ネコと贅沢　ボンビーライフ

今季のドマラで秀逸なのは「民王」。
脚本が西荻弓絵、メイン演出が木村ひさし。
このコンビ、SPECの後に安堂ロイドでも組んでいたが、
これはちょっと物足りなかった。
今回はトリックのテイストも加わっていて
バカバカしい楽しさがある。

しかしただバカバカしいだけではない。
現実の元総理大臣の感じ読み間違えや、
自民党元幹事長のピンクスキャンダルなど
毒も折り込んでいるし、
現代の政治に対する風刺が入っている。

それを表現する役者も上手い。
遠藤憲一は楽しそうだし、菅田将暉も達者だ。
リミットを外してする演技の面白さが伝わる。

脇もいい。
側近役の金田明夫も秘書役の高橋一生も
実によくハマっている。
本仮屋ユイカの悪意のない教科書的な役柄もピッタリだ。
知英の下手すぎる日本語はお遊びか。

それにしても池井戸潤の作品のドラマ化がブームのようだ。
なんとなく昭和の青臭さが残っているのがいいんだろうなぁ。
阿部寛で「下町ロケット」もドラマ化されるようだし、
ネタ不足のテレビ業界にとっては
しばらく池井戸ブームが続くのだろう。