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2018年01月08日
「平凡な家庭に生まれたから」という言い訳
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自分で書いた履歴書を見て、「親がもっとすごい人だったらな」「有力者の子供は、苦労しないんだろうな」と思ったことはありませんか?
私はあります。何度も。
「せめて普通の家庭であれば良かったのに」「お金に困らない家に生まれていればこんなに悩まないのに」「せめて両親が健在であれば楽に暮らせるのに」。
何度も考えたことがあります。
それは言い訳でした。運良く、自分が希望する会社に入って働き始めて、そんなことを考えるのは間違っていたと気付きました。それも、結構時間がたってから。
前にお話しした「首相の子供」を見たときのことです。
そして、他にも有力政治家の子女を何人も見て、はっきりした結論が出ました。
「政治家の子供は苦労している。その中で優秀な人が政治家になり、ダメな人は全く世間から相手にされていない」と。
親が有名なだけに、本人が努力せず「平凡な人物だ」と評価されてしまうと、「平凡な家庭」で育った人よりも悲惨かもしれません。
何しろ、すぐに「親は偉かったのに、息子はどうしようもない」と言われてしまいます。実力で一流大学を卒業していても、「裏口入学しただけで本当は馬鹿だ」と決め付けられます。
マスコミをはじめとして、世間では「世襲政治家」に対する批判が根強く存在します。
「政治家は、伝統芸能の世界ではない」「地盤、看板、カバンの3バンを簡単に親から引き継げる。不公平だ」といった声です。(「地盤」は強力な後援会、「看板」は知名度、「カバン」は豊富な資金です)
でも、世襲政治家の人たちには特有の悩みがあるのです。
周囲の人に常に好奇の目で見られ、世襲批判をされることです。「普通の家庭」で育つとこのような経験はしません。私が初めて「首相の子供」を見たときも、好奇の目そのものでした。
ある政治家の息子さんは国会議員を目指しましたが、自堕落な生活に陥っていました。もちろん国会議員になどなれませんでした。親の財産で生活するには困っていませんでしたが、私にはうらやましいとは思えませんでした。
私が目撃した世襲政治家のことはまた改めて書こうと思いますが、記者生活を通じて世襲政治家には優れた人材が多いなと私は感じました。
このことを改めて確認させてくれたのは、田崎史郎さんの「小泉進次郎と福田達夫」という本です。
小泉進次郎氏は小泉純一郎元首相の次男、福田達夫氏は福田康夫元首相の長男であり福田赳夫元首相の孫です。この二人が対談した内容を、安倍首相や菅義偉官房長官に近い大物記者として知られる田崎さんがまとめたものです。
この本を読むと、進次郎氏も達夫氏も「有名大臣の息子」「元首相の孫」ということで子供の頃、しばしば嫌な思いをしていたことが分かります。
進次郎氏は、できれば目立ちたくないのに「(政治家の子供なのだから)もっとリーダーシップを取ってもらいたい」と先生に求められたそうです。また、「政治家の息子だから、君と仲良くしておけと親に言われた」と言い寄ってきた同級生についても語っています。
達夫氏は、赳夫元首相の支持者に「お前らなんか、どうせろくな死に方しねえぞ」といじめられた経験を明らかにしています。表では、その人物は赳夫元首相にペコペコしていたそうです。
幼い頃にこんな経験をすれば、人間不信に陥るでしょう。でも、二人とも立派な人物に育ちました。対談を通して、両氏の親の偉大さと本人の努力があったことがうかがえます。
この本は自民党の農林部会(自民党内で農業政策を議論する組織)で部会長と部会長代理を務め、上司と部下だった二人が当時について回想しています。1981年生まれの進次郎氏と67年生まれの達夫氏は年齢が14歳も離れ、上下が逆転していました。しかし、当選回数は進次郎氏の方が上。当選回数が重視される政界では年齢差が逆転することは珍しくありませんが、それにしても大きな年齢差です。年長の達夫氏が、人生経験に基づいて進次郎氏にアドバイスをしていたことが語られています。進次郎氏はそれに従い軌道修正していたようです。この本を読むと、進次郎氏が単なる人気者ではないことが理解できますし、達夫氏が極めて厳格な家庭でしつけられたことも分かります。
二人とも自分の親を尊敬しています。そして、二人とも世襲議員としての厳しい宿命をよく理解しています。
この本は、進次郎氏の側から田崎さんに執筆を要請したそうです。自民党の支持者ではない人やテレビ番組に出ている田崎さんを見て不快に感じる人は、「手に取るのも嫌」と言うかもしれません。しかし、就活生にとっては一読する価値がある本だと思います。
ところで、あなたは自分の親御さんのことを尊敬していますか。
尊敬していても、していなくても、どちらでも結構です。一度、親御さんのことを文章にしてみてください。
できる限り論理的に。なぜ尊敬するのか。その根拠は何か。親御さんは何をしてきた人なのか。親子の間で具体的に何があったのか。
おそらく出題されることはないと思いますが、入社試験で「親」という題の作文が課されたと想定して書いてみてはいかがでしょうか。
私は「世襲政治家」の強みの一つは、自分の親、祖父母、さらにその先の先祖に対する思いが人一倍あることだと思っています。
世襲批判をしている暇があるなら、世襲の人たちに負けない努力をしなければいけません。
社会人としてスタートする前に、あなたの親御さんについて自分なりにしっかりと理解を深めておくことも必要だろうと思います。この本は、そういう作業をする上で参考になるだろうと思い、紹介させていただきました。一応、Amazonや楽天のリンクを張っておきますが、書店で立ち読みするだけでも良いので、目次だけでも読んでみてください。
追伸
本日は成人の日でした。期せずして、大人になる式典を行う日に親への感謝を呼び掛ける文章になっておりました。
一つの区切りとして、親に関する作文をしてみてください。
ところで、私が若いときは成人の日は1月15日に固定されていたので、なかなか慣れませんね。
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自分で書いた履歴書を見て、「親がもっとすごい人だったらな」「有力者の子供は、苦労しないんだろうな」と思ったことはありませんか?
私はあります。何度も。
「せめて普通の家庭であれば良かったのに」「お金に困らない家に生まれていればこんなに悩まないのに」「せめて両親が健在であれば楽に暮らせるのに」。
何度も考えたことがあります。
それは言い訳でした。運良く、自分が希望する会社に入って働き始めて、そんなことを考えるのは間違っていたと気付きました。それも、結構時間がたってから。
前にお話しした「首相の子供」を見たときのことです。
そして、他にも有力政治家の子女を何人も見て、はっきりした結論が出ました。
「政治家の子供は苦労している。その中で優秀な人が政治家になり、ダメな人は全く世間から相手にされていない」と。
親が有名なだけに、本人が努力せず「平凡な人物だ」と評価されてしまうと、「平凡な家庭」で育った人よりも悲惨かもしれません。
何しろ、すぐに「親は偉かったのに、息子はどうしようもない」と言われてしまいます。実力で一流大学を卒業していても、「裏口入学しただけで本当は馬鹿だ」と決め付けられます。
マスコミをはじめとして、世間では「世襲政治家」に対する批判が根強く存在します。
「政治家は、伝統芸能の世界ではない」「地盤、看板、カバンの3バンを簡単に親から引き継げる。不公平だ」といった声です。(「地盤」は強力な後援会、「看板」は知名度、「カバン」は豊富な資金です)
でも、世襲政治家の人たちには特有の悩みがあるのです。
周囲の人に常に好奇の目で見られ、世襲批判をされることです。「普通の家庭」で育つとこのような経験はしません。私が初めて「首相の子供」を見たときも、好奇の目そのものでした。
ある政治家の息子さんは国会議員を目指しましたが、自堕落な生活に陥っていました。もちろん国会議員になどなれませんでした。親の財産で生活するには困っていませんでしたが、私にはうらやましいとは思えませんでした。
私が目撃した世襲政治家のことはまた改めて書こうと思いますが、記者生活を通じて世襲政治家には優れた人材が多いなと私は感じました。
このことを改めて確認させてくれたのは、田崎史郎さんの「小泉進次郎と福田達夫」という本です。
小泉進次郎氏は小泉純一郎元首相の次男、福田達夫氏は福田康夫元首相の長男であり福田赳夫元首相の孫です。この二人が対談した内容を、安倍首相や菅義偉官房長官に近い大物記者として知られる田崎さんがまとめたものです。
この本を読むと、進次郎氏も達夫氏も「有名大臣の息子」「元首相の孫」ということで子供の頃、しばしば嫌な思いをしていたことが分かります。
進次郎氏は、できれば目立ちたくないのに「(政治家の子供なのだから)もっとリーダーシップを取ってもらいたい」と先生に求められたそうです。また、「政治家の息子だから、君と仲良くしておけと親に言われた」と言い寄ってきた同級生についても語っています。
達夫氏は、赳夫元首相の支持者に「お前らなんか、どうせろくな死に方しねえぞ」といじめられた経験を明らかにしています。表では、その人物は赳夫元首相にペコペコしていたそうです。
幼い頃にこんな経験をすれば、人間不信に陥るでしょう。でも、二人とも立派な人物に育ちました。対談を通して、両氏の親の偉大さと本人の努力があったことがうかがえます。
この本は自民党の農林部会(自民党内で農業政策を議論する組織)で部会長と部会長代理を務め、上司と部下だった二人が当時について回想しています。1981年生まれの進次郎氏と67年生まれの達夫氏は年齢が14歳も離れ、上下が逆転していました。しかし、当選回数は進次郎氏の方が上。当選回数が重視される政界では年齢差が逆転することは珍しくありませんが、それにしても大きな年齢差です。年長の達夫氏が、人生経験に基づいて進次郎氏にアドバイスをしていたことが語られています。進次郎氏はそれに従い軌道修正していたようです。この本を読むと、進次郎氏が単なる人気者ではないことが理解できますし、達夫氏が極めて厳格な家庭でしつけられたことも分かります。
二人とも自分の親を尊敬しています。そして、二人とも世襲議員としての厳しい宿命をよく理解しています。
この本は、進次郎氏の側から田崎さんに執筆を要請したそうです。自民党の支持者ではない人やテレビ番組に出ている田崎さんを見て不快に感じる人は、「手に取るのも嫌」と言うかもしれません。しかし、就活生にとっては一読する価値がある本だと思います。
ところで、あなたは自分の親御さんのことを尊敬していますか。
尊敬していても、していなくても、どちらでも結構です。一度、親御さんのことを文章にしてみてください。
できる限り論理的に。なぜ尊敬するのか。その根拠は何か。親御さんは何をしてきた人なのか。親子の間で具体的に何があったのか。
おそらく出題されることはないと思いますが、入社試験で「親」という題の作文が課されたと想定して書いてみてはいかがでしょうか。
私は「世襲政治家」の強みの一つは、自分の親、祖父母、さらにその先の先祖に対する思いが人一倍あることだと思っています。
世襲批判をしている暇があるなら、世襲の人たちに負けない努力をしなければいけません。
社会人としてスタートする前に、あなたの親御さんについて自分なりにしっかりと理解を深めておくことも必要だろうと思います。この本は、そういう作業をする上で参考になるだろうと思い、紹介させていただきました。一応、Amazonや楽天のリンクを張っておきますが、書店で立ち読みするだけでも良いので、目次だけでも読んでみてください。
追伸
本日は成人の日でした。期せずして、大人になる式典を行う日に親への感謝を呼び掛ける文章になっておりました。
一つの区切りとして、親に関する作文をしてみてください。
ところで、私が若いときは成人の日は1月15日に固定されていたので、なかなか慣れませんね。
価格:961円 |
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