力で場を盛り上げ、空いた時間に政策の勉強をしている人もいるかもしれません。
 しかし、そんなことをできる人はほぼ皆無です。サッカーもラグビーもバスケットボールも一流だというスポーツ選手はどのぐらいいるでしょうか。社会部系のフリーライターから「大手メディアの政治部記者は本当にだらしなくて、不勉強だ」という批判を聞くことがありますが、目指しているものが違うのだから仕方がないと思います。サッカーの試合をしているはずなのに、「どうしてボールを持って走らないんだ」と言っているのと同じような気がします。望月さんに対する評価が分かれているのもそういうことだと思います。

 さて、今日はこのぐらいにします。

 引き続き質問をお待ちしています。
 下のコメント欄にお書きください。


 日中、気になったニュースをリツイートしたり、つぶやいたりしています。
 https://fanblogs.jp/sagamimuneo/

下をクリックしていただけると励みになります。

就職・アルバイトランキング
にほんブログ村 就職バイトブログへ
にほんブログ村
ファン
検索
<< 2018年01月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
文章を読めば人物が分かる by さがみむねお (06/14)
文章を読めば人物が分かる by Morikana0612Morikana傲慢非常識トランプ外交には呆れるばかり (06/13)
「首相動静に登場しない来客」の実態 by さがみむねお (06/04)
「首相動静に登場しない来客」の実態 by カリスト (06/01)
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
さがみさんさんの画像
さがみさん
新聞記者をしておりましたがリタイアし、空いた時間をマスコミ志望の方に役立つ情報発信をしたいと思い、ブログを開設しました。新聞記事には独特の表現を使って、政治の見通しや国際政治の展望を書いていることが多くあります。そのような内容をお伝えしたいと思っています。感想や質問があれば、遠慮なく書き込んでください。
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。