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アンクル・サンボズ・キャビン

 本盤は、貴重なCDだと思います。
 メインのIvory Joe Hunterは、キャリアの後期に当たる録音ですが、なかなかに楽しめます。
 この人は、あまりテキサスらしい雰囲気のない人で、エグさのないバラーディアーです。
 ここでの60年代の録音は、ヴィンテージ期よりも聴きやすいかも知れません。
 

Gray Light Of Port Arthur
Ivory Joe Hunter
Big Sambo & House Wreckers

Ivory Joe Hunter
1. I'll Give You All Night To Stop (Hunter)
2. Medley : I Almost Lost My Mind 〜 Empty Arms (Hunter)
3. I'm Coming Down With The Blues (Hunter)
4. Working On Me (Hunter)
5. Looking For The Girl Who's Lopoking For The Guy To Love (Hunter)
6. Can I Help (Hunter)
7. Stolen Moments (Hunter)
8. The Cold Gray Light Of Down (Hunter)
9. Brenda Browwn (demo, 1st version) (Hunter)
10. Brenda Browwn (demo, 2nd version) (Hunter)
11. Brenda Browwn (demo, 3rd version) (Hunter)
12. The Masquerade Is Over (Hunter)
13. Empty Arms (alternate version) (Hunter)
14. The Angeles Sent You (Hunter)
15. Adios Senorita (Hunter)
Big Sambo & House Wreckers
16. The Rains Came (Huey P. Meaux)
17. At The Party (Huey P. Meaux)
18. Anymore (D. Robey, Fats Washington)  
19. All About Love (Roy Ames)
20. I Had To Cry (Jim Scott, Al Matthias, Roy Ames)
21. Long Gone (Huey P. Meaux)

 Ivory Joe Hunterが面倒なのは、複数のレーベルで、それぞれワン・ヒット・ワンダー的なヒット曲があり、レーベルを横断するようなコンピでないと、全容が把握しにくいことです。
 有名どころでは、以下のような曲があります。

Guess Who (King)49'
I Almost Lost My Mind (King)50'
I Need You So (MGM)50'
Since I Met You Baby (Atlantic)56'

 ブルース・ファンにとって、"I Almost Lost My Mind"は、Albert KingのStax盤でしょう。
 (好き嫌いは別にして…)

 "Since I Met You Baby"は、Freddy FenderのABC-Dot盤ですね。
 この曲は、Freddy Fenderの愛唱歌で、ABC以前のキャリア初期にも録音があります。

 本盤の頃のIvory Joe Hunterは、曲のスタイルは、ほとんどカントリー・ソングといってよく、またそのジェントルな歌いくちは、スタンダードを歌うポピュラー・シンガーのようです。

 3テイク入っている"Brenda Brown"を始め、"Empty Arms"など、味わい深いバラードに酔いましょう。 

 
 さて、あっさり話は変わります。
 実は、本盤の注目は、Ivory Joe Hunterではありません。
 おまけのように入っている、Big Samboさんです。

 この人は、本名をJames Samuel Youngという黒人のシンガー、サックス・プレイヤーで、James "Big Sambo" Youngと名乗っていました。
 Big Samboというのは、子供のころのニックネームからきているようです。

 この人になぜ注目するかと言いますと、"The Rains Came"のオリジネイターだからです。

 ライナーによりますと、Huey Meauxが制作したこの曲は、テキサスでヒットしたことから、全国へと配給しようとした矢先、Big Samboという名前が黒人蔑視であるとして、ラジオ局からボイコットされてしまったとのことです。
 James "Big Sambo" Youngは、その後目立った活躍をすることはなかったようです。
 
 しかし、一人の黒人アーティストの運命とは関係のないところで、時代は進んでいきます。
 "The Rains Came"は、その後のHeuy Meauxにとって、使い勝手の良い手札の1枚となり、様々なアーティストにこぞって吹き込ませることになります。

 もちろん、Freddy Fenderや、Doug Sahmは当然やっています。
 Crazy Cajunに所属したアーティストの多くは、この曲をやっているのではないでしょうか。
 レアなところでは、Joey Long盤もあります。

 本盤には、Big Samboの3枚のシングルの両面が収録されています。
 今後、仮に未発表曲の発掘がなされたとしても、とても単独アルバムを組むほど発見されることはないでしょう。
 そういう意味で、貴重なCDだと思います。

 "The Rains Came"以外では、裏面の"At The Party"が、ワイルドにがなりたてる黒いロックンロールで聴きものです。
 そして、Johnny Aceの隠れた名作バラード、"Anymore"が、Big Samboにあった曲でやはり良いです。

 クレジットによれば、これらの録音は、63年と64年にニューオリンズで行われ、ギターにはJoey Longが、そしてキーボードには、Dr. Johnが参加しているそうです。
 Doug Sahmファン、ニューオリンズR&Bファンなら、ぜひ押さえておきたい録音でしょう。

 今回思ったのは、この時代のJohnny Aceの影響力の強さです。
 バラード曲でのBig Samboのボーカルは、明らかにAceを意識しています。
 また、クレジットにあるように、本当にDr. Johnがピアノを弾いたのなら、それはまるでJohnny Ace風のタッチそのものです。

 あるいは、デューク・サウンドの影響力こそが、大きいと言えるのかも知れません。



The Rains Came by Big Sambo






ビーバー・ダム・スワンプ

 今日気付いたのですが、まもなくこのブログを始めて1年を迎えます。
 いやあ、驚きです。
 何が驚いたと言って、まだ1年経っていなかったことに驚きました。

 おじさんになると、記憶容量というものが圧縮されるようです。
 若いころよりも狭小化した海馬の中で、短期記憶と長期記憶の配分が、ほぼ均等になったような気がします。  
 
 意味不明ですか?
 つまりこういうことです。
 ブログを始めてからの1年の出来事が、それ以前のすべての人生と、あたかも同程度の長さに感じられると言うことです。

 
You Better Run
Billy C. Farlow

1. Drive Me Like A Mule (Billy C. Farlow)
2. You Better Run (Billy C. Farlow)
3. Don't You Wanna' Rock ? (John Lee Hooker)
4. Good Rockin' Mama (Billy C. Farlow)
5. Don't It Get Lonely (Billy C. Farlow)
6. Hey, Nannie May (Billy C. Farlow)
7. Whiskey and Beer, Gin and Wine (Billy C. Farlow)
8. Waitin' For The Sun To Go Down (Billy C. Farlow)
9. Good Whiskey, Bad Women (Billy C. Farlow)
10. Drunk On Love (Billy C. Farlow)
11. Juke House Woman (Billy C. Farlow)
12. Roll, Mississippi, Roll (Billy C. Farlow)

 さて、今回の主人公、Billy C. Farlowは、Commander Cody and his Lost Planet of Airmenのリード・ボーカルだった人です。
 今作は、リリースされたばかりの最新作になります。

 私は、初めてCommander Codyを聴いたときから、なぜこの人がリード・ボーカルなのかと不思議に思っていました。
 なぜなら、Lost Planet of Airmenでは、複数のシンガーがボーカルをとっており、この人よりはるかにうまいシンガーがいたからです。

 私は、当初それがリーダーのCopmmander Cody(George Frayne)だと勘違いしていました。
 だって、リーダーなんですから、まさかほとんどピアノを弾いてるだけの人だなんて思いませんよね。

 ジェントルなバリトンの持ち主が、ギターのBill Kirchenだということにやがて気付きました。

 一方、Billy Farlowは、当時ひょろっとしたメガネ青年で、楽器はハーモニカだけやっていたはずです。
 私は、今回、彼のソロ作を始めて聴きましたが、音よりも先に、風貌がかなり変わっていることに驚きました。
 歳月は人の姿を変えますね。

 ジャケには、グレッチらしきギターを構えるむさ苦しい男が写っています。
 このギターは、ロカビリアンに人気のグレッチ6120かと思いましたが、グレッチ・シンクロマチックという機種(?)らしいです。
 (クレジットではそうなっていました。)

 今作ですが、ギターから連想するロカビリーではなく、サザン・ロックに近いサウンドです。
 引き摺るようなブギ基調の曲がメインで、Georgia Satellitesを連想させるところがあります。
 1曲目から、まさにそんな曲調で、ルーズなブギ・リフでスタートし、ブルース・ハープが被さってきます。

 ただ、曲調は似ていますが、一方でSatellitesとは、どことなく違う印象も受けます。
 どこがそう感じさせるのだろうと考えましたが、これはおそらく、スライド・プレイがあまりなく、またバッキングの音の厚みがシンプルなせいでしょう。

 私は、サザン・ロックのバックには、あるイメージを持っています。
 それは、しばしばハード・ロックに接近しながらも、一線を超えることなく、かろうじて堪えているという印象で、そこに美しさを感じます。

 レーナードが、フリーをお手本にスタートしたという話はよく知られています。
 英国ブルース・ロックからインスパイアされたからこそ、ハード・ロックとは一線を画しているのだと思います。

 今作でのサウンドは、一見サザン・ロック風の顔をしてはいますが、突き詰めれば、広義にはやはりブルース・ロックに集約されるのかも知れません。



 やっている曲は、1曲を除いてすべて本人の自作です。
 3曲目の"Don't You Wanna' Rock ?"が、クレジットではJohn Leeになっています。

 実は、私はJohn Leeはほとんどベーシックなところしか聴いていず、またそれらもあまりよく覚えていません。

 この曲は、他の曲と何の違和感もなく「すっと」耳に入ってくる曲で、クレジットを見なければ気付くこともなかったでしょう。
 (ちなみに、私が聴いてきたJohn Leeは、ヴィンテージ期では、モダン、キング、ヴィージェイの代表作程度です。)

 ロックンロール調の曲も中にはありますが、ギンギンに飛ばすといった感じではなく、また、ほとんどノイジー感のないサウンドに仕上がっています。
 うるささもなく、そういう意味では、実は聴きやすい、いいアルバムかも、と思い出してきました。

 収録曲の補足をしますと、"Don't It Get Lonely"は、Ray Charlesの"Lonely Avenue"を思わせる曲です。
 また、"Drunk On Love"は、ボ・ディドリー・スタイルの曲です。
 何度か聞き返して、彼のボーカルは、思いのほか歌えている気がしました。
 私は、予断を持ちすぎかもと思いだしています。

 この人は、バイオなどによれば、アラバマ、インディアナ、テキサスなどで成長したとのことで、確たることはよく分かりませんが、南部ルーツの音楽志向を持つ人であるのは間違いないと思います。

 私は、今作のサウンドを、レイドバックしていないスワンプだと、とりあえず言っておきます。

 ちなみに、なぜか来月にも新作のリリースが予定されています。
 そして、これまたなぜか、本作の収録曲のうち、次の2曲が再度収録されるようです。

 "Drive Me Like A Mule"
 "Good Rockin' Mama"

 ジャケは、次作のほうがよいので、検索してみてください。






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