2016年05月24日
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を観た感想…これは多くの人に観てもらいたい映画!
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を観た感想です。
感想の前に、個人的にな話を1つ。
毎月催される読書会というものに参加していまして、
その課題の本を探しにお店に立ち寄った際にCD・DVDコーナーもあったので、
何気なく良い映画がないかとDVDを物色して見つけたのが、
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」です。
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は2015年2月に日本公開。
監督はジョン・ファヴロー。
ジョン・ファヴローと言えば、もちろん映画「アイアンマン」の監督で有名ですが、
そのジョン・ファヴローが監督・脚本、さらには主演まで努めています。
映画を観る時には「監督」って大事なところだと思うんですよ。
でも、特に日本では監督の名前で観にいくとか、
さらには監督の名前の言える人が少ないんだろうね。
昔、映画「エンジェル・ウォーズ」の時は「300の監督」って書かれていて、
ザック・スナイダーって言ったところで日本人には分からないんだろうと思った。
で、監督ですよ。
特に今回は「ジョン・ファヴロー」の体験談というか、
ストーリーそのものが「ジョン・ファヴロー」。
そんなことを知らなくても楽しめること間違いなしの映画ですが、
映画ってただただストーリーを追っかけて観るのも良いのだけど、
「あっ、こういうことがいいたいんだな」とか「わかる、わかるぞ!」みたいな瞬間があると、
共感できるというか、グっと面白さが増すと思うんですよ。
もちろん、観る人に事前準備を強要するのはいかがなものかと思いますが、
知っていると楽しめるんだから、知っておいた方が良いんじゃないかって。
何よりも、映画監督って職がもっと一般的に認知されても良いという気がしている。
「何かのテレビ番組で好きな映画監督は誰ですか?」って街頭インタビューで、
監督の名前は知らないって答えた人が結構な割合でいたのは、ちょっとビックリだった。
脱線してしまいました…ジョン・ファヴロー監督。
この映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を簡単に説明をすると、
主人公のカール・キャスパーは有名レストランのシェフ。
料理の腕ももちろん、料理に対する情熱もあり、仲間からも信頼がある。
そんな彼の店に「評論家」が来る。
以前、その評論家の人生を変えるほどの料理を出したことのあるキャスパー。
今回も唸らせようと新しい料理を考えるのだが、
店のオーナーに「定番(いつもの)しか認めない」と新しい料理の提供を拒否される。
しぶしぶ「定番(いつもの)」料理を出したところ、評論家は酷評。
息子から教えてもらったツイッターをつかいリベンジマッチをしようとするも、
オーナーと対立してクビになり、あげく評論家との喧嘩がネットにあげられてしまい、
再就職先が見つからない状況に。
そんな時に元妻からフードトラックを始めてはと提案があり、
どん底に落ちたキャスパーはフードトラックという場所で1から積み上げていく。
…というような話。
この話がどうして「監督」と関係があるかというと、
ストーリーの展開はどうしても監督である「ジョン・ファヴロー」のキャリアと
重ねて観ずにはいられないのだ。
まあ、この話は映画評論家の町山さんがラジオで言ってたところを聴いてくれた方が、
圧倒的に正しく面白いので是非読んでみてください。
http://miyearnzzlabo.com/archives/21178
まあ町山さんの話を読んでしまったら、それ以上何ってことも無いんですが、
考察とか映画の背景はまかせて、自分がグッときたところをいくつか。
本当に、この映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は色んな人に観てもらいたいな、
と思うんだけど、特に「何かを作る」職業の人。
この映画を観ると、最終的にハッピーエンドというか良い結果になるので、
キャスパーみたいな生き方が良いって思うのかもしれないけど、
彼が自由人か、と言えばそうでもなく、あんな感じだがものすごく社会人な面もあった。
彼がレストランをクビになるまで、何度も自分の創作料理を出そうとするも、
オーナーに止められて結局出せていないままクビになる。
あんなけ腕もあって、情熱もあるのなら「自分の料理を食べてもらいたい」と、
創作料理を出してもおかしくないところだが、
彼はあくまでレストランではオーナーの意見に最終的に従う。
雇われているうちは自分を押し殺してちゃんと働いているのだ。
もちろんそれが原因で辞めることにはなるのだけどね。
ここから判断するに、雇われているうちは勝手なことしてはいけない。
というメッセージがあると思う。
映画製作でもそうなんだと思うけど、大きな資本で作るものは、
監督以上に出資者の意見が通ってしまうこともあるのだろうなと。
しかし、その場合はそれに従うのは仕方がないのではないか。
例えばジョン・ファヴローで言うなら、まだまだ知名度も低く、
観客はジョン・ファヴロー監督作を観に来てるのではなく、映画「アイアンマン」を観に来てるんだ、と。
続編の「アイアンマン2」は前作がウケんだから前作と同じで良いんだよ。
そんなことをスポンサーに言われたのかなと考えてしまうところだが、
映画でも決してこの考えが間違ってる訳じゃないというバランスで見せていると思う。
多くの映画監督の悩みどころだと思うけど、
映画監督が好き勝手やって良いって状況なんて本当にごく1部の人だけだよなあ。
あと、フードトラックの最初お客というか、手伝ってくれた作業員にキューバサンドを出すときに、
息子が不注意で焦がしてしまったものを「どうせ無料なんだから」と言って出そうとしていたときに、
一気に空気が変わった。
あんな適当そうな2人の男だが、料理を作る、料理を出してお客さんに喜んでもらうことに対しては、
一切手抜きはしない。
あのシーンがあるか、ないかでは全く映画通してのキャスパーのキャラクターが変わっていた。
ただ息子を甘やかすだけではなく、本当に料理の道へ進むのなら言わなくてはいけない一言。
何かを作る職業の人には心にささる1シーンなのではないだろうか。
色んな人がこの映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」については書いていて、
誰もが「おいしそうだった」「あれを食べたい」って書いていると思う。
確かにそう、なんで日本で売ってないのだろうか。
仮に売っていても1ドルとかじゃ無理だろうなあ。
路上販売とか法律もメンドクサソウ。
DVDには特典でメイキングがあったんだけど、
ジョン・ファヴローが料理指導を受けている映像があったのだけど、
これは凄いし参考になると思った。
ただパンを切るだけだが、その瞬間はそのことにだけ集中するんだと。
ものづくりは映画であると料理であろうとその他であろうと、
色々通じるものがあると思う。
この映画は料理というモチーフを使って、
「クリエイティブな仕事の姿勢を問う」映画なのではないだろうか。
腕も必要、情熱も必要、しかしそれだけでは成功はなく、
仲間の助けだったり、効果的な宣伝の仕方、社会のマナー。
色んなものがプロの仕事には必要なんだぞ、と。
感想の前に、個人的にな話を1つ。
毎月催される読書会というものに参加していまして、
その課題の本を探しにお店に立ち寄った際にCD・DVDコーナーもあったので、
何気なく良い映画がないかとDVDを物色して見つけたのが、
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」です。
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は2015年2月に日本公開。
監督はジョン・ファヴロー。
ジョン・ファヴローと言えば、もちろん映画「アイアンマン」の監督で有名ですが、
そのジョン・ファヴローが監督・脚本、さらには主演まで努めています。
映画を観る時には「監督」って大事なところだと思うんですよ。
でも、特に日本では監督の名前で観にいくとか、
さらには監督の名前の言える人が少ないんだろうね。
昔、映画「エンジェル・ウォーズ」の時は「300の監督」って書かれていて、
ザック・スナイダーって言ったところで日本人には分からないんだろうと思った。
で、監督ですよ。
特に今回は「ジョン・ファヴロー」の体験談というか、
ストーリーそのものが「ジョン・ファヴロー」。
そんなことを知らなくても楽しめること間違いなしの映画ですが、
映画ってただただストーリーを追っかけて観るのも良いのだけど、
「あっ、こういうことがいいたいんだな」とか「わかる、わかるぞ!」みたいな瞬間があると、
共感できるというか、グっと面白さが増すと思うんですよ。
もちろん、観る人に事前準備を強要するのはいかがなものかと思いますが、
知っていると楽しめるんだから、知っておいた方が良いんじゃないかって。
何よりも、映画監督って職がもっと一般的に認知されても良いという気がしている。
「何かのテレビ番組で好きな映画監督は誰ですか?」って街頭インタビューで、
監督の名前は知らないって答えた人が結構な割合でいたのは、ちょっとビックリだった。
脱線してしまいました…ジョン・ファヴロー監督。
この映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を簡単に説明をすると、
主人公のカール・キャスパーは有名レストランのシェフ。
料理の腕ももちろん、料理に対する情熱もあり、仲間からも信頼がある。
そんな彼の店に「評論家」が来る。
以前、その評論家の人生を変えるほどの料理を出したことのあるキャスパー。
今回も唸らせようと新しい料理を考えるのだが、
店のオーナーに「定番(いつもの)しか認めない」と新しい料理の提供を拒否される。
しぶしぶ「定番(いつもの)」料理を出したところ、評論家は酷評。
息子から教えてもらったツイッターをつかいリベンジマッチをしようとするも、
オーナーと対立してクビになり、あげく評論家との喧嘩がネットにあげられてしまい、
再就職先が見つからない状況に。
そんな時に元妻からフードトラックを始めてはと提案があり、
どん底に落ちたキャスパーはフードトラックという場所で1から積み上げていく。
…というような話。
この話がどうして「監督」と関係があるかというと、
ストーリーの展開はどうしても監督である「ジョン・ファヴロー」のキャリアと
重ねて観ずにはいられないのだ。
まあ、この話は映画評論家の町山さんがラジオで言ってたところを聴いてくれた方が、
圧倒的に正しく面白いので是非読んでみてください。
http://miyearnzzlabo.com/archives/21178
まあ町山さんの話を読んでしまったら、それ以上何ってことも無いんですが、
考察とか映画の背景はまかせて、自分がグッときたところをいくつか。
本当に、この映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は色んな人に観てもらいたいな、
と思うんだけど、特に「何かを作る」職業の人。
この映画を観ると、最終的にハッピーエンドというか良い結果になるので、
キャスパーみたいな生き方が良いって思うのかもしれないけど、
彼が自由人か、と言えばそうでもなく、あんな感じだがものすごく社会人な面もあった。
彼がレストランをクビになるまで、何度も自分の創作料理を出そうとするも、
オーナーに止められて結局出せていないままクビになる。
あんなけ腕もあって、情熱もあるのなら「自分の料理を食べてもらいたい」と、
創作料理を出してもおかしくないところだが、
彼はあくまでレストランではオーナーの意見に最終的に従う。
雇われているうちは自分を押し殺してちゃんと働いているのだ。
もちろんそれが原因で辞めることにはなるのだけどね。
ここから判断するに、雇われているうちは勝手なことしてはいけない。
というメッセージがあると思う。
映画製作でもそうなんだと思うけど、大きな資本で作るものは、
監督以上に出資者の意見が通ってしまうこともあるのだろうなと。
しかし、その場合はそれに従うのは仕方がないのではないか。
例えばジョン・ファヴローで言うなら、まだまだ知名度も低く、
観客はジョン・ファヴロー監督作を観に来てるのではなく、映画「アイアンマン」を観に来てるんだ、と。
続編の「アイアンマン2」は前作がウケんだから前作と同じで良いんだよ。
そんなことをスポンサーに言われたのかなと考えてしまうところだが、
映画でも決してこの考えが間違ってる訳じゃないというバランスで見せていると思う。
多くの映画監督の悩みどころだと思うけど、
映画監督が好き勝手やって良いって状況なんて本当にごく1部の人だけだよなあ。
あと、フードトラックの最初お客というか、手伝ってくれた作業員にキューバサンドを出すときに、
息子が不注意で焦がしてしまったものを「どうせ無料なんだから」と言って出そうとしていたときに、
一気に空気が変わった。
あんな適当そうな2人の男だが、料理を作る、料理を出してお客さんに喜んでもらうことに対しては、
一切手抜きはしない。
あのシーンがあるか、ないかでは全く映画通してのキャスパーのキャラクターが変わっていた。
ただ息子を甘やかすだけではなく、本当に料理の道へ進むのなら言わなくてはいけない一言。
何かを作る職業の人には心にささる1シーンなのではないだろうか。
色んな人がこの映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」については書いていて、
誰もが「おいしそうだった」「あれを食べたい」って書いていると思う。
確かにそう、なんで日本で売ってないのだろうか。
仮に売っていても1ドルとかじゃ無理だろうなあ。
路上販売とか法律もメンドクサソウ。
DVDには特典でメイキングがあったんだけど、
ジョン・ファヴローが料理指導を受けている映像があったのだけど、
これは凄いし参考になると思った。
ただパンを切るだけだが、その瞬間はそのことにだけ集中するんだと。
ものづくりは映画であると料理であろうとその他であろうと、
色々通じるものがあると思う。
この映画は料理というモチーフを使って、
「クリエイティブな仕事の姿勢を問う」映画なのではないだろうか。
腕も必要、情熱も必要、しかしそれだけでは成功はなく、
仲間の助けだったり、効果的な宣伝の仕方、社会のマナー。
色んなものがプロの仕事には必要なんだぞ、と。
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