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2019年09月16日

将来の夢

「丹澤先生は、いつから先生になろうと思ったのですか?」
ある高校3年生から、そんなことを聞かれた。

「俺は早かったよ。小学生の高学年の頃には、教師になろうと思っていたから…。」
「すごいですね…。」
進路を真剣に考える時期になっているのだろうか。何とも、言葉に重みを感じた。
私は、若くして教師になりたいと思っていたのだが、その動機は、『自分の時間が取れる』と思ったからだった。当時は、「教員は休みが多く、自由な時間もたくさん取れるから、たくさん趣味の時間に費やすことができる」、と思っていたのだ。

それが、誤解であり、全くの逆であることを、後に気づく…。
しかし、そのときには、『子供と接することの喜び』を知っていたので、当初の思いはどうでもよくなっていたのだ。

「ところで、今の生活は充実していますか?」
鋭い…。
「まあまあ充実しているかな…。」
現在の私は、心の傷を癒やすためのリフレッシュ中である。
「まあまあ」とは、それを象徴している正直な思いだ。

「将来の夢は何ですか?」
これはカウンターパンチだ。
「んー、今は畑仕事しながら、犬に囲まれて過ごしたいな…。」
これが正直なところ、少し働いて収入を得て、あとは自然の中で暮らしたい。
これも、「癒やされたい」、という思いからだろうか。

おそらく私のこの答えは、彼には不満なものだろう。
世界を股に掛け、アグレッシブに生活したいと思うだろう。
もちろん、少し働いて収入を得るのも、かなりの工夫と仕込みが必要だ。
その前提の上での、「自然の中で生活したい」、と思うのだ。

「以前、犬を散歩させている爺を見たんですけど、何を生きがいに生きているのか、見ていて分かりませんでした。」

若者には、その人の裏の状況は見えないから、そう思われても仕方ない。
いつしか私も、そうした爺に見られるのだろうか。

いろいろなビジネスを仕込んではいるが、なかなか成果を上げるまでには達していない。
なかなか片手間には難しいのかな、と思いつつも、まだ本気を出していないのだ、とも思う。

犬を育てて、他の人にどんな役に立つのだろう。
畑仕事をしていて、どんな人が幸せになるのだろう。

仕事は、他の人の役に立ってこそ成立する。

まだちょっと甘いようだ。
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