2021年08月14日
外資系パソコンメーカーのパソコンが安い理由
ある3つの出来事を元にその理由をご説明します。
初期不良のパソコンの交換を申し出た話
一つ目は、パソコンを使った教室を経営している方の事例。新規で外資系メーカーのパソコンを30台ほど導入をされた時にご相談を頂いた話です。
届いたパソコンの設置・設定を1週間ほどかけて行っていたそうです。設定を行っていると1台だけ動作が極端に遅いパソコンがあったのだそうです。色々設定を見直したり、調整しても直らないため、メーカーのサポートに電話をしたそうなんです。
そうするとメーカーからの回答は、「修理対応しますので送り返してください。修理・返却まで3、4週間かかる」と、言われたのだそうです。
教室で使うパソコンなので、その日数がかかってしまうと間に合わないのです。ましてや設定にも時間がかかるので、すぐにでも取り換えて欲しいと伝えられたそうです。
しかし、メーカーの返答は「初期不良による交換は、3日以内にご連絡があった場合のみ」なのだそうです。「納品から3日以上経過しているため、修理対応になる」とのこと。
「30台ものパソコンを3日以内にチェックするのは困難です」「起動しないならともかく、初期不良が原因で動作がおかしいことに気づくには3日は少なすぎます」「今回は30台あったから気づきましたが、1台だったら気づかない内容です」と伝えられたそうです。
ここで国内メーカーの担当であれば、大量導入された顧客であるので、特別に対応をしてもらえた可能性が高いと感じます。私も実際、保証期間を数日過ぎて故障したことがありましたが、無償で修理してもらえました。
外資系メーカーのパソコンの初期不良の話
二つ目のお話は、外資系メーカー製パソコンの買い取りをした時の話です。そんなに使っていない奇麗なパソコンでした。しかし、売りに来られた方は、「音がうるさく、動作も遅いので買い替えた」「ほとんど使っていないが必要なくなったので売りに来た」とおっしゃていました。
買い取ったパソコンを調べてみると、CPUを冷やすためのヒートシンク下にテープが挟まっていたのです。一度も取り外された様子もない箇所でした。そのことから製造段階で挟まってしまった可能性の高い状態でした。
テープがあるため、CPUを正常に冷やすことができず、ファンコントロール制御で常にフル回転していたため、音もうるさくなっていたのです。
製造時のCPU温度モニターチェックをすれば、簡単に判明しそうなのですが、スルーされたようです。完全に冷やせないわけではなかったので、テストには合格したのでしょう。
それにしても、長年パソコンの修理を行ってきて、とても印象に残った事件でした。
外資系メーカーのパソコンの初期不良の話2
メンテナンスを行っている事業所で5台ほどパソコンを導入された時の話です。会計ソフトでエラーが出て正常に使用できないため、調査を行った事案です。原因は、そのパソコンに使用されているチップドライバに不具合があったために起こっていました。
LANの通信が途切れてしまう不具合があり、いろいろなアプリケーションでエラーが出る事が分かりました。
原因が特定できない時にメーカーに問い合わせをしました。「LANの通信で不安定になるエラーが5台全てのパソコンで出ている。何か報告はありませんか」と、たずねました。
そうして帰ってきた返答は「そもそも、そちらのパソコンはビジネス用に販売されているものではありません。ビジネス用ソフトで不具合が起こることには対応できません」と、言われ対応を断られてしまいました。
そのメーカーの販売のページには、「ホームユースからビジネスユースまで、幅広くお使いいただける仕様」という文句があるにも関わらず…。
しかもビジネスソフトにエラーが出るのが問題なのではなく、LANの通信エラーを問題にしているにも関わらずです。とにかく外資メーカーは、不具合の対応に冷たいというのが私の印象です。怒っているわけでもな
く、丁寧に話をしていましたがそのような対応をされました。
結局、試しに試して「代替のチップドライバ」を入れることで症状は改善ができました。
【結論】外資系パソコンメーカーのパソコンが安い理由
これらの話から言える事は、外資メーカーのパソコンが安いのは、「品質・サポート部の経費を抑えているから」と言えます。私は、これが悪いと言いたいのではなく、外資系メーカーのパソコンを導入するのであれば、これらの対応・対策をできる状態にしてからにする必要がある事をお伝えしたいと考えています。