2017年10月23日
映画「イレブン・ミニッツ」の感想…公式サイトの説明で完結しているが「普通の人がテロや災害に突如あってしまう不条理な現代社会の比喩」の映画。
今日は映画「イレブン・ミニッツ」の感想です。
何かの映画の予告編にあった気がするのですが、
レンタルショップでたまたま見かけて借りてみました。
という事で、今回はレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「イレブン・ミニッツ」は2016年公開のイエジー・スコリモフスキ監督作品。
多くの映画制作に携わっているイエジー・スコリモフスキ監督ですが、
自分が観たことある映画はたぶん脚本で参加している映画「水の中のナイフ」ぐらい。
ちゃんと映画観ないといけないですね。
今回の映画「イレブン・ミニッツ」は監督自ら脚本も書いています。
基本的にはワルシャワでの「17時から17時11分までの間」を数人の人物の視点から見せていき、
ある1つのクライマックスへ向かうという構成の映画です。
あらすじを書こうと思ったのですが、何か大きなストーリーがあるというタイプの映画ではなく、
本当にそれぞれの11分間が主な内容になるので、物語どうこうよりも、
クライマックスの展開を見せる映画です。
キャストについては、物語の性質上、主演というものがありません。
そして自分が分かる俳優がいなかったので色々書けないのですが、
まず嫉妬深い夫を演じるのはヴォイチェフ・メツファルドフスキ。
ネタバレになるのであんまり詳しくは書きませんが、
つまりお前のせいじゃねーか!!って言いたくなります。
嫉妬深いというか、情緒不安定な夫だよなあ。
その情緒不安定感はすごく上手かったです。
いやらしい映画監督を演じるのはリチャード・ドーマー 。
確かにあんな「いかにも」いやらしい男の元に妻が向かっていくのは、
なかなか耐えられない事なのかもしれないなと思ったり。
女優である妻を演じるのはパウリナ・ハプコ。
綺麗でありセクシーな彼女ですが、
確かにあんな女性をどうにかできるチャンスがあるなら…って思わせる美貌の説得力はある。
アンジェイ・ヒラ、アガタ・ブゼク、ダヴィド・オグロドニク、イフィ・ウデなど、
様々な俳優・女優がそれぞれの人生というか、役を見せてくれます。
さて、映画「イレブン・ミニッツ」の感想ですが、
斬新なカットとか映像の見せ方は良いと思うのですが、
ラストの展開の1点特化の映画にしては少し長い。
60分くらいでまとめれたらもっと良かったのになあと。
オフィシャルサイトに書いてある、
「人々のありふれた日常が11分後に突如変貌してしまうという奇妙な物語を、
テロや天災に見舞われる不条理な現代社会の比喩として描いたこの映画は、
個人の生や死がサイバー・スペースやクラウドといった環境に
取り込まれていく未来を予見していると言えるでしょう。」
という説明で、ほぼこの映画の伝えたい事は完結してしまっているし、
ラストの展開でどうなると言うのは、そこの一点特化の映画ではしない方が良いので、
ストーリーについては何も書かない様にします。
それ以外の部分では、
まず先ほどかいた「斬新なカットとか映像の見せ方」についてですが、
最初に自撮りの映像からはじまって、
しばらく画面がずっと小さいんです。
まさかずっとこの画面サイズなのかなと思ってからの「イレブン・ミニッツ」のタイトル。
そして所謂、本編になると画面が大きくなるので、
ああここからが本編なのかと分かりやすい。
分かりやすいと言えば、それぞれのキャラクターが人目で認識できる様にしているところ。
夫は目にあざがあったり、犬を連れた女性は腰にアウターを巻いたり、
パッと見た感じで認識できるようにしているのは、
何度も時間軸がいったりきたりする映画にはとても大切な配慮だと思う。
あと、やっぱ犬の視点は良いですね。
犬から見るとこう見えるんだなあとか思ったり。
そして特徴的な長い尺のワンカット。
さりげなく、しかし大胆に腕時計を見せたり、
印象的にビルを映したり。
映像だけで、撮り方だけで興味を持続させています。
そしてそのワンカットの中にホットドッグの話とかが聞こえるようにして、
文字とかで説明しなくても、ああこれはさっきの時間を繰り返してるんだって分かる。
という訳で、基本的には丁寧な作りなんですよね。
つまみぐいするホテルのスタッフとかもなんかにくい演出です。
まあ…それでも一番のウリである「驚愕の展開」ってのが、
今の時代だとそこまで驚愕の展開でもない気がする。
唐突すぎて飲み込めない!ってのが、
先ほどの「人々のありふれた日常が11分後に突如変貌してしまう」ってところなので、
なぜ!なんで!?なんの伏線もない。
という事こそ、イエジー・スコリモフスキ監督の表現したい事なので、
飲み込めないストーリーこそ、この映画なのだ…という事なんだけどね。
だから、ストーリーを飲み込めなくて当然…そういう映画なんだから。
しかし、それが映画として面白いかは別の話だし、
見せ方などは凄く丁寧で親切なのに、
物語の深さをそこまで観る人がちゃんと考えるように促してはくれない。
結構そこの作りは観る人任せなんだなあとか思ったり。
まあそんな感じかなあ。
悪い映画ではないけれど、万人にはおススメできない映画。
ナンバープレートのシールとか、
ビデオカメラのバッテリー少なすぎるだろとか、
まあ細かいところを楽しめるぐらいにも作りはこだわっているんですけどね。
結局、あの黒い点はなんだったんだ…何のメタファーなんだろう、
とか考えてくれる人なら観て良かったと思う。
え〜、意味わかんね〜…で終わってしまう人は絶対に観ない方が良い。
何かの映画の予告編にあった気がするのですが、
レンタルショップでたまたま見かけて借りてみました。
という事で、今回はレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「イレブン・ミニッツ」は2016年公開のイエジー・スコリモフスキ監督作品。
多くの映画制作に携わっているイエジー・スコリモフスキ監督ですが、
自分が観たことある映画はたぶん脚本で参加している映画「水の中のナイフ」ぐらい。
ちゃんと映画観ないといけないですね。
今回の映画「イレブン・ミニッツ」は監督自ら脚本も書いています。
基本的にはワルシャワでの「17時から17時11分までの間」を数人の人物の視点から見せていき、
ある1つのクライマックスへ向かうという構成の映画です。
あらすじを書こうと思ったのですが、何か大きなストーリーがあるというタイプの映画ではなく、
本当にそれぞれの11分間が主な内容になるので、物語どうこうよりも、
クライマックスの展開を見せる映画です。
キャストについては、物語の性質上、主演というものがありません。
そして自分が分かる俳優がいなかったので色々書けないのですが、
まず嫉妬深い夫を演じるのはヴォイチェフ・メツファルドフスキ。
ネタバレになるのであんまり詳しくは書きませんが、
つまりお前のせいじゃねーか!!って言いたくなります。
嫉妬深いというか、情緒不安定な夫だよなあ。
その情緒不安定感はすごく上手かったです。
いやらしい映画監督を演じるのはリチャード・ドーマー 。
確かにあんな「いかにも」いやらしい男の元に妻が向かっていくのは、
なかなか耐えられない事なのかもしれないなと思ったり。
女優である妻を演じるのはパウリナ・ハプコ。
綺麗でありセクシーな彼女ですが、
確かにあんな女性をどうにかできるチャンスがあるなら…って思わせる美貌の説得力はある。
アンジェイ・ヒラ、アガタ・ブゼク、ダヴィド・オグロドニク、イフィ・ウデなど、
様々な俳優・女優がそれぞれの人生というか、役を見せてくれます。
さて、映画「イレブン・ミニッツ」の感想ですが、
斬新なカットとか映像の見せ方は良いと思うのですが、
ラストの展開の1点特化の映画にしては少し長い。
60分くらいでまとめれたらもっと良かったのになあと。
オフィシャルサイトに書いてある、
「人々のありふれた日常が11分後に突如変貌してしまうという奇妙な物語を、
テロや天災に見舞われる不条理な現代社会の比喩として描いたこの映画は、
個人の生や死がサイバー・スペースやクラウドといった環境に
取り込まれていく未来を予見していると言えるでしょう。」
という説明で、ほぼこの映画の伝えたい事は完結してしまっているし、
ラストの展開でどうなると言うのは、そこの一点特化の映画ではしない方が良いので、
ストーリーについては何も書かない様にします。
それ以外の部分では、
まず先ほどかいた「斬新なカットとか映像の見せ方」についてですが、
最初に自撮りの映像からはじまって、
しばらく画面がずっと小さいんです。
まさかずっとこの画面サイズなのかなと思ってからの「イレブン・ミニッツ」のタイトル。
そして所謂、本編になると画面が大きくなるので、
ああここからが本編なのかと分かりやすい。
分かりやすいと言えば、それぞれのキャラクターが人目で認識できる様にしているところ。
夫は目にあざがあったり、犬を連れた女性は腰にアウターを巻いたり、
パッと見た感じで認識できるようにしているのは、
何度も時間軸がいったりきたりする映画にはとても大切な配慮だと思う。
あと、やっぱ犬の視点は良いですね。
犬から見るとこう見えるんだなあとか思ったり。
そして特徴的な長い尺のワンカット。
さりげなく、しかし大胆に腕時計を見せたり、
印象的にビルを映したり。
映像だけで、撮り方だけで興味を持続させています。
そしてそのワンカットの中にホットドッグの話とかが聞こえるようにして、
文字とかで説明しなくても、ああこれはさっきの時間を繰り返してるんだって分かる。
という訳で、基本的には丁寧な作りなんですよね。
つまみぐいするホテルのスタッフとかもなんかにくい演出です。
まあ…それでも一番のウリである「驚愕の展開」ってのが、
今の時代だとそこまで驚愕の展開でもない気がする。
唐突すぎて飲み込めない!ってのが、
先ほどの「人々のありふれた日常が11分後に突如変貌してしまう」ってところなので、
なぜ!なんで!?なんの伏線もない。
という事こそ、イエジー・スコリモフスキ監督の表現したい事なので、
飲み込めないストーリーこそ、この映画なのだ…という事なんだけどね。
だから、ストーリーを飲み込めなくて当然…そういう映画なんだから。
しかし、それが映画として面白いかは別の話だし、
見せ方などは凄く丁寧で親切なのに、
物語の深さをそこまで観る人がちゃんと考えるように促してはくれない。
結構そこの作りは観る人任せなんだなあとか思ったり。
まあそんな感じかなあ。
悪い映画ではないけれど、万人にはおススメできない映画。
ナンバープレートのシールとか、
ビデオカメラのバッテリー少なすぎるだろとか、
まあ細かいところを楽しめるぐらいにも作りはこだわっているんですけどね。
結局、あの黒い点はなんだったんだ…何のメタファーなんだろう、
とか考えてくれる人なら観て良かったと思う。
え〜、意味わかんね〜…で終わってしまう人は絶対に観ない方が良い。
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