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2014年04月04日
自分の人生を予見した同僚 (ホラー)
3月11日の「2人の祈祷師と巫女さん」https://fanblogs.jp/bukki/daily/201403/11
に載せた話の続き。知人からの紹介で会った2人目の祈祷師は新興宗教の関係者らしい。「コップに入れた水を手も触れずに震わせる儀式を行う」ということを、後で紹介者から聞いた。私が受けた祈祷ではそうした儀式はなく、ごく普通の話で終わった記憶がある。当時の接見内容がはっきりしないのは、特別驚くような出来事が無かったからだろう。
今回載せる話は、自分のことではなく祈祷師を紹介してくれた同僚のこと。当時、半年ほど前に中途採用で入社した30歳代後半の彼は、宗教がらみの話が異常に詳しく、それまでも多くの祈祷師や多くの新興宗教の関係者と面識があったという。悩み事を抱えていた私はその彼の紹介を受け、マンションの1室を祈祷場とする40歳代の女性祈祷師に会うために単身で出向いた。
この祈祷に乗り気だったのは、紹介した彼のほうだった。面談の後、「どのような流れで祈祷を行うのか」「水を張ったコップがどのように動いたのか」など、しつこく聞かれた。このコップに張った水の振動のほか、他の新興宗教では催眠術を用いるところもあり、「拍手を打ち、一瞬にして睡眠状態に導く」姿を何度も目撃した、との話も聞いた。
彼は、これまで会ったどの人物にも見られない独特の感性と洞察力を持っていた。とくに人物考察では飛びぬけて秀でていて、私の性格上の問題点なども厳しく指摘された覚えがある。その彼がある日「あと2年ほどで40歳を迎える」という話を始めた。そして「40歳から先の事は何も考えていない。自分の人生は30歳代で終わりにする」という。その時は、40歳を迎える恐怖感を特別強く感じている、と理解した。
それからしばらくして彼は転職。新しい会社に移ってからも、幾度も顔を合わせたが、それも次第に遠のいた。脳卒中で入院したという話を聞いたのは、最後に会ってから1年後だったと思う。持病の高血圧に飲酒癖が重なったことが遠因にあった。退院後はどこでどう暮らしているのか、誰に聞いても分からなかった。
再び会ったのは、ある区役所のロビー。後ろから名前を呼ばれて振り返ると、60歳後半から70歳ぐらいの、眼鏡をかけた白髪頭の老人がこちらを向いていた。全く見覚えの無い顔で「どちら様ですか」と聞いて、彼の名前が出たときは「どうしてそんなに変ったのか」と、思わず言葉が出てしまった。その時45歳の彼は、後遺症から仕事ができず生活保護を受けていた。たまたまその日は受給日だったらしい。
ふと、思い出したのは「30歳代で自分の人生を終わらせる」という彼の話。現在の姿を30歳代後半に考えていたならば、彼はやはり只者ではなかったということだ。ホラーでもオカルト話でもないが、身の回りに起きた印象深い話として載せた。その後、彼とは連絡がつかず、一度も会っていない。
に載せた話の続き。知人からの紹介で会った2人目の祈祷師は新興宗教の関係者らしい。「コップに入れた水を手も触れずに震わせる儀式を行う」ということを、後で紹介者から聞いた。私が受けた祈祷ではそうした儀式はなく、ごく普通の話で終わった記憶がある。当時の接見内容がはっきりしないのは、特別驚くような出来事が無かったからだろう。
今回載せる話は、自分のことではなく祈祷師を紹介してくれた同僚のこと。当時、半年ほど前に中途採用で入社した30歳代後半の彼は、宗教がらみの話が異常に詳しく、それまでも多くの祈祷師や多くの新興宗教の関係者と面識があったという。悩み事を抱えていた私はその彼の紹介を受け、マンションの1室を祈祷場とする40歳代の女性祈祷師に会うために単身で出向いた。
この祈祷に乗り気だったのは、紹介した彼のほうだった。面談の後、「どのような流れで祈祷を行うのか」「水を張ったコップがどのように動いたのか」など、しつこく聞かれた。このコップに張った水の振動のほか、他の新興宗教では催眠術を用いるところもあり、「拍手を打ち、一瞬にして睡眠状態に導く」姿を何度も目撃した、との話も聞いた。
彼は、これまで会ったどの人物にも見られない独特の感性と洞察力を持っていた。とくに人物考察では飛びぬけて秀でていて、私の性格上の問題点なども厳しく指摘された覚えがある。その彼がある日「あと2年ほどで40歳を迎える」という話を始めた。そして「40歳から先の事は何も考えていない。自分の人生は30歳代で終わりにする」という。その時は、40歳を迎える恐怖感を特別強く感じている、と理解した。
それからしばらくして彼は転職。新しい会社に移ってからも、幾度も顔を合わせたが、それも次第に遠のいた。脳卒中で入院したという話を聞いたのは、最後に会ってから1年後だったと思う。持病の高血圧に飲酒癖が重なったことが遠因にあった。退院後はどこでどう暮らしているのか、誰に聞いても分からなかった。
再び会ったのは、ある区役所のロビー。後ろから名前を呼ばれて振り返ると、60歳後半から70歳ぐらいの、眼鏡をかけた白髪頭の老人がこちらを向いていた。全く見覚えの無い顔で「どちら様ですか」と聞いて、彼の名前が出たときは「どうしてそんなに変ったのか」と、思わず言葉が出てしまった。その時45歳の彼は、後遺症から仕事ができず生活保護を受けていた。たまたまその日は受給日だったらしい。
ふと、思い出したのは「30歳代で自分の人生を終わらせる」という彼の話。現在の姿を30歳代後半に考えていたならば、彼はやはり只者ではなかったということだ。ホラーでもオカルト話でもないが、身の回りに起きた印象深い話として載せた。その後、彼とは連絡がつかず、一度も会っていない。
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