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2018年09月23日

保護者を味方にする

学校は、生徒を保護者からお預かりしている。また、生徒あっての学校である。だから、生徒はお客様。一人の人間として丁重に接し、人格を尊重し、彼らの健全な将来のために、教師は一人の奉仕者として、誠心誠意、関わらなくてはならない。

こう書くと、新任校長の挨拶か、何かの教員心得みたいになる。

一方で、生徒は、発達途上であり、教育を受けているという観点もある。

学校現場では、頻繁に
「先生、うちの子がいつもお世話になっております。」
などと保護者からご挨拶をいただくが、このときは、ただただ笑顔になるしかない。

と、同時に心の中では、どうしても防御本能がはたらく。
次に、どんな矢が飛んでくるか、なかなか予想できないからだ。

私たちは教育のプロとして、ある意味、自身に裏付けられて仕事をしている。
しかし、保護者の言葉は、その自身を時に打ち砕く。

「どうですか、最近うちの子は…」
この言葉の裏には、何十倍もの言葉が隠れており、ある意味、どんな人間かを見られていると言ってもよい。
「自分の子どもをどのように見ているのか。」
を的確に引き出す、万能の聞き方だからである。

このとき、
「いつも。○○がご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
という言葉であっても、油断をしてはいけない。次に
「ところで先生…」
と、急遽話題が変わり、どんな攻撃を受けるか、分からないからだ。

「私は保護者を味方にしているから、そんな防御本能は働かないよ。」
という先生たちは多いだろう。

しかし一方で、生徒のみならず、保護者の一言により、教員の人格をも崩壊させ、鬱状態になり、教員を辞めざるえなくなったり、その命までもが奪われてしまうことだってある。
昨日まで味方だった保護者が、今日からは最前線に立って攻撃をしてくるということだってある。

私たちは教員は、いつもこのような断崖絶壁を歩いている。

「いつも、保護者対応ありがとうございます。」
分かっている管理職なら、そう励ましてくれるだろうが、
「大事にならなくて、安心したよ。」
という思いが見え隠れするならば、
「今回も大変でしたね。ほんとうによく対応してくれました。」
と言う言葉も虚しく響く。

そんなときは、
「保護者のクレームを受けることが教師の仕事ですから。保護者は不安や不満を誰にもぶつけられない訳ですし…。」
などと、強がりを言って、自分自身を励ますことにしている。

いずれにせよ、保護者を味方にすることは難しい。
期待が大きければ大きいほど、裏切られたときは、その反動も大きく、その反動が怖くて、躊躇してしまう。

以前は、ごく一部の保護者を意識すれば良かったが、現在はそうはいかない時代に突入している。
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