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2019年10月03日

むかつく

生徒たちが『むかつく』という言葉をつかうのは、よくあることだが、最近、先生たちもこの言葉を使っている。

要は、指導している生徒の態度があまりに不真面目で怠惰なので、『むかつく』のだと言う。

「本当、Hにはむかつきますよ。」
などと、平気で語る。

私のように歳をとって慎重になっている人間からすると、ドキッとするような会話だ。

確かに、生徒は教師の思うようには動いてくれないだろう。
思春期、反抗期で、中学生はもっとも多感な年頃だ。

自己中心的で、気に入らない事があればすぐにキレ、面倒なことからは逃げ、わざと不真面目な態度を取ったり、悪びれてみたり、関心を引こうと悪さをしたり、先生を試す言動で困らせたり、急に甘えてきたりもする。

まさに、この世のものとは思えない行動をするのが、この時期の生徒たちである。

当然、指導に当たる先生たちも大変だ。
優しく諭せばつけあがり、厳しく接すれば、そっぽを向く。

そんな中での、『むかつく』という言葉である。

気持ちは分かる。
そのように思うことも仕方がない。
ふと、口についてしまうこともあろう…。

ただ、私たちは教師なのだ。
そんな彼等を、ほんの少しでも正しい方向に導こうとしたり、苦しんでいる彼等の心に優しく寄り添うことが、その仕事なのだ。

学年会で私が言う。
「話を聞いて上げるだけでいいんだよ。たわいない会話でいいんだよ。」

若手の先生方の中には、生徒と話したら、必ずお説教しなければいけないと思っている人もいるようだが、そうではない。

彼等に寄り添えば、その仕事の8割は終わっていると言ってもいいのだ。

「自分が何とかしなきゃ…。」
と、焦れば焦るほど、指導は空回りする。

指導が困難になれば、放っておいたり、無視してしまう担任もいる。

そう考えると、まだ、私の出番があるのかな…。

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