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2019年11月28日

教科書を変えていいですか?

昨年まで数学科の主任を務めていて、今年中1の上位の習熟度を担当しているE先生が来て言う。
「今使っている教科書を『精解』から『体系』に変えたいんだけど…。」
昨今の私は、あまり自分の意見を主張しなくなっている。
「変えたいのなら、返ればいい…。」
私はそういう思いでE先生の話を聞いていた。

「授業をしていていね。どうしてこんなところで、こんなことを教えるのだろう、と思う部分がたくさんあって、生徒たち混乱しちゃうんだよね。」
「そうですか…。私は、教科書通りには教えていないので…。もちろん全部やりますけど…。」
「自由自在に授業ができるのは、丹澤先生くらいしかいませんから…。」

ふと、編集者のMさんのことを思い出す。
ひょんなことから知ることになり、以来十年以上、細々ながら関わってきた。
いろいろな相談にも応じてくれたし、年に一回だけれど、わざわざ東京から来校してくれた。
「彼との縁もこれで切れてしまうのかな…。採用しないと知ったら、悲しむだろうな…。」
そんな思いがよぎったが、私はMさんの話は一切しなかった。

少しずつ生徒の学力レベルが下がってきて、今使っている中高一貫用の教科書が難しくなってきたことも事実だ。
そして何よりも、だんだんと私が過去の人になりつつあるということだ。

変えるべきものは変えたらいい…。時代やその状況に合わせて、適応させることは大切なことだ。

「じゃ、来年の中1から変えさせていただきます。」

何だ、私に相談したい、と言いつつ、すでに決めていたことなのか。

私を取り巻く環境では、最近、こうしたことが多い。

「来年度、私はこの学校にまだいるのかな…。」
そんな思いもよぎる。

私の得意分野は、いよいよ授業だけになった。
教員として、最低限の条件でもあるが、それだけでは戦力としては不足だろう。

年末ということもあり、ちょうど教頭面談もあった。
「どうですか? この一年の丹澤先生の実績は…。」

そんなもの私にはないのだ。
実績といえることなど、一つもない。
ただ、学年所属として末席を汚しているだけで、本当にただただいるだけである。

「そうですね。最近また、生徒たちが可愛くなってきましたね…。」

そう言葉を濁した。

そうだ。これでいいのだ。
他の人がどう判断しようと、私は私の道を生きていく…。

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