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2018年01月07日

産経新聞の読み方

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 本日は昨日の続きの内容を書くつもりでしたが、産経新聞の一面を見て気が変わりました。
 予定を変更し、産経新聞という極めて個性的な新聞の読み方について書きます(全文を読んでいただければ分かりますが、本当に私は産経に敬意を抱いています)。

 私はこれまで新聞に書かれていることを鵜呑みにしてはいけないことを強調してきました。
 私が挙げる具体例で産経新聞が多かったことにお気づきでしょうか。
 産経には、誤報や事実誤認、解釈の曲解と言っても差し支えのなさそうな記事が掲載されるからです。

 実は、1月4日付産経新聞にも「これは嘘だろう」と思った記事が載っていたので取り上げようかなと思ったのですが、「産経批判ばかりになるし、他に書かないといけないこともあるから見送ろう」と考えました。
 その記事とは「中国機密文書『北の核容認』」。3面の半分ほどを関連記事が占めています。http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030043-n1.html

 記事の内容は、米メディアが報じた中国共産党の「機密文書」とされるものに関して。その文書には、北朝鮮が核実験しないと約束するなら、中国は見返りとして新型ミサイル開発を含む軍事支援を拡大するというのです。「『朝鮮半島の非核化』を求める中国政府の公式見解とは裏腹に、北朝鮮による現有核戦力の保持の容認や、金正恩体制の保証の確約も明記した」と記しています。

 私はここまで読んで、「中国にとって北朝鮮は必要であり、『さもありなん』とは思うが、公式文書でこんな露骨な内容を記録に残すだろうか。『現有核戦力の保持の容認』というのはあり得るだろうか」と思いました。記事内容の詳細は省略しますが、北朝鮮に対する支援内容や、北朝鮮に対する制裁は「象徴的」なものにとどめる方針まで書いています。つまり、「中国は北朝鮮の非核化に真剣ではない」ことを示す証拠だというわけです。

 この文書に信ぴょう性があれば、大きなニュースですが、産経はこの記事の横に「中国外務省は完全否定」「専門家から『偽物』指摘も」という全く逆の記事を掲載しています。「中国外務省が否定するのは当事者なので当然でしょ」と切り捨ててはいけません。否定するにしても、多少の真実が含まれているなら、中国に限らず公職にある当局者は「事実とは異なる(「記事の全部ではないが、一部に間違いがある」というニュアンスです)」だとか、「正確ではない」「知らない」「聞いていない」などと言うのです。完全否定して、後からそれが嘘だとばれると、責任を問われるからです。
 産経によると、中国外務省報道官は「フェイクドキュメント(偽造文書)のひとこと。少しでも常識がある人なら文書が偽造であることは見抜ける」と語りました。かなり自信を持って全否定しています。

 また、台北発の「専門家から『偽物』指摘も」の記事(http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030049-n1.html)では、「文書の質は悪く破綻だらけ。米国の専門家の判読レベルは低く、笑いものだ」という台湾メディアが伝えた識者のコメントを掲載しています。具体例も示されており、米メディアが報道した文書は偽物だろうという確信を持ちます。この記事を読むと、「一体、産経新聞は何を伝えたいのだろうか」という気分にさせられました。

 遠藤誉さんによる解説を読んで、ますます台北から出ている記事の方が正確なのだろうという思いが強くなりました。http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/post-9259_2.php
 今回の「中国共産党機密文書」について、他の日本メディアでは、共同通信が短く記事を配信し掲載した新聞がありましたが、産経ほどの扱いではなかったと思います。大多数は黙殺です。おそらく、「文書の信ぴょう性が確認できない(新聞業界では「裏が取れない」と言います)」「書くとしても、根拠を得てから」という判断だったのでしょう。産経を盲目的に擁護する人々は、「産経以外は中国共産党に配慮して批判する記事を書かない」と非難するかもしれませんが、事実を重視して冷静に判断するかどうかで対応が分かれたのだと思います。

 さて、前置きが長くなりました。ここから、どうして私は今日、この「中国共産党機密文書」報道について書いているのかについて書きます。
 このような内容を、元旦の空母記事その前の南シナ海埋め立てに続いて書くと、「このブログを書いている人はよほど産経が嫌いなんだな」と誤解する人がいたかもしれません。
 しかし、私は産経が好きです。毎日読んでいます。こうやって、批判しながらですが。
 むしろ、産経に対しては敬意を抱いているのです。安全保障に関しては非常にさまざまな情報を提示してくれます。今回の件についても、紙面構成については疑問を持ちましたが、台湾などで疑義が提起されていることをきちんと記事にするのは大したものだと思います。
 ただし、政治的な主張に力点が置かれているので、常に内容を疑う姿勢がないと、非常に危険な新聞です。

 私がどうして産経新聞に敬意を持っているのかというと、その理由が本日の紙面に出ています。
 北朝鮮による拉致事件について最初に報道したのが産経だからです。本日の産経に出ているように、1980年1月7日に掲載された「アベック3組ナゾの蒸発 外国情報機関が関与?」という記事が拉致事件に関する初の報道でした。その後もしばらく拉致問題について、メディアの扱いは低調でした。低調どころか、「無視」と言って良い状況でした。かなり北朝鮮の関与が濃厚になった段階でも、「拉致疑惑」という表現が使われました。状況が変わったのは、2002年に行われた小泉純一郎首相(当時)との会談で金正日総書記が北朝鮮当局による犯行だと認めたときからでした。

 このブログを読んでくださっている若い方は、どうして産経新聞を除くメディアが拉致事件に対して冷淡だったのか理解できないと思います。50年ほど前、北朝鮮は「地上の楽園」、韓国は「独裁体制による圧政で民衆が苦しむ国」というイメージがまかり通っていました。今の韓国を「楽園」と呼ぶことはできないにしても、世界で発展した国として分類されることは間違いないでしょう。しかし、拉致事件の初報が出た80年には、まだ韓国には軍事政権が存続し、社会主義国に対する幻想も残っていました。今とは全く違う常識が幅を利かしていたのです。詳しくは、本日の産経新聞の記事をお読みください。

 拉致事件の初報が出た当時、私は駆け出し記者でした。関係のない地域にいましたが、記事は読んでいました。周囲の先輩の中には、「飛ばし(根拠があいまいな段階で書く記事)だな」と言う人もいました。正直に言えば、私自身も「外国の情報機関が関与」というのが、現実離れしているように思いました。そして、「これはサンケイさんの話。あっちの自社もの(新聞社が主催するイベントや企画)」と思い込み、真実から逃避してしまいました。
 そして、長い間、「産経もの」に距離を置いて、記者生活を過ごしました。今では、自分自身の不明を恥じています。「あの時でなくても、あの後でも、自分自身が真剣に取材していれば、何かをつかめたかもしれない」と反省しています。

 本日も拉致事件に対する関心が薄れ始めている中、産経はあえてこのような記事を掲載しています。

 本日の結論です。産経新聞とは偉大な新聞です。これからも批判し続けますが。



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新聞記者をしておりましたがリタイアし、空いた時間をマスコミ志望の方に役立つ情報発信をしたいと思い、ブログを開設しました。新聞記事には独特の表現を使って、政治の見通しや国際政治の展望を書いていることが多くあります。そのような内容をお伝えしたいと思っています。感想や質問があれば、遠慮なく書き込んでください。
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