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2018年01月14日
抽象的な題の作文対策
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本日は作文対策です。
しばらく面接対策を想定した心構えや新聞の読み方について書いてきました。これらは作文対策としても活用できます。
新聞社では、「一体何を書けば良いのか」と思わせるような抽象的な題で作文するように求められます。これは練習というか、準備をしていないと、能力があっても及第点を取るのは難しいと思います。
例えば、「朝」という題で書くとすればどう対処したら良いのでしょうか。
真面目な人は、試験会場で「朝」という文字を見て、何か思いつくことはないかと考えます。
「朝」→「すがすがしい」→「気持ちいい」→「楽しい」……。緊張しているとなかなか頭が働かず、周囲の受験生がカリカリと音を立てて快調に書き始めると、ますます焦ってしまうかもしれません。原稿用紙に何となく文字を埋めるだけになってしまうかもしれません。
こうならないために、新聞記者の仕事術を参考に対処法を考えましょう。
私の経験からお話しします。私は、何年か記者をしていると「さすがにプロですね。こんなに短時間で分かりやすい記事を書けるんですね」と言われるようになりました。もちろん、経験を重ねれば文章能力が向上するので、その分、早くなるのは当然です。しかし、それ以外にも理由があるのです。
新聞記者が記事を書くのが早いのは、「予定稿」が頭の中にあるからです。「予定稿」がなければ早く書けません。
予定稿とは、ニュースが発生することを想定してあらかじめ書いておく原稿です。予定稿の代表格は、不謹慎と言われるかもしれませんが、著名人が亡くなった場合の「死亡予定稿」です。死は誰にでも訪れます。有名であればあるほど、権力を持っている人であればあるほど、多くの人に衝撃を与え、生活にも影響するかもしれませんから、できるだけ事前にその人物の実績を調べて、評価しておかないといけません。誰でも知っている人が亡くなったときに、その人物の業績について正確な事実確認ができず、締め切りに間に合わない事態になれば、新聞の役割を果たせないことになります。
また、今なら北朝鮮が核実験をしたり長距離弾道ミサイルを撃ったりすることも、ある程度想定された事柄なので、多くの新聞社が予定稿を準備していると思います。予定稿はできるかぎり正確に多くの事実を書き込んで、日付など一部を加筆・修正しただけで紙面に掲載できるようにしておくことが理想的です。
そして、新聞記者の頭の中には自分が担当している分野に関して、記事に使えるフレーズや表現が頭の中に入っています。これは仮想の「予定稿」と言って良いと思います。実際に文字にしているわけではありませんが、すぐに頭の中から一定の文章を引き出せるようになっています。担当が変わると、この仮想の「予定稿」を一から作り直さないといけないので、苦労するわけです。私が「記事を書くのが早いですね。上手ですね」とほめられたのは、実は事前に何度も書いたことのある内容だったわけです。
さて、本題に戻ります。皆さんの作文対策です。
今、私が説明したことを応用してください。つまり、仮想の「予定稿」を作ってください。
すると、「抽象的な題の予定稿なんて、どうすればいいんだ」「自分が予想したのと同じ題が出る可能性は低いのに、そんなことをするのは無駄」という声が聞こえてきそうです。
私の文章を注意して読んでください。私が言っているのは、仮想の「予定稿」です。死亡予定稿のように確実に起きる出来事を想定したものではありません。
まずは、あなただけが知っている興味深いエピソードを考えましょう。そして、それを文章にして、いつでも頭の中から引き出せるようにしましょう。これが、「面白い作文」の第一歩です。試験会場で一から書いていては、焦るばかりで間に合いません。
では、仮想の「予定稿」を用意している人が、「朝」という題で作文するとどうなるでしょうか。
もちろん「朝」という題で、しっかりとした作文を書いたことがある人は、同じような内容の文章を書けば結構です。
「朝」という題で書いたことがなくても、大丈夫です。
他の人とは違う独自性をアピールできる体験談(=あなたの「予定稿」)と「朝」の関連付けをすれば良いのです。
例えば、あなたのアルバイト先での貴重な経験と「朝」を結び付けることはできませんか。
あるいは、「予定稿」がクラブやサークル活動に関することであれば、それらは朝に行われませんでしたか。
あなたが忘れられない言葉を言ってくれた人は毎朝、どんなことをしていましたか。
無数の可能性があるので、どれが正解ということはありません。発想次第で、さまざまな例が考えられます。
また、一つの「予定稿」しかない人にとっては、「朝」という題で作文することは難しいかもしれません。しかし、二つ、三つ、さらに多数の「予定稿」を持っていると、「朝」と関連するエピソードとして文章を仕上げることは可能になると思います。
つまり、大事なことは、題から作文の内容を考えるというよりも、作文に使えそうなエピソードを普段から貯え、文章にする練習をしておくということです。
独自性を訴えることができるあなた自身の逸話を豊富に用意しておくためには、あなたが多くのことを経験するしかありません。
いろんな人と会って、面白いことを体験して、それを友人、知人に話して、みんなの反応を聞いてください。
これは取材の基本的動作です。これは前に私が言ったことですね。前に書いた「作文対策」や「面接」の文章を参照してみてください。
私の解釈では、新聞社が出題する抽象的な題の作文は、文章能力を試すだけでなく、潜在的な取材力を試しているのだと思います。
誰でも知っているようなこと、他の受験生が書いているようなことは、試験官は読み飽きています。あなたしか知らない、他の人には思いつかない発想の「予定稿」をいくつも用意するように心がけてください。
そのためには、多くの人と話をすることが欠かせません。
今回の内容は、実際にどうしたらいいのか分かりにくいという人もいると思います。ぜひ質問をお寄せください。
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本日は作文対策です。
しばらく面接対策を想定した心構えや新聞の読み方について書いてきました。これらは作文対策としても活用できます。
新聞社では、「一体何を書けば良いのか」と思わせるような抽象的な題で作文するように求められます。これは練習というか、準備をしていないと、能力があっても及第点を取るのは難しいと思います。
例えば、「朝」という題で書くとすればどう対処したら良いのでしょうか。
真面目な人は、試験会場で「朝」という文字を見て、何か思いつくことはないかと考えます。
「朝」→「すがすがしい」→「気持ちいい」→「楽しい」……。緊張しているとなかなか頭が働かず、周囲の受験生がカリカリと音を立てて快調に書き始めると、ますます焦ってしまうかもしれません。原稿用紙に何となく文字を埋めるだけになってしまうかもしれません。
こうならないために、新聞記者の仕事術を参考に対処法を考えましょう。
私の経験からお話しします。私は、何年か記者をしていると「さすがにプロですね。こんなに短時間で分かりやすい記事を書けるんですね」と言われるようになりました。もちろん、経験を重ねれば文章能力が向上するので、その分、早くなるのは当然です。しかし、それ以外にも理由があるのです。
新聞記者が記事を書くのが早いのは、「予定稿」が頭の中にあるからです。「予定稿」がなければ早く書けません。
予定稿とは、ニュースが発生することを想定してあらかじめ書いておく原稿です。予定稿の代表格は、不謹慎と言われるかもしれませんが、著名人が亡くなった場合の「死亡予定稿」です。死は誰にでも訪れます。有名であればあるほど、権力を持っている人であればあるほど、多くの人に衝撃を与え、生活にも影響するかもしれませんから、できるだけ事前にその人物の実績を調べて、評価しておかないといけません。誰でも知っている人が亡くなったときに、その人物の業績について正確な事実確認ができず、締め切りに間に合わない事態になれば、新聞の役割を果たせないことになります。
また、今なら北朝鮮が核実験をしたり長距離弾道ミサイルを撃ったりすることも、ある程度想定された事柄なので、多くの新聞社が予定稿を準備していると思います。予定稿はできるかぎり正確に多くの事実を書き込んで、日付など一部を加筆・修正しただけで紙面に掲載できるようにしておくことが理想的です。
そして、新聞記者の頭の中には自分が担当している分野に関して、記事に使えるフレーズや表現が頭の中に入っています。これは仮想の「予定稿」と言って良いと思います。実際に文字にしているわけではありませんが、すぐに頭の中から一定の文章を引き出せるようになっています。担当が変わると、この仮想の「予定稿」を一から作り直さないといけないので、苦労するわけです。私が「記事を書くのが早いですね。上手ですね」とほめられたのは、実は事前に何度も書いたことのある内容だったわけです。
さて、本題に戻ります。皆さんの作文対策です。
今、私が説明したことを応用してください。つまり、仮想の「予定稿」を作ってください。
すると、「抽象的な題の予定稿なんて、どうすればいいんだ」「自分が予想したのと同じ題が出る可能性は低いのに、そんなことをするのは無駄」という声が聞こえてきそうです。
私の文章を注意して読んでください。私が言っているのは、仮想の「予定稿」です。死亡予定稿のように確実に起きる出来事を想定したものではありません。
まずは、あなただけが知っている興味深いエピソードを考えましょう。そして、それを文章にして、いつでも頭の中から引き出せるようにしましょう。これが、「面白い作文」の第一歩です。試験会場で一から書いていては、焦るばかりで間に合いません。
では、仮想の「予定稿」を用意している人が、「朝」という題で作文するとどうなるでしょうか。
もちろん「朝」という題で、しっかりとした作文を書いたことがある人は、同じような内容の文章を書けば結構です。
「朝」という題で書いたことがなくても、大丈夫です。
他の人とは違う独自性をアピールできる体験談(=あなたの「予定稿」)と「朝」の関連付けをすれば良いのです。
例えば、あなたのアルバイト先での貴重な経験と「朝」を結び付けることはできませんか。
あるいは、「予定稿」がクラブやサークル活動に関することであれば、それらは朝に行われませんでしたか。
あなたが忘れられない言葉を言ってくれた人は毎朝、どんなことをしていましたか。
無数の可能性があるので、どれが正解ということはありません。発想次第で、さまざまな例が考えられます。
また、一つの「予定稿」しかない人にとっては、「朝」という題で作文することは難しいかもしれません。しかし、二つ、三つ、さらに多数の「予定稿」を持っていると、「朝」と関連するエピソードとして文章を仕上げることは可能になると思います。
つまり、大事なことは、題から作文の内容を考えるというよりも、作文に使えそうなエピソードを普段から貯え、文章にする練習をしておくということです。
独自性を訴えることができるあなた自身の逸話を豊富に用意しておくためには、あなたが多くのことを経験するしかありません。
いろんな人と会って、面白いことを体験して、それを友人、知人に話して、みんなの反応を聞いてください。
これは取材の基本的動作です。これは前に私が言ったことですね。前に書いた「作文対策」や「面接」の文章を参照してみてください。
私の解釈では、新聞社が出題する抽象的な題の作文は、文章能力を試すだけでなく、潜在的な取材力を試しているのだと思います。
誰でも知っているようなこと、他の受験生が書いているようなことは、試験官は読み飽きています。あなたしか知らない、他の人には思いつかない発想の「予定稿」をいくつも用意するように心がけてください。
そのためには、多くの人と話をすることが欠かせません。
今回の内容は、実際にどうしたらいいのか分かりにくいという人もいると思います。ぜひ質問をお寄せください。
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