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泣いたサニーがもう笑った

 えーと、少し前に入手して一回だけ聴いたCDなんですが、聴き返してみました。

 初めて聴いたときの印象は、非常によいものでした。
 はっきりいって、ジャケがいけてなくて、アベレージ・クラスの出来を予期していたところ、思いのほか良かったため、若干甘めの印象になったのだと、今なら思います。

 ただ、今回聴き返してみて、やはり「ハードルが下がっていたんだな」とは思いましたが、それを割り引いても「やはり悪くはない、良い!」と冷静な気持ちで改めて思い直したのでした。

 
Smile Now, Cry Later
Sunny & The Sunliners

1. Smile Now, Cry Later (Ozuna)
2. Hopeless Case (Ozuna)
3. Baby, I Apologize (Ozuna)
4. I Want to Make It up to You
5. Hold On! I'm Comin' (Hayes, Porter)
6. Just A Gigolo (Caesar, Brammer, Casucci)
7. Put Me In Jail (Ozuna)
8. Forever
9. Stop That Thief
10. Everybody Knows That I Love You
11. You Don't Have to Say You Love Me (Donaggio, Pallavisini)
12. Sidewinder (Part1&2)

 このCDは、テキサスのローカル・レーベル"Golden Eagle Records"から出されたもので、リリース時期は明記されていません。
 もともとアナログLPで出ていたものに、曲を追加したもののようです。

 とはいえ、それでも全12曲です。
 オリジナルLPは、おそらく8曲〜9曲くらいだったと思われます。
 追加曲ですが、"Put Me In Jail"、" Stop That Thief"、"Sidewinder (Part1&2)"と、あと1曲くらいだと思います。

 リリース時期より、録音時期が知りたいものですが不明です。
 60年代後期から70年代初期でしょうか?

 有名曲が2曲入っていて、聴く前から少し心配してしまいます。
 "Hold On! I'm Comin'"と"You Don't Have to Say You Love Me"(この胸のときめきを)です。
 率直な感想としては、前者は「ちょっとしょっぱい」、後者は「思ったほど悪くない」くらいの印象でした。

 いくつか弱めの曲もありますが、全体的には思いのほか、良い曲が揃っているアルバムだと思います。
 中でも私の注目曲は、次のとおりです。
 
1. Smile Now, Cry Later
2. Hopeless Case 
6. Just A Gigolo
9. Stop That Thief

 "Smile Now, Cry Later"は、サニー・オズナ自作のドリーミーなスロウ・バラードです。
 Littile Anthony & Imperialsのような、後期のドゥワップ・スタイルから、70年代のフィリー・ソウルへと繋がるソウル・コーラスの醍醐味を堪能できます。

 "Hopeless Case"もサニーの作品とクレジットされています。
 これは、なかなか面白い曲で、ブリティッシュ・ビート・バンドがニューオリンズR&Bのカバーをやったらこんな感じかな、と思わせるような仕上がりになっています。

 ゆったりしたリズムでありながら、緊張感のあるサウンドが良いです。
 私は、ブリンズリー時代のニック・ロウ作品を連想しました。
 この曲は、Joe Jamaが、ソロ・アルハム、"My Life"でカバーしています。

 "Just A Gigolo"は、オリジナルは知りませんが、Louie Primaのバージョンがお手本だと思います。
 タイトルには表記されていませんが、ルイ・プリマ盤と同様、後半にメドレーで"I Ain't Got Nobody"をやっています。
 これが期待以上に良くて、嬉しかったです。

 イントロが聴こえてくると、自然とウキウキ感がつのります。
 こういうジャイヴというか、ジャズ小唄みたいなものが、サニー・オズナに似合うとは意外でした。
 もっとやってほしいです。
 
 "Stop That Thief"は、どういう内容の曲なんでしょう。
 「あの泥棒を止めて」というタイトルが興味深いです。

 歌詞がよく分かりませんが、"My Baby's Gone"とか、"He Stole My Girl"などといった歌詞が聴き取れましたので、ライバルに彼女をさらわれた男のことを歌った失恋ソングかも知れません。
 内容はともかく、ユーモアとペーソスが感じられる曲調がよいです。

 その他の曲も概ね好感が持てる仕上がりだと思いました。

 ラストの"Sidewinder (Part1&2)"のみ、インスト・ナンバーです。
 リズム隊のクールなリフと、ホーン陣のホットな切り込みが耳に残るなか、アルバムはフェイド・アウトしていくのでした。



Smile Now Cry Laterです。




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