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2021年05月22日

M君暴れる…

「Sさん、パソコン室でエッチな画面見ていたよ。」
おしゃべりの中1Mが、中2のSの様子を皆に言いふらそうとしたのを、Sが先輩風を吹かせて止めた。

だが、Mは、「Sさん、長くパソコンを使っていたよ」、などと言いふらして回った。
言いふらされたと勘違いして、怒ったSは、Mとその友人たちを追い回す。
「許さん。殴ってやる!」と、暴れ回った。

最近、Mは情緒不安定である。
入学時から、自分の衝動を抑えきれないことに苦しんでおり、今は、大分コントロールできるようにはなったが、まだ感情が爆発すると、行動を抑えきれない。

「このままだと、本当に暴行事件になりますよ。」
同学年の生徒たちも、Mの行動を怖れ、彼と距離を取る。

だが、その疎外感とも孤立感とも言える状況が、ますますMを追い込んでいるようにも見える。

と言って、Mが受け入れられる状況でもない。

昨今は、後輩たちにもその噂と言動は広がり、ますます孤立しているのが現状だ。

発達の偏りとひとくくりにするのは簡単だが、そうした生徒も育て、かつ、他の生徒にいい意味で学びの場を提供できるはずだ。

検査をすれば、支援学級に入るべき生徒なのかも知れないが、うちの学校では、そういう生徒も、これまで何度も受け入れ、卒業させてきた。

学校の教育力と、生徒たちと先生たちの愛の力が、Mを善導してゆくことを信じたい。

「話しても、理解できないみたいですよ…。」
若手の先生たちはそう言うが、結局は、その指導を自分の中で受け入れる状況には到っていないのと、叱られたことへの照れ隠しが、素直さを妨げているのだろう。

根気強く繰り返しの指導で、Mが成長していくことを願うばかりだ。

良くなることを信じて疑わなければ、必ずや変わっていくだろう。
それが教育の効果だ。





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